nodatchのブログ

鉄道が好きな旅行作家が、取材や出版などの個人的な話を書いていきます

中国地方のローカル線めぐり(3)~三次駅と三江線

2016-11-21 15:51:00 | 国内の鉄道
福塩線の旅が終わって、三次駅に到着しました。芸備線、三江線、そして福塩線からの乗り入れ列車が行きかうジャンクションのはずですが、広島方面をのぞいて、列車本数がきわめて少なくなってしまい閑散としていました。ちょうど広島方面への列車が発車する間際だったようで、「タラコ色」のディーゼルカー2両編成が停車中でした。

反対側の留置線には、このあたりのヌシであるキハ120が休んでいました。

三次駅の駅名標。尾関山というのは、三江線の駅で、桜の名所です。

改札を出て、駅舎を眺めてみました。近代的な建物なので、最近建て替えられたのでしょう。


タクシーで市内のホテルに向かい、1泊して次の日の朝、再び三次駅にやってきました。朝9時前で、大都会なら、まだラッシュは終わっていない時間帯ですが、この駅は閑散としていました。
三江線に乗るため、3番線に向かいます。ホームには、三次の駅名標のほか、三江線独自の石見神楽の演目名による愛称駅名標が掛っていました。

三次駅は、「土蜘蛛」です。各駅で異なる愛称が付いているので、これを撮って回るだけでも大変な労力が必要です。

さて、三江線の列車が到着しました。

この列車が、折り返して三次発石見川本行きとなります。その乗車記は、BEST TIMESに執筆しましたので、そちらをご覧ください。

廃止が決まったJR三江線の旅

飯山線のSL試運転

2016-11-18 20:15:00 | 国内の鉄道
11月19日と20日の2日間、JR飯山線にイベント列車「SL飯山線ロマン号」が走ります。それに先駆けて行われた試運転の撮影に行ってきましたので、かなり遅くなりましたが、写真を公開したいと思います。

出かけたのは、11月1日。この日の試運転は、長岡発で、越後川口~十日町~飯山の片道運行でした。上越新幹線、ほくほく線と乗りついで十日町へ。SL列車の到着1時間前でしたので、のんびりと駅から10分ほどのところにある踏切(駅から2つ目の踏切です)に出かけました。同好の者は10人に満たず、のんびりと撮影できました。意外にも予定より5分ほど早い通過でした。

今回は、十日町駅前で知人3人と待ち合わせし、レンタカーで追いかけることになりました。十日町では汽車は1時間ほど停車しますので、時間的には焦る必要がありません。まずは、越後田沢と越後鹿渡間にある信濃川を渡るポイント。平日にもかかわらず、大変な人出でした。

鉄橋へは下って差し掛かるせいで、煙は出さず、鉄橋を渡り切るあたりから煙を吐いて驀進してきました。津南では10分停まるので、簡単に追い抜き、越後田中付近で撮影。大きな銀杏の木を入れてカメラを構えている人が何人かいましたので、その隣で撮ってみました。

森宮野原でも汽車は23分停車。その先にある栄大橋から千曲川を俯瞰できるポイントで待ちました。あいにく雨模様になってきて、傘をしっかりさせないような降り方でしたが、何とか撮影しました。

そのあと、ゆっくり走る汽車を簡単に追い抜いてしまいましたので、予定外の場所で撮影。

次の桑名川では30分停車なので、上境付近で、慌てずに撮影しました。

戸狩野沢温泉駅手前では、間一髪間に合わず失敗しましたが、戸狩野沢温泉での18分停車の間に先回りして、信濃平あたりの踏切で最後の走行写真を狙いました。あまり煙を吐かず、ここでは後追いがいい感じでした。

北陸新幹線の駅ができた飯山駅。その高架下に汽車は停まっていました。やがてバックして、元の飯山駅があったあたりの側線で休憩。線路際の公園に保存されているC56との並びを撮ってこの日の撮影は終わりました。


なお、汽車は深夜にディーゼル機関車に牽引されて長岡に戻るそうです。私たちはレンタカーで越後湯沢に戻り、上越線(在来線)で飲み会をしながらのんびり帰京しました。

伊豆観光列車 記者発表会

2016-11-17 20:30:00 | 国内の鉄道
伊豆急の観光電車「アルファ・リゾート21」が大改造の上、新しい観光列車として再デビューするというので、「伊豆観光列車 記者発表会」に出席しました。

会場は、東京・渋谷のセルリアンタワー東急ホテル39階。まずは、伊豆急の親会社である東急電鉄の野本弘文社長より、列車名、ロゴ、外観デザインの発表がありました。

列車名は"THE ROYAL EXPRESS"。ロイヤル・ブルーを基調とした外観です。

外装をはじめ、インテリアなどのデザインを担当するのは、JR九州の観光列車などを幅広く手掛けている水戸岡鋭治氏。8両編成の各車両について細かく説明がありました。

8両編成というのは、我が国の観光列車では最大の編成とか。そういえば、「ななつ星in九州」は客車7両編成ですし、ほかの観光列車は、2~4両編成が多いですね。8両編成ですが、定員は100名ほど。客室のほか、4号車はキッチンカー、3号車はマルチスペースとして、ミニコンサート、展示会、結婚式などのイベントが行えるようです。


