nodatchのブログ

鉄道が好きな旅行作家が、取材や出版などの個人的な話を書いていきます

国際夜行列車『アルフレッド・ノーベル』号

2018-07-25 19:35:00 | ヨーロッパの鉄道
1990年夏のヨーロッパ旅行、シリーズ第4弾

ノルウェーの首都オスロからドイツへ向かいました。乗ったのは、国際夜行列車『アルフレッド・ノーベル』号。発車はオスロ中央駅です。

centralstationのスペルがsentralstasjon。英語ではなくてノルウェー語なのです。

発車案内板には、17時発ハンブルク行きと出ていました。


ホームに出ると、列車が横づけになっていました。ノルウェーなのに、スウェーデンの電気機関車が先頭に立っていました。国境まで2時間ほどですが、大きな都市がなさそうなので、付け替えの手間を省くためでしょう。

私が乗るのは1等寝台車。TEN(Trans Euro Nacht、英語ならNightです)のロゴが付いていました。



客車の行先表示板(サボ)も見ておきましょう。


個室寝台は手狭で、窓寄りに洗面台があるところなど、旧国鉄のブルートレインのオロネ25みたいでした。

17時発車とはいえ、夏の北欧ですから、日はまだ高く、しばらく走っても昼間の列車のような車窓でした。

撮影場所は、まだノルウェーなのか、すでにスウェーデン領内に入っていたのか、今となっては分かりません。

スウェーデン第2の都市ヨーテボリで進行方向が変わり、ようやく日が暮れ、夜のスウェーデンを走っていきます。食堂車はなく、1等寝台の客は、倉庫のような別室で温かい食事を食べることができました。ムードはなかったですが、美味しい食事でした。

寝ている間に、スウェーデン南部のヘルシンボリからフェリーに客車ごと載せられ、カテガット海峡を渡ってデンマークのヘルシンオアへ。上陸後、首都コペンハーゲンを経て、ロービューへ。再び列車ごとフェリーに乗せられ、バルト海を渡って、ドイツへ向かいました。

たぶん、目が覚めたのはフェリーの中。ドイツのプットガルデンで上陸し、窓から外を見ると、すでに朝となっていて、赤いディーゼル機関車が列車を牽引していました。


列車の編成は寝ている間にかなり変わっていて、ヨーテボリかヘルシンボリでストックホルム初の車両を併結していたようでした。このときは、ハンブルクまで行かないで、リューベックで下車したと思います。写真が残っていないのが残念です。

ノルウェーの首都オスロの郊外電車

2018-07-24 12:07:00 | ヨーロッパの鉄道
1990年のヨーロッパ旅行。デジタルアーカイブ第3弾
北欧ノルウェーの首都オスロの郊外電車についてです。

オスロ市内のフログネル公園を訪れました。彫刻家ヴィーゲランの作品が野外展示されていました。




近寄ってよく見ると人間がぎっしり積み重なっていて、ある意味異様です。

さて、公園を後にブラブラ歩いて行くとT-baneという郊外電車のターミナル駅に出くわしました。ガイドブックなどにはオスロの地下鉄と紹介されていますが、都心のごく一部の区間が地下を走っている以外は地上を走ります。郊外電車といったほうがぴったりきますね。

しばし待っていると色々な電車がやってきます。首都なのに1両の単行電車も登場し、田舎のローカル私鉄みたいでした。






次の訪問地はスキーのジャンプで世界的に有名なホルメンコレン。電車の系統を確認し、待っていたら、やってきたのは木造車両。何だか山小屋を思わせるクラシカルな電車でした。

ホルメンコレン駅で降りて、ジャンプ台を目指します。



かつて冬季オリンピックの競技場となったこともあるので、五輪マークが飾られていました。ジャンプ台の上までエレベータで上り、下を見下ろしましたが目がくらむようでした。

帰りも木造電車で都心に戻りました。


ノルウェーのディーゼル機関車

2018-07-22 23:41:00 | ヨーロッパの鉄道
ナルヴィクから南下しましたが、ボードーまでは鉄路がないので、小型機で移動。わずか40分でしたが、断崖絶壁や険しい山を越える有視界飛行でハラハラドキドキでした。

