IT翻訳 Nobuyuki の仕事部屋

ボランティアでソフトウエアーローカライズのために翻訳をしている。

Accessible DHTML を完成稿へ2

2005-10-30 11:05:58 |  Mozilla Org.
先日来、"Accessible DHTML"を完成稿へするための見直し作業を行って来ましたが、ようやく完了しました。

原文末尾にある"document history"によると最新版のリビジョンは、rev.1.6 で9月9日付けとなっています。草稿は、6月17日の rev.1.42 あたりを基に作成しておりますので、細かい点で、追加、変更が発生しています。たとえば、rev.1.42 では Firefox 1.1 α版を DHTML の 前提としてましたが、rev.1.6 では Firefox 1.5 を実装対象とし、Firefox 2.0 をより高度な実装の対象として話をすすめています。役割とプロパティとの一覧表も、項目やプロパティの内容が、微妙に追加変更されております。

日々開発作業を進めながら、原文書もメンテされておりますので、その内容はこれからも変更が発生するかもしれません。しかし、一度ここで完成稿にあげることにします。すると、和訳文書もまた定期的に見直しする必要が発生ことになるかもしれません。といいながらも、いままで完成稿として発表してきたものも、現実的には見直しができていません。Mozilla Japan 翻訳部門でも、重要文書を中心に見直しや改定を行っているようですが、すべての必要性に応えられていないのが実情ではないかと思います。必要性は指摘できますが、作業をする人間が足りていないようです。

新文書の翻訳もそうですが、重要性を考慮して、優先をつけながら作業するしかないようです。一方では、私のようなボランティアの翻訳は、自分にとって興味のある文書を中心に翻訳している場合が多いようです。そのギャップを埋めるのが、翻訳リクエストのフォーラムです。翻訳してほしい、文書をリクエストできる仕組みになっています。私の場合も、今まで翻訳してきた文書の多くをこのサイトで見つけました。

さて、話を元にもどしますが、これから今回完了させた完成原稿を正式に登録申請をすることになります。原作者は、Aaron さんですがいままで幾多の文書を和訳しながら、私自身日本のアクセシビリティの実情は良くわかっていません。どのようなベンダーがあるのか、どのような製品が開発されているのか、Aaron さんの活動にどのようなかかわりを持てるのか。Aaron さんご自身は日本のベンダーが Aaron さんの文書を参照することで、Firefox のアクセシビリティ対応へ興味をもって、また開発へ参加してほしいというご希望をもたれています。IBM が Firefox のアクセシビリティの向上へ協力している中、日本のベンダーも自社の製品に Firefox を取り込んでいくことも検討できるのかもしれません。もし、興味をもたれる方がおれば、文書の中にもメールアドレスがありますが、Aaron さんに連絡していただければと思います(→aaronleventhal@moonset.net)。





Accessible DHTML を完成稿へ

2005-10-24 00:48:05 |  Mozilla Org.
Mozilla org. のために和訳を継続しているうちに、公開している草稿が大分貯まってしまいました。以前から気になっているところで、できるだけ早く、完成稿として発表したく思います。そして適当なものから、着手したいと思って選んだのが、Accessible DHTMLです。原題もいつの間にか変更されています。草稿にしたときは、"Accessible DHTML Technology Preview" であったので、訳題を "アクセシビリティ DHTML 技術プレビュー" としましたが、再度見直さなければなりません。"アクセシビリティのあるDHTML" とか "アクセス可能な DHTML" などにするべきでしょうね。

この文書の作者は、以前ブログで何度が取り上げたAaron M. Leventhal さんです。アーロンさんは、アクセシビリティ対応の DHTML を Firefox 1.5 で実現しようと取り組んでおられるようです。そして現在は、IBM において Mozilla のアクセシビリティ関連の開発にかかわっておられます。IMB 自体パソコンのアクセシビリティ化に、積極的に対応していますが、その背景には、アメリカ連邦政府の政策があるようです。具体的には、連邦政府の関連機関で調達されるパソコンやソフトにはアクセシビリティの機能を備えている事が要件となっているようです。このあたりの事情は、現在やはり草稿公開中のMozilla/Gecko キーボード操作の提案の序文のなかでもふれられています。

