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nodatchのブログ

鉄道が好きな旅行作家が、取材や出版などの個人的な話を書いていきます

ザルツブルクで見かけた『ガラス電車』

2020-09-27 15:43:00 | ヨーロッパの鉄道
ヨーロッパ鉄道旅行写真デジタル・アーカイブス 1995年夏、ドイツ&オーストリアの旅、その2

ウルムからミュンヘン経由でザルツブルクへ。国境の街で、ドイツからオーストリアへ入国しています。ホームに降り立つと目の前に「ガラス電車」(Glaeserner Zug)が停車していました。


団体旅行用の観光電車で、1935~36年にかけて2両製造。しかし、1両は戦時中に爆撃で被災、残る虎の子の1両(ET90-01、のちに491-001-4 と改番)が南ドイツやオーストリアで観光客を運んでいました。しかし、この写真を撮影した4か月後の1995年12月12日に、有名な保養地で冬季オリンピックが開催されたこともあるガルミッシュ=パルテンキルヒェン Garmisch Partenkirchen でほかの列車と衝突事故を起こし大破。以後、走行することなく今に至っているようです。現在は、アウクスブルクの博物館 Bahnpark Augsburg にて保管中とのこと。貴重な1枚になってしまいました。もう何枚か撮っていたらと悔やまれます。フィルム時代とは、そんなものでした。

写真が1枚だけというのも寂しいので、ザルツブルク中央駅の駅舎と市内のモーツァルト像の写真を掲載しておきます。




(撮影=1995年7月29日)

<参考>
ヨーロッパ鉄道旅行写真 デジタルアーカイブス、ポータルサイトは、こちら

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ドイツ南部ウルムのドナウ河を渡る列車

2020-09-26 11:46:00 | ヨーロッパの鉄道
ヨーロッパ鉄道旅行写真デジタル・アーカイブス 1995年夏、ドイツ&オーストリアの旅、その1


この年の旅行は色々な出来事があり、思い出したくないこともあるので、あまり多くを書くことはしません。ただ、鉄道に関してはあれこれ成果があったので、断片的に記すこととします。

その中でも、ドイツ南部の小都市ウルムを訪問し、ドナウ河畔に聳える大聖堂をバックにDB(ドイツ鉄道)の走行写真を撮ったのは思い出深いことでした。この路線は、フランクフルト方面からやってくる列車がミュンヘン方面へ向けて多数走っている幹線なので、高速列車ICE,特急列車InterCity、それにローカル列車などバラエティに富んだ列車を1時間ほどの間に何本も撮影できました。

まずは定番位置から、ICEを撮影しました。




103形電気機関車牽引のインターシティです。真っ赤な塗装が残念!赤とクリーム塗装の方がいいですよね。


ローカル列車もやってきます。ディーゼル機関車牽引なのは、支線へ直通する列車だからでしょう。


列車の合間に、入換用の凸型ディーゼル機関車が単機で通過していきました。



定番位置から離れて、別アングルでも撮ってみました。いずれも普通列車です。





旧国鉄のDD54形のモデルといわれるDBのディーゼル機関車215、216、218形。塗装はオリジナルのくすんだ赤やトルコブルーとクリームのツートンカラーの後で再塗装された鮮やかな赤が私の好みです。

(撮影=1995年7月28日)

<参考>
ヨーロッパ鉄道旅行写真 デジタルアーカイブス、ポータルサイトは、こちら

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蒸気機関車ゼロイチ牽引のライン河花火見物列車(2)

2020-08-16 16:33:00 | ヨーロッパの鉄道

ヨーロッパ鉄道旅行写真デジタル・アーカイブス 2001年夏、ドイツ&チェコの旅、その20


前編(1)は、こちら

ライン河畔のボッパルトBoppard駅で2時間少々の大休止。まともな(笑)乗客は、近くのレストランへ食事に出かけていきました。不案内な人のために、車掌が食事処を記した地図を配っていました。