ボードー駅からは、再び列車の旅です。意外にも、ナルヴィクよりは立派な駅舎に驚きました。

ノルウェーの鉄道は電化が進んでいるのですが、このあたりは非電化単線で、ディーゼル機関車が客車や貨車を引っ張っていました。1990年当時は、メルクリンの鉄道模型でおなじみのアメリカン・スタイルの機関車が主力でした。とうとう会えたね!と感激しました。



アメリカン・スタイルでエンジンはアメリカ製だったかと思いますが、スウェーデンのNOHABとかいう会社で組み立てたもの。デンマークにも同形式の機関車がいました。

南からの列車が到着し、重連の機関車が切り離されて入換を行っていました。

広大な駅の構内には、凸形の入換機の姿もあったのでスナップしました。


発車後、2時間ほどで北極圏のモニュメント脇を通過。スウェーデンのものは看板でしたが、こちらは地球儀のようなモニュメントでした。

モイラーナという駅で何分か停車したので、ホームに降りて駅舎を撮影しました。

この駅かどうか忘れてしまいましたが、貨物列車と2回すれ違いました。1回は、新型機関車、もう1回はアメリカンスタイル機の重連でした。




10時間くらいの長旅の末、トロンハイムに到着。そこで夜行列車に乗り換えて、首都オスロに着いたのは、翌朝のこと。長い長いノルウェー縦断の鉄道旅でした。

北極圏への旅

2018-07-22 21:58:00 | ヨーロッパの鉄道
1983年から2009年まで、18回にわたってヨーロッパを旅しました。そのうち、1990年から2005年にかけての14回は、ポジで撮った写真が残っています。しかし、ケースに入ったまま眠っている状態で、年とともに劣化が進んでいるようです。このまま埋もれてしまってはもったいないので、思い切ってデジタル化をすることにしました。手作業では面倒なので、お金はかかりますが、ヨドバシカメラでS-DVD化の注文を出すことにして、少しづつDVDになって戻ってきています。すっかり忘れていた画像も多く、新たに旅をしたみたいな気分です。

このブログでも、その一部を公開したいと思います。まずは、1990年の旅行から。この夏は、初めてSAS(スカンジナヴィア航空)に乗り、スウェーデンの首都ストックホルムから旅が始まりました。市内を散策したあと、何日目か忘れましたけれど、北を目指して夜行列車「ノルドピーレン号」で旅立ちました。

夏の北欧は、夜行列車といっても白夜なので夜中まで陽が沈みません。車窓が楽しめるのです。
そのかわり寝不足で朝を迎えました。北極圏に入ります。

キルナで寝台車が切り離されたので、座席車に移動し、ノルウェーに入るとフィヨルドが見えてきました。山を越えて、終点ナルヴィクを目指します。

15時間くらいかかってナルヴィクに到着。西ヨーロッパ最北端の駅です。キルナで採掘された鉄鉱石を港まで運搬する貨物列車が頻繁に走っていました。

ローカル列車も見かけました。2両編成の古めかしい電車でした。


工業デザイナー黒岩保美展

2018-07-18 22:31:00 | 国内の鉄道
2つの所用の間が3時間近く空いたので、旧新橋停車場 鉄道歴史展示室で開催中の「没後20年 工業デザイナー 黒岩保美」展を見てきました(無料です。図録は500円)。

いわゆる国鉄型車両や優等列車のヘッドマークなどのデザインを手がけたのが黒岩さんで、シンプルな中にも日本の風景によく溶け込んだ優れたデザインだと思います。




黒岩さんは国鉄退職後、雑誌「とれいん」編集部にお勤めとなり書評欄も担当、拙著を好意的に評価して雑誌「とれいん」に書評を書いてくださいました。わざわざ拙著の感想を書いた直筆の葉書までお送りいただき、感激しました。

そのすぐ後に、一度だけ黒岩さんの写真展でお会いし、お礼を申し上げたのが、亡くなる少し前でした。あれから20年、早いものですね。