ひとり暮らしのおじさん日記

札幌市在住。70歳超えおじさんの気ままな日記。

作家の生誕地を訪ねて/島木健作さん

2022-08-31 21:33:43 | 日記
  • 2022年8月31日(水/赤口):8月もおわりだな~。

今年はコロナに感染してしまったから、

家で静かな夏でした。

その分明日からの9月は少し楽しもうと思っています。

そこで早速、本日は札幌出身の作家「島木健作」さんの

生誕地へ行ってきました。

 

北1条西10丁目(札幌北1条郵便局前)にあるので、

「作家の故郷を訪ねて」的な大げさなものではありませんが、

道内出身作家さんの追っかけマンとしては生誕地に立ってみたい。

そして当時の街並みや風景を想像しながら、

例えば今回訪ねた島木健作さんは、

1903年にこの地で生まれたわけだから、周辺を歩きながら、

道庁が近そうだから、

道庁の池周辺でチャンバラごっこでもしてたかな~。

などと勝手な想像をしてみたり、

小学校は西創成小学校だそうで、実は僕も2年間、

同校に通学していたことがあるので、

僕が卒業してたら先輩になるんだ~。

そんなあれやこれやを考えたりしてました。

そうしたひと時も、

文学の楽しみ方の一つかなあと思ったりもしています。

※北1条通りを中心街に向けて撮ってみました。


待っていた恋人。

2022-08-30 15:01:02 | 日記
  • 2022年8月30日(火/大安):やっぱり秋風だな~。

ここ数日お酒を飲んでないけど、だからといって、

「お酒大好きさんの僕が何故?、

どこか悪くなったんじゃない?」という心配もなく、

むしろお酒を飲まない方が調子いいし、

たくさん本も読めるからこっちがいいな、の心境です。

作家の町田康さんが以前何かのインタビューで、

お酒を飲まないほうが仕事がはかどる、

的な事を語っていました。僕も今はまったく同感です。

ところで先週末に栄地区センター図書室に本の返却に行くと、

「予約本届いてますよ」と出てきたのが、

『ザリガニの鳴くところ』

(ディーリア・オーエンズ著・友廣純訳)です。

一瞬なんの事かわからなかったけど、そういえば、

半年程前に予約をしていたのです。その時、

「現在125人の方が予約しているから、

手元に届くのは半年後位ですね」と言われていました。

だから、待ちに待ったというよりか、

少々忘れかけていた方が当たってるかもしれません。

読みたかった本がやっと手元に届いたという気持ちは、

たとえば、ある女性に恋をして、

やっと告白出来たけど、あまりいい反応ではない。

きっと駄目だろうな~、と思っていたら、案の定、

「少し考えさせて」。

だよな~、と諦めていたら、一か月後に「交際ОK」の返事。

なんかそんな感じがして、

本を手にした時、じわーっと嬉しさが込み上げてきました。

訳者あとがきを入れて511ページ。

今朝から読み始めたけど面白そうです。

待っていた恋人なんですから。


おじいちゃん大学文学部1期生

2022-08-29 17:35:31 | 日記
  • 2022年8月29日(月/仏滅):今日も気持ちよくお仕事。

最近は「おじいちゃん大学文学部1期生」みたいです。

とにかく、調べたい文学テーマが次から次へと出てきて、

たとえば、昨日はニーチェが言った「ニヒリズム」は、

何故生まれたのか。それを知るためには、

当時のドイツ文学、社会、政治事情を知らばければ、

ということで『ドイツ文学案内』を読んでました。

結果、ニーチェを知るにはやっぱり,

『ツァラトゥストラ』を読まなければな~。

そんなことを思いながら、

9月2日放送の「ここは1丁目1番地書店」で紹介する

「明日は誰の誕生日」の作家さんを調べていたら、

島木健作さんという作家さんがいて札幌市出身です。

1903年生まれで、労働運動に加わり、

作品を書き続けていたとか。

労働運動と聞いて、ふと小林多喜二さんを思い出し、

検索してみたら、島木さんと同じ1903年生まれです。

この2人、どこかであったことはないのだろうか、

などと勝手な推論をたて、

やっぱり島木さんの著書を読まなければ駄目だな~。

