IT翻訳 Nobuyuki の仕事部屋

ボランティアでソフトウエアーローカライズのために翻訳をしている。

Gecko Runtime Environment(GRE) を和訳する -1

2005-05-03 08:43:45 | InTranslated
本日から新しい試みにチャレンジしたい思います。
今回翻訳するのは、Gecko Runtime Environment(GRE) という文書です。 Mozilla Japan の掲示板に和訳の要請が出ていたものです。私の場合、和訳のリクエストが出ているものを主に受ける形で翻訳しております。考えてみるとこれは大変な事です。翻訳の対象が多岐に渡るからです。当然広く豊富な知識が必要とされます。実際技術者ではない私にとって翻訳作業そのものが困難を極めます。しかしそれでも、敢えて難しい試みに挑戦し続けているのは、

1)翻訳をしながら、新しい知識を吸収できる。それが、翻訳力の向上につながる。
2)草稿公開という仕組みによって、原稿のチェックをしていただけるので、共同作業としての翻訳が実現できている。
3)翻訳そのものが楽しい。

という理由です。
実際、草稿公開によって、間違いの指摘や代替訳文の提案を受けることが多いです。前にも述べましたように、翻訳は共同作業であると思いますので、最終的に間違いのない日本語としても読みやすい翻訳ができればよいと考えております。
さらに、中でも3)の要因は大きいです。自分自身でこうして、大げさに言えば自己実現の機会をいただけるのは有難いことだと思っています。
とは言っても、ランダムにあれこれとつまみ食いしても本当に翻訳力がつくのかとい疑問もあります。一番いいのは自分なりに興味のあるテーマを決めて、その周辺の文書を中心に翻訳できたらいいなと思います。まあそのあたりは色々な文書を翻訳しながら、ぼちぼち焦点を絞って行きたいと思っております。

さて、それでは早速作業開始と行きますね。m(__)m

原題: Gecko Runtime Environment(GRE)
訳題: Gecko ランタイム環境 (GRE)

原文:  青色表示
訳文:  黒色表示
*n(=int)校正コメント:赤色表示

最初はタイトルと目次までを下記のように訳しましたが、これは途中で変わる可能性があります。翻訳している最中にこちらの表現の方がベターということは多いですね。あと、ひとつ原文の「?」の扱いですが、これは日本語にないので、省くという意見もありますし、意味がより明確になるので残そうという人もいます。下記では省きましたが、どうでしょうか。無いほうが日本語らしいかもしれませんね。

Gecko Runtime Environment(GRE)
Written by Chak Nanga, other contributor(s): Doug Turner

1. Introduction
2. Why do we need a GRE?
3. What's in a GRE?
4. How do I get a GRE?
5. Can I redistribute a GRE?
6. How to decide if a GRE should be installed?
7. Installing a GRE based Application
8. Uninstalling a GRE based Application
9. Uninstalling a GRE
10. Developing an application to use a GRE
11. Deploying a GRE based application
12. How do I make an XPCOM component available only to my GRE application?
13. GRE Installation on Windows platforms


Gecko ランタイム*1環境 (GRE)
著者:Chak Nanga、他の寄稿者: Doug Turner

1. 序章
2. GRE が必要な理由
3. GRE とは
4. GRE の入手方法
5. GRE の再配布の方法
6. GRE をインストールするかどうかの決心の仕方
7. GRE をベースとしたアプリケーションのインストールする
8. GRE をベースとしたアプリケーションのアンインストールする
9. GRE をインストールする
10. GRE をインストールするアプリケーションを開発する
11. GRE をベースとしたアプリケーションを配布する
12. 自分の GRE に対してのみ有効な XPCOM 部品の作り方
13. Windows プラットフォームへの GRE インストール

→*1ランタイムの解説

Introduction

The Gecko Runtime Environment (GRE) is the minimum set of files which are required for running applications written to embed the Gecko browsing engine. It contains the core xpcom libraries, nspr library, a set of key XPCOM components and other supporting files. The GRE does not contain any of the development tools (such as xpidl compiler, xpcom component registration tool etc.) or anything else that pertains only to a development environment.
# Essentially, a GRE is nothing more than an execution environment for Mozilla based embedding applications.


始めに

Gecko ランタイム環境 (GRE) は、ブラウザエンジンを埋め込むのに書かれたランニングアプリケーション用の最小単位の、ファイルのセットです。それには、中心的な xpcom*2 のライブラリー、nspr ライブラリー、主要な XPCOM 部品のセット、その他のサポートファイルが含まれます。GRE には開発ツール (xpidl コンパイラー、xpcom 部品登録ツールなど)や、開発環境へのみ付随する物は含まれません。

本質的に、GRE は Mozilla ベースの埋め込みアプリケーションの実行環境にすぎません。

→*2 x-pcomの解説(英語)

本日はこのへんにしましょう。第一回目なので。
以上