- 2022年7月16日(土/大安):今夜は高校時代の友人と会食。
ビートルズの映画「レット・イット・ビー」は、
昨年「ゲットバックセッション」としてネット配信されました。
そこには楽曲作りに「迷走するビートルズ」がいました。
無から楽曲を仕上げていく過程での迷走はバンドにはあります。
だからビートルズにもあったし、
その迷走を無事に着地点に運んで行ったプロデューサー、
ジョージ・マーチンの凄さを改めて感じたのですが、そんな時、
ひとり出版社「夏葉社(なつはしゃ)」代表島田潤一郎さんの著書
『あしたから出版社』に出合いました。
作家を志していたけど出版社を創ろうなんて
考えたことのなかった島田さんが、
どうして出版社を創ろうと思ったのか。そして、
本を出版していく過程の、いわば「うみの苦しさ」。
創った人だけが味わえる「本が出来上がった」時に
じわ~っとどこからともなく湧いてくる嬉しさ。
売れるかなーという不安と、
よーし、作家さんに答えるためにも頑張って売ろう!
という希望に燃えた意欲感。様々な思いが綴られています。
まさに著者の夢と希望に満ちた本音満載の1冊であり、
読んでると刺激がビンビン伝わり、元気がもらえる1冊です。
一人で「ホステップ」という小雑誌を作っている僕などは、
その悪戦苦闘が島田さんに比べたら、
まるで「月とすっぽん」で、努力不足を痛感すると同時に、
この本は「ひとり出版社」を目指している人たちのバイブル
になるのではないだろうか、などと思ったりもしました。
話しをビートルズに戻しますが、
ビートルズは4人だから、4人がいることの良さと、才能が
ぶつかり合う危険性が一進一退します。勿論、ひとり出版社はひとりでも
作家さん、装丁担当者さんへお願いをしなければなりません。
ビートルズは、ギター、ベース、ドラムス、歌によるアンサンブルで、
ひとり出版社は、作家、装丁担当、編集者、印刷というアンサンブルです。
だから大切になってくるのが「一緒にアンサンブルを奏でるメンバー」です。
そのことを島田さんは次のように書いています。
「何をやりたいかではなくて、
だれと仕事をするかのほうが、よっぽど重要なんだ」。
ビートルズも、
4人が一緒に奏でる音楽作りをそれぞれが楽しんでいたから、
数々の名曲が生まれてきたと思います。同様に、島田さんが出版する本も、
そうして作られているような気がしました。
僕もそういう関係性の中で、
「ここは1丁目1番地書店」や「ホステップ」を作っていきたいな~。