2014年のペナントレースより一足速く、今シーズンもファームの試合が開幕した。
今季も楽しみな新人選手が目白押しでファームの試合からも目が離せない。
先週の3月14日土曜日、ジャイアンツ球場で行われたジャイアンツのファーム開幕戦は西武ライオンズとの一戦。
開幕投手は高卒3年目の松本竜也。
1年目はファームで5試合に登板し2勝2敗、2年目の昨年はケガで1度も登板できなかった。
結果は5回0/3を投げ6安打8奪三振1四球1死球6失点で負け投手。
ファーム開幕戦に先発の名が挙がってからかなり気合の入ったコメントをしていたから、
少し気合が空回りしてしまっただろうか。
立ち上がり、緊張からかやや慎重になりすぎていた感はあったが、
インコースにしっかり力のあるストレートを投げ込めていた。
少し上ずっていたスライダーも2回途中からはいいところに決まりだした。
ストレートの球速は130キロ後半から140キロ前半の表示も、
長身から投げおろす角度のあるストレートにはやはり力強さがある。
腕もしなって出てくるので打者からすると球速以上に速く感じるだろうと解説者・緒方氏のコメント。
4回に四球、内野安打、死球でランナーを溜めて、
ヒット、ワイルドピッチ、セカンドへの牽制球ピッチャーエラーで3失点。
5回は三者凡退に抑えるが6回にボールが上ずったところで連打を浴びマウンドを降りた。
制球力やスタミナなど課題はまだあるだろうが、
昨年オフの台湾遠征でのMVP獲得から春のキャンプ、紅白戦と、着実に結果を積み重ねている。
1年間プロとして働けるかどうか、ファームとはいえ今季がプロとしてはじめての挑戦になる。
首脳陣からの期待の高さは開幕投手に選ばれたことからも充分窺える。
本人がコメントするように、ファームでのローテーションをしっかり守り、
今季シーズン後半に一度でも1軍のマウンドに立ちたい。
今季の新人選手はドラ1の小林誠司を除き、高校卒の選手が多く楽しみが広がる。
野手ではドラ2の和田恋。高校通算本塁打55本のスラッガーは高知高で甲子園出場、
何球団かがドラフト上位候補に挙げていた逸材だ。
この日の開幕戦では6番サードでスタメン出場。
一打席目には三塁線へ強いゴロを放ち内野安打。二打席目もセンター前ヒットで出塁。
スイングのやわらかさ、肘の使い方のやわらかさがいいと緒方氏。
守備でも打者によって一球一球ポジショニングを変えていると守備力の高さも評価。
いいスタートが切れたことも素質のひとつと捉えたい。
そしてもうひとり、野手の高卒ルーキー、奥村展征。執筆人が最も注目している新人選手。
彼も和田恋と同様、甲子園に出場、3年の夏には4番ショートで日大山形をベスト4に導いた。
ドラフト前から高卒野手では注目選手の一人として名前は出ていたが、彼の評価はプロ入り後もうなぎのぼり。
キャンプ(TV中継)では彼の打撃練習をゲージの後で見ていた原監督が、
ピッチャーの投げたボールがバッターの手元に入ってきたときのボールの捉え方と扱い方が非常にいいと絶賛。
ゲージでバッティング練習をする奥村、和田恋の二人に対し、
「高校から入ってきたばかりでこれだけ全力で振れるのは大きな魅力」と次代のレギュラー候補に目を細めた。
また原監督はバッティング練習を終えてゲージから出てきた奥村を捕まえ、使っているバットの重さを尋ね、
彼が850グラムと答えると 「最低でも910グラム」 とバットの重さを使ったスイングの大事さを奥村に説き、
今以上にスイングがしなるようになれば更にバッティングが上手くなると身振り手振りの指導。
ファーム開幕戦では八回からの出場で、守備のみで終わった奥村。
この日、打席が回ってくることはなかったが、
荒井打撃コーチの語った奥村に対する評価を解説の緒方氏が紹介していて、その内容に更なる期待が高まる。
荒井打撃コーチいわく、奥村の打撃の最も優れている点はミート力の高さと断言。
その確率の高さには目を見張るものがあると絶賛。
高卒一年目でも2軍でならば3割を残せるだけの技術力の高さは既に備えていると太鼓判を押した。
また教育リーグでも、ほとんどのボールをしっかり芯で捕らえていたと能力の高さが実証済みであることを力説。
アウトになった打席もたまたま打った打球が野手の正面をついただけと感心しきり。
ただ、まだ一年間フルで試合に出続けるだけの体力はないと判断しており、
ルーキーイヤーの今季は技術面と共に体力面の強化に努めることになるとプランを明かした。
投手に目を移すと、ドラ3の田口麗斗(かずと)は3年夏の広島地区予選決勝で広島県瀬戸内高と対戦し、
延長15回を無失点完投。
決着がつかぬまま向かえた翌日の引き分け再試合では敗れたものの1失点でまたもや完投。
制球力の高さやスタミナのあることを実証して一気に注目を集めた。
5位の平良拳太郎はキャンプ期間中、
今季ジャイアンツの高卒ルーキーな中では一番、新聞記事(スポーツ報知)に名前が取り上げられていた印象がある。
練習風景を扱ったエピソード風の記事がほとんどだったが、
同郷の宮國と同様に手足が長く、トルネード気味のスリークオーターからのストレートは最速147キロ。
スライダーの切れの良さも評価が高い。田口麗斗と共に2,3年後が楽しみな逸材だろう。
期待の新人選手も加わり、今季もファームでしのぎを削る若手選手たちに注目していきたい。
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