シリアでイラン革命防衛隊幹部ら7人死亡、イスラエルが攻撃か
シリアの首都ダマスカスのイラン大使館周辺に1日、イスラエル軍によるものとみられる攻撃があり、イラン革命防衛隊の上級司令官が死亡した。レバノン治安筋がロイターに対し明らかにした。写真は4月1日、イスラエル軍によるものとみられる攻撃を受けたダマスカスのイラン大使館周辺で撮影(2024年 ロイター/Firas Makdesi)
[ダマスカス 1日 ロイター] - シリアの首都ダマスカスのイラン大使館周辺に1日、イスラエル軍戦闘機によるものとみられる攻撃があった。イラン政府はこの攻撃で上級司令官3人を含む7人が死亡したと発表。イランの駐シリア大使はイラン政府は「厳しい」対応を取るとしており、イスラエルと間の緊張が大きく高まっている。 イラン革命防衛隊は声明で、精鋭部隊「コッズ部隊」の上級司令官モハンマド・レザ・ザヘディ氏を含む軍事顧問7人が死亡したと発表。
イラン国営メディアは、イラン政府はザヘディ氏が標的だったとの見方を示していると伝えている。 シリアのミクダード外相は「ダマスカスのイランの外交施設を標的とし、多くの無実の人を殺害したこの残虐なテロ攻撃を強く非難する」と述べた。 イランのアクバリ駐シリア大使はこの攻撃で負傷していない。イラン国営テレビに対し、外交官を含む最大7人が死亡したとし、イラン政府は「厳しい」対応を取ると述べた。
イスラム組織ハマスとイエメンの親イラン武装組織フーシ派も今回の攻撃を非難している。 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は匿名のイスラエル当局者4人の話として、イスラエルが攻撃を実行したと認めたと報じている。 ロイターの記者は、大使館に隣接し、倒壊した領事関連の建物のがれき上で救急隊員が捜索に当たる様子を目撃した。現場ではシリア外相や内相の姿も見られたという。 シリア国営メディアは軍関係者の話として、イスラエルはゴラン高原からイラン大使館周辺を攻撃し、シリアは防空システムでミサイルのうち数発を撃墜したと報じている。
イスラエル軍の報道官は、外国メディアの報道にはコメントしないとした。イスラエルは長年、シリア内のイランの軍事施設などを標的に攻撃を繰り返しているが、大使館周辺が攻撃を受けたのは今回が初めて。 米ホワイトハウスは今のところ直接コメントしていない。 米国務省のマシュー・ミラー報道官は定例記者会見で、米国は「地域的な紛争のエスカレーションを引き続き懸念している」と述べた。また、イランの支援を受けているハマスが拘束している人質の解放を巡る交渉に影響は及ばないとの見方を示した。