僕は「おじいちゃん大学文学部1期生」になりました。

写真は小樽文学館に展示されている

小林多喜二さんのミニチュア書斎です。


『恋歌』(朝井まかて著)を読んで

2022-08-28 17:56:01 | 日記
  • 2022年8月28日(日/大安):まもなく8月がおわるー

イヤー、最後は言葉がなくなりました。

朝井まかてさんの『恋歌(れんか)』、読み終えたのですが、

主人公は明治の女流作家樋口一葉さんも通った

歌塾「萩の舎」創設者の中島歌子(本名登世)さんです。

江戸の池田屋旅館の一人娘登世さんが、

水戸藩の尊王攘夷の志士と出会い、恋して水戸に嫁ぐ。

時代は幕末、水戸藩というと井伊直弼大老暗殺の

「桜田門外の変」を起こした尊王攘夷論派です。

男性が主人公の幕末作品はそれなりに読んでるけど、

ほとんどの主人公は男性です。

だから朝井まかてさんという女性作家さんが、

女性をテーマにして書いた作品なので興味深く読みました。

江戸時代には士農工商という身分制度があり、旅館という、

いわば一番下の階級の商人の娘が上の武士に嫁ぐのです。

当然、親が娘にほどこす教育も武士と商人では違います。

つまり、衣・食・住に関係する生活環境がまったく違うし、

武士と商人、それも水戸という地方と江戸という町では

様々な教えの違いがあり、そうしたことも描かれていて、

興味深く、教えられることも多々あります。

280ページという作品を読んでいて、

登世さんが感じたことの一つに、

義のためなら命を惜しまないという

武士の考え方に対する「?」のようなものが

あったように感じました。それは、物語の後半部に、

彼女が義妹に語る、何があっても「生きなければ」

という台詞で表しているように思うのです。

幕末小説を読んでいると、

志士たちが競うかの如くに死んでいきます。

それも10代、20代の若者たちが取り付かれたように。

どうしてもっと「生」を大切にしないのか、

恥をかいたっていいじゃないか、

などという苛立ちを感じることもあります。

多くの犠牲があって、藩のために若者たちが血を流して、

じゃあ、何が変わったのかと言うと、

徳川が薩長に変わっただけじゃないか、

と書かれていることに僕も同感するし、

水戸藩天狗党事件で、家族であるだけで、

女性や幼子の首を何も調べずに斬ってしまう悲惨さ。

ページを閉じた時、

ウーーーん、言葉につまってしまいました。


今回も楽しく読みました。

2022-08-27 18:54:37 | 日記
  • 2022年8月27日(土/友引):時計を見たら18時45分。外は真っ暗。

イヤー、今回も楽しませてもらいましたー。

朝井まかてさんの『阿蘭陀西鶴』のことは

2,3日前にも書いたけど、

また一人好きな作家さんに出会った感じで、

手元には『恋歌(れんか)』が待機しています。それと、

今回初めて知った真梨幸子(まり・ゆきこ:1964年生まれ)さん。

『ふたり狂い』を読んだけど、短編8作品の連作で、

一作一作の奇妙なミステリアスな部分が微妙にシンクロしています。

その根底にあるのは、登場人物が持っている、

「妄想」「勘違い」「勝手な思い込み」などで、

ほんの些細な事で刺したり殺したりします。小説なんだし、

現実はこんなに簡単に事件なんて起きるはずはないし、

人間、そんなに馬鹿じゃないんだから、と思うけど、

たとえば「指入りコロッケ事件」が「指入りメンチカツ」

へすり替わっていく話は、メンチカツを揚げている主人公が、

クレーマーの出現によって、

指にしていた絆創膏が無くなっていることを知り、

そこに指入りコロッケ事件がオーバーラップしてきて、

もしや?と精神的に自分を追い込んでいく話しなのです。

今日、会社はきちんと管理していてそんな事は起きないけど、

記憶の曖昧さは往々にしてあるわけで、

時と場合によって僕も自分を追い詰めていく可能性もあると

思うと恐ろしくなってきました。

だけど、お化けは怖いけど一度見てみたいと思うように、

真梨作品をもうちょっと読んでみたいという思いにもなりました。

本日返した本

本日借りて来た本