とりあえずは、列車の観察。ゼロイチを中心に客車も見ていきました。






緑の客車で編成された列車内で異彩を放つ「赤い食堂車」



多くはDB(旧・ドイツ連邦鉄道)のマークを付けていましたが、戦前のDR(ドイツ帝国鉄道)のマーク入りの客車も混じっていました。

ポッパルトはドイツでも有数の幹線上にある駅ですので、かなり頻繁に列車が行き交っています。


↑2階建て客車で編成された普通列車。電気機関車が最後尾に付いたプッシュプル列車(Wendezug)です。


↑高速列車ICE(InterCity Express)も猛スピードで通過していきました。

私は休む暇もないのですが、さくらこさんは退屈してしまったようです。


というわけで、駅を後にライン河畔へ。5分もかかりませんでした。




のんびり散策して駅に戻ってくると、そろそろ出発の準備です。


列車は、一旦、駅のはずれまでバックして、ゼロイチを先頭にホームに入ってきました。薄暗くてフィルムでは撮れないので、デジタルビデオで撮影してみました。残念ながら、この場では公開できません。

指定券を持った人が乗って来たので、赤い食堂車へ移動して、食事をすることに。ところがクレジットカードは使えないことが判明。ビールと最低限のものしか注文できませんでした。

すっかり日が暮れたライン河畔を走り、21時40分にコブレンツ中央駅着。1時間くらい停車する間に、ゼロイチは構内のデルタ線で方向転換し、逆向きになって再び列車に連結。

22時52分。コブレンツ中央駅発車。ものの3分ほど走り、ライン河に架かる鉄橋上で停車。花火が上がり、30分ほど車内から花火見物を楽しみました。日本の花火と異なり、色彩感に乏しく地味でしたが、まわりのドイツ人たちは大喜びでした。

終了後、一旦、対岸のコブレンツ・リュッツェル駅に停車。ゼロイチは切り離され、列車の先頭から最後尾に移動して客車に連結。あとは、一気にフランクフルトへ戻るだけです。

ちょっとゼロイチを見るだけのつもりが、フランクフルト中央駅到着午前2時の大旅行となってしまいましたが、大変充実した一日でした。


翌日の帰国便は、午後の出発だったので、朝寝坊しても慌てることはなく、ゆっくりと空港へ向かいました。

以上で、2001年夏のドイツ&チェコの旅レポートはおしまいです。

(乗車日=2001年8月11日)

<参考>
ヨーロッパ鉄道旅行写真 デジタルアーカイブス、ポータルサイトは、こちら

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蒸気機関車ゼロイチ牽引のライン河花火見物列車(1)

2020-08-15 16:31:00 | ヨーロッパの鉄道

ヨーロッパ鉄道旅行写真デジタル・アーカイブス 2001年夏、ドイツ&チェコの旅、その19


リンゴ電車」をフランクフルト中央駅前で降りて、駅構内へ向かいました。この日は、年1回のSL(蒸気機関車)牽引による「ライン河花火見物列車」が運行される日。ちょっとだけ、機関車の姿を拝みたくてホームへ。発車案内板のSonderzug(特別列車)という表示を手掛かりに1番線へ。ダークグリーンの旧型客車で編成された列車が停まっていたので、安心して先頭へ向かいました。

予想通り、機関車は往年の急行列車牽引機ゼロイチ(01)形。1999年夏に同じフランクフルト中央駅で出会って以来の再会でした。



ホームはイベントらしく大勢の人でごった返していました。そんな中、何とか記念写真を撮ってもらいました。


運転台の様子。フランクフルトの鉄道愛好家の団体が保有する機関車なので、DB(ドイツ鉄道)の表示の代わりに Historische Eisenbahn と書いてありました(01 118 の上です)。


これだけで満足だったのですが、さくらこさんが「乗らないの?」と言います。その後、何の予定もないので、何とかなるだろうと思い、衝動的に飛び乗ってしまいました。





17時15分、図体に似合わない甲高い汽笛を鳴らして発車。広い構内をゆっくりと進みます。



車掌が回ってきたので、きっぷを購入。ユーレイルパスは使えません。「空いている席に座っていいよ」と言われたのですが、ほぼ満席。さくらこさんをコンパートメントの片隅に座らせ、私はもっぱら通路から車窓を楽しむことにしました。かつての、ブルートレインの旅を思い出しました。

