10月21日、盛岡市の学びの循環推進事業「学びの輪」を活用し、
「いざ!という時のための備え・知識~災害って何?防災って何?」
と題して10名ほどが参加し講座を開きました。講師は、盛岡市の消防防災課自主防災推進員の方。
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3月11日の東日本大震災では盛岡市でも停電、断水や、ガソリン・灯油・食料・日用品が手に入りにくいなどという状況でした。暖をとれない家庭も多かったと思います。一部では家の壁や屋根、塀などが破損したところもありました。そんな中、避難所で数日過ごした方もいました。しかし地震直後は、学校などの指定避難場所では混乱したところもあったそうです。
そこでまず、それぞれの避難所の場所や役割、備蓄品などについてお聞きしました。
みなさんの家庭には市から配布された防災マップがありますか?避難場所や,災害が予想される箇所などが書かれてあります。実際に避難する場所は必ずしも居住地域ということはなく、災害が起きたとき近い場所などでもいいとのことです。コミュニティを考えればできるだけ居住地域の避難所がいいかとも思いますが。
盛岡市防災マップ(市のホームページ)
3月11日は避難勧告等が出ていなかったため、指定避難場所などの受け入れ態勢が整っておらず混乱が生じたとのことです。どのような場合に避難勧告等が出るのか、明確な基準はないそうです。それと、備蓄品を備えている避難所は防災マップを作ったときよりも増えているそうですが、備蓄品の内容や数量は公表していないとのことです。
次に「盛岡市地域防災計画」とはどのようなものなのかをお聞きしました。防災に関して市などのやるべきことが定められてあり、内容があまりにたくさんなので一言でいうと「防災対策に関して、市民を災害からまもり、被害を最小限に軽減し、住民生活の安定と秩序の維持に努め、公共の福祉を確保するための計画」だそうです。
もう一つ、最近どの町内会でも耳にする「自主防災組織」について。これは阪神・淡路大震災の時に行政によって助けられたのはわずかで、多くの人が地域住民に助けられたという検証結果から、このような組織の育成に力を入れているとのことです。
最後に、防災グッズの紹介や非常食の備えなどの資料をいただきました。
と、講座はここまで。参加者からは意見や要望なども出ましたが、「学びの輪」事業はあくまで学習のための講師派遣なので質問はできても、苦情や要望、陳情はできないのです(^^;)
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<今回の講座を受けて出された点をいくつか>
防災マップが細かく分かりにくい部分もあるので、事前に当該施設に確認しておくといいですね。それと目の見えない人でも活用できるマップはないとのことでしたので、ぜひ工夫していただきたいです。
各避難所の備蓄品をなぜ教えてくれないのかと尋ねたところ、十分に備えていないところもあるのでというような事でした。なぜ十分に備えられないのかと聞くとやはり予算の関係だとか。実際、物資が必要な事態になったらすぐに必要な分を手配するから大丈夫ともおっしゃってましたが…やはり備えておいてほしいものです。
災害を市民に急いで知らせる手段が十分でないこと。
今回の地震の際、一部避難所でちょっとした混乱があったそうですが、避難勧告等が出ていなくても各避難所で対応できるようなシステムを考えてほしいです。
「盛岡市地域防災計画」は市のホームページに出ているとのことでしたが、ネット環境がないが読みたいという人はどうすれば?市の窓口にあるのか尋ねると、課にも1冊しかないのでどうでしょうとのことでしたが、そんなものでしょうか。
いずれにしても、防災グッズ・非常食はそろえておく、避難所までの道を確かめながら家族で散歩するなど、いざ!という時のためのシミュレーションは各家庭でもやっておく必要があります。
市には、お年寄りや、おひとり様、社会的弱者の方々のことも考えた防災計画を実行していただきたいですね。
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