IBM が Firefox のアクセシビリティに貢献していることを紹介する文書がIBM 自体により公開されていますので、英文ではありますが、興味あるかたはご参照ください。アーロンさんの文書の背景そのものを語っております。また別に、アーロンさんが Mozilla accessibilty project のリーダとして、雑誌のインタビューをうけている記事も、やはり彼の活動状況を幅広く紹介しております。これらの記事はAccess Mozilla という Mozilla Org. のアクセシビリティ関連の文書の中にあるものです。

さて、この文書は時間の経過とともに、適用の対照がどんどん変わっています。原文が公開されてた今年6月当時は、Firefox 1.1αのアクセシビリティ対応であったのが、現在では Firefox 1.5 に焦点が移行しています。アーロンさんは原稿をタイムリーに変更されているようです。ただし、大筋の内容は全く変わっていませんので、主に、それ以外に、誤訳の有無や日本語表現の適切さを見直しながら、最終校正を完了し完成稿として申請していくつもりです。

まず、できるところより始めよう、(^-^; ・・・・・てなわけで。

SeaMonkey 関連文書の和訳

2005-10-16 12:23:17 |  Mozilla Org.
忙しいかったりして、しばらくブログを休んでおりましたが、ここに来て Mozilla org. 関連の文書を 2 本続けて草稿公開しました。SeaMonkey 1.0 AlphaSeaMonkey Artwork です。これは、 Mozilla の新しいパッケージツールである SeaMonkey に関連する文書で、いずれもごく短いものです。前出の SeaMonkey 1.0 Alpha の説明によれば、”(統合パッケージである)SeaMonkey は、最新鋭のウェブブラウザと機能豊富なメール、ニューズグループクライアントだけでなく、簡単で、強力な HTML エディタ、ウェブ開発ツールや IRC チャットアプリケーションをも一緒に備えています”ということです。現在テスト版である SeaMonkey 1.0 Alpha がダウンロードできるようです。

二つ目の文書である SeaMonkey Artwork は、SeaMonkey のために新ロゴを公募するための文書です。プロフェッショナルレベルの高度なロゴを必要とする理由や、背景が記述されており、私のようなグラフィックアートとは何の関係もない者でも、興味深い内容となっています。ボランティアベースで活動を継続している Mozilla org. の活動内容の一端が理解できる文書で興味をそそられます。最近は、 Mozilla org. の ブラウザ Firefox がその使いやすさから、しだいにより多くの利用者を獲得していると聞きますが、それがボランティアベースの活動に支えられていることに、強い感慨を覚えます。私もまたこのような、ボランティア翻訳を通じて、その活動の一翼に微々たる形で参加できているとすれば、大変嬉しいことでもありますが。

ところで、残念ながら、SeaMonkey 用のロゴの公募は、先月 9/26 に締め切られており、この文書の翻訳はタイムリーに公開できなかったようです。SeaMonkey 1.0 Beta には新ロゴを掲載したいということなので、今頃は新ロゴがの選定が完了しているのかもしれません。

さて、今回は 2 文書の和訳を下記のリンクに示しますので、もしよろしければ、ご参照ください。オリジナルの英文に、できるだけ、段落単位で和文を差し挟む形で構成しています。これは、草稿として公開された、文書がレビューされやすいようにレイアウトした結果です。もちろん私の試訳ですので、まだバグを含んでいるかもしれません。お気づきになられた方は、是非ご意見をいただければ、ありがたく思います。

[和英併記版]SeaMonkey 1.0 Alpha
[和英併記版]SeaMonkey Artwork

さて、本日は短いですが、ここまでにします。リンク先に新しい世界が広がればうれしい限りです。

山本信行(^-^)/~~~~記す