運転区間は、JR横浜駅と伊豆急下田間。7月に運行を開始した「伊豆クレイル」は小田原~伊豆急下田間でしたから、やや都心まで進出することになります。横浜と言うのは、東急東横線との接続を考えているようです。そのためか、東横線の駅に隣接して、乗車前にくつろげる乗客専用ラウンジを設置するとのことでした。そのほか、伊豆急下田駅周辺の商業施設、観光施設、ホテルなどのリニューアルも行い、トータルで伊豆観光の活性化を図る模様です。

ほかの特色としては、THE ROYAL EXPRESSのテーマ曲を制作、列車のPR、車内での生演奏など音楽による演出とはユニークな試みです。発表会では、作曲者でもあるヴァイオリニストの大迫淳英氏の演奏により、テーマ曲が公開されました。


最後に、フォトセッションがあり、野本東急社長、水戸岡鋭治氏、伊豆急の小林秀樹社長の3人で記念撮影となりました。


THE ROYAL EXPRESS の運転開始は2017年7月予定。とりあえずは、車両の完成が楽しみです。

中国地方のローカル線めぐり(2)~福塩線(2)

2016-11-03 21:08:00 | 国内の鉄道
万能倉から乗った電車は混んでいました。座れはしたものの、ロングシートなので、横向きになって車窓を眺めることもできませんし、向かいの窓はブラインドが降りていて景色はよく見えません。ちらりちらりと停車駅の様子を垣間見るくらいでした。ちょうど20分かかって電車の終点府中に到着。ここから先は非電化区間なので、ディーゼルカーに乗り換えです。急いでホームの人込みをかき分け三次行きに乗り込んだので、クロスシートの進行方向窓側に座れました。単行(1両のみ)列車で、ボックス席は4か所しかないので、ラッキーでした。


駅や車両の写真を撮っていると15分の待ち時間はあっという間に過ぎ、列車は定時に発車しました。1本前の列車は、およそ2時間半前、この後の列車は約2時間後という閑散とした区間ですから、朝、東京を発つとこの列車しか選択肢はありませんでした。まあまあの乗車率。何だかカメラを手にうろうろしている人の姿が目につきます。こんな時期にわざわざ福塩線に乗りに来たとは思われません。目的は私と同じで、三次まで乗りとおして、明朝、三江線に乗るのではないでしょうか?

列車は、渓谷に沿って山の中をゆっくりと進みます。線路の状態がよくないのか、ところどころ最徐行で牛歩のごとく動いているという感じです。


急ぐ旅ではないので、そんなスローなスピードも気になりませんが、移動手段としては選ばれないようです。少しづつ車内が空いていきます。

府中から40分あまりで上下(じょうげ)駅到着。ダジャレのように、ここで上下列車がすれ違いました。まともな乗客が何人も降り、残るは鉄道ファンばかりといった感じになりました。列車は、あいかわらずのんびりと走り、山越えのあとは、のどかな田園地帯を通り過ぎていきます。

上下駅から30分ほどで吉舎(きさ)駅に到着。午後4時を過ぎ、下校時間になったせいか、高校生が大勢乗ってきました。

三次まで、あと30分少々の距離。この列車は、この高校生のために走っているのでしょう。今までとは打って変わって賑やかです。グループで固まる習性のある彼らは、一人でも見知らぬ大人が乗っているボックス席には近寄りません。私の席の横や前は誰も座らないままでした。

 塩町で芸備線に合流。福塩線というのは、福山と塩町を結ぶことから名づけられた路線名なのですが、ここで終点となる列車はなく、このまま芸備線に乗り入れて三次へ向かいます。ホームの反対側には三次からやってきた芸備線の列車が到着しました。福塩線の列車から乗り換える高校生や、塩町が最寄り駅となる別の高校の生徒も大勢乗ってきて、車内はますます賑やかになりました。途中駅で降りる高校生もいましたが、10数分で三次に到着するまで、通学列車の役割を果たしていました。山の中の閑散とした状態とは程遠い状態。三次までガラガラだったら、絶望的な雰囲気だったでしょうが、活気のある車内や駅の様子を目の当たりにしてホッとしたのは確かです。

 一日列車内で過ごして疲れたので、駅前からタクシーでホテルへ。ゆっくり休んで翌日の三江線の旅に備えました。そういえば、車内の鉄道ファンたちは全員三次まで乗っていました。三江線でも一緒なのでしょうか?