その女アレックス の作者、ピエール・ルメートルのゴンクール賞受賞作 天国でまた会おう 上・下 を読みました。
あらすじ・・・・上(「BOOK」データベースより)
1918年11月、休戦が近いと噂される西部戦線。
上官プラデルの悪事に気づいたアルベールは、戦場に生き埋めにされてしまう!
そのとき彼を助けに現われたのは、年下の青年エドゥアールだった。
しかし、アルベールを救った代償はあまりに大きかった。
何もかも失った若者たちを戦後のパリで待つものとはー?
『その女アレックス』の著者が書き上げた、サスペンスあふれる傑作長篇。
フランス最高の文学賞ゴンクール賞受賞
あらすじ・・・・下(「BOOK」データベースより)
第一次世界大戦直後のパリでのしあがる実業家プラデルは、戦没者追悼墓地の建設で儲けをたくわえていく。
一方、アルベールは生活のため身を粉にして働いていた。
そんな彼にエドゥアールが提案したのは、ある途方もない詐欺の計画だった。
国をゆるがす前代未聞のたくらみは、はたしてどこにたどりつくのか?
日本のミステリ・ランキング一位を独占した人気作家が放つ、スリルと興奮に満ちた群像劇。一気読み必至の話題作。
戦争によって歪められた人生を生きることになった、青年アルベールとエドゥアール。
戦争によって名声と富を得て、私腹を肥やしていく悪しき上官プラデル。
戦争の代償はとてつもなく大きく、平和が訪れても、庶民の貧困はいつまでも続いていきます。
運命の対比はあんまりにも生々しく、どこまでも不条理ですが
そこには運命のいたずらによって、太いつながりが生まれているのです。
途方もなく大きな詐欺に手を染めていく、アルベールとエドゥアール。
復讐の物語かといえば、直接的にはそうではないのですが
廻り廻ってさらに深い悲しみに落ちていく、戦争の悲惨さが描かれています。
フランス文学らしい、ちょっと歪んだ描き方が、より一層の悲惨さを誘います。
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