マインツを出ると、ライン河に沿って快走。インターシティやICEで何度か通った路線をゼロイチ牽引列車に乗って進むなんて夢のようでした。




対岸を走るローカル列車や貨物列車が気になりますね。

19時12分、ライン河畔の小駅ボッパルト Boppard に到着。まだまだ明るいので、ここで2時間ほど停車。時間調整をして花火見物に備えるのです。


つづく

(乗車日=2001年8月11日)

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フランクフルトのリンゴ酒電車

2020-08-14 14:03:00 | ヨーロッパの鉄道
ヨーロッパ鉄道旅行写真デジタル・アーカイブス 2001年夏、ドイツ&チェコの旅、その18


帰国便の出発するフランクフルトでは、前日とくに予定を入れていませんでした。市内を散策するか、買い物でもするかと考えたのですが、たまたま土曜日だったので、トラム(路面電車)のイベント車両である「リンゴ酒電車」(Ebbelwei Express)が午後走ることを思い出しました。


リンゴ酒を呑みながら、市内遊覧をするプランに、さくらこさんが反対するわけはありません。ランチを食べたあと、のんびりと中央駅前の電停に向かいました。

何本か普通の路面電車をやり過ごした後、お目当ての「リンゴ酒電車」がやってきました。


停車してドアが開いたので、乗ろうとしたら、車掌が「Nein,Nein(ダメ、ダメ)」と制止します。満員だから乗れないとのこと。ガッカリです。数分後に、「リンゴ酒電車」は近くをぐるりと回って戻ってきたのですが、今度は停車もしないで通過していきました。

40分後に戻って来るので、再びトライしてもいいのですが、また乗車拒否されるかもしれません。冷静になって、リンゴ酒電車の時刻表とルートをプリントアウトしてきたものをチェックしてみます。すると、市内を一周するルートで、中央駅とは反対側に位置するHeide Strasse(ハイデ・シュトラーセ<通り>)で15分ほど停車をすることになっています。最悪、じっくりと写真だけでも撮って引き上げましょうか?市内の電車とバスの路線図を調べると、Uバーン(地下鉄)ならショートカットで先回りできることが判明。さっそく地下鉄でハイデ・シュトラーセ駅の近くにあるボーレンハイム・ミッテ駅に向かいました。乗車時間は10分ほどでした。

ハイデ・シュトラーセ駅は路面電車の車庫があるところ。15分も停車する理由が分かりました。



車庫の電車を撮影して時間をつぶしていると、先ほどの「リンゴ酒電車」がやってきました。ここで何人もの乗客が下車したので、今度は、車掌が愛想よく車内へ案内してくれました。やっと乗れたのです。

15分ほど停車するので、席を確保した後は、車外から何枚か記念写真を撮りました。





さっそく呑み始めてご機嫌なさくらこさん。


旧型車両なので、レトロな運転台付近。

さあ、いよいよ出発です。5ユーロ(現在は8ユーロ)払うと、リンゴ酒のボトル1本とおつまみのスナックを渡されました。子供やお酒が飲めない人は、リンゴジュースかミネラルウォーターを受け取っていました。

ボトルのラベルは「リンゴ電車」のイラスト入り。写真を撮っただけなのか、持ち帰ったのかは忘れてしまいました。電車は結構無造作に急カーブを曲がるので、テーブルにはかなり深い穴が掘ってあり、そこにボトルやコップを差し込んで転倒を防ぐようになっていました。





いつしか車内ではBGMが流れ出しました。真夏なのに、季節外れの「ジングルベル、ジングルベル・・・」のメロディ。耳を澄ますと、「アプㇷェルワイン(リンゴ酒)、アプㇷェルワイン、・・・」という替え歌。口ずさむ人もいて、車内は居酒屋の雰囲気で盛り上がってきました。結局、(ほろ酔い気分だったので、たぶん)1周半して中央駅前で下車しました。

(乗車日=2001年8月11日)

<参考>
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