11/5産経抄
ボストン・ティーパーティーといえば、ボストン市民が1773年、英国東インド会
社の船に乗り込み、茶箱を海に投げ捨てた事件だ。米独立戦争の引き金にもなった。
教科書などでは、「ボストン茶会事件」と紹介されているが、「茶会」は誤訳、との意見がある。パーティーは政党と訳すべきで、「茶党」が引き起こした事件というわけだ。確かに、茶会という言葉の響きと事件は結びつかない気がする。
ところが、『アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書』(ジャパンブック)によれば、「茶会」が正しい。大量の茶の葉で覆われた海を見た市民は、「『ボストン茶会』を開いた」と冗談を言ったという。いずれにせよ事件の背景には、本国英国が植民地に次々に押しつけた、課税への不満があったことは間違いない。
その精神の継承を掲げて「ティーパーティー」を名乗る団体が、600以上も米国全土で活動中だ。政治信条は一様でないものの、民主党のオバマ政権が、巨額の税金をつぎ込んで進めている景気対策や医療保険改革を厳しく批判して、「小さな政府」をめざす点では共通している。
ティー(TEA)には、「税金はもううんざりだ(Taxed Enough Already)」の意味もある。今回の中間選挙では、内政外交で目立った成果を挙げていないオバマ大統領に失望する人たちの受け皿となり、民主党を歴史的大敗に導く要因の一つとなった。
2年前の大統領選の「オバマフィーバー」は、何だったのか。それにあやかって政権交代を果たした、日本の民主党政権も人ごとではない。茶の葉をぶちまけたくなるような国民の怒りは、米国以上に高まっている。
ボストン・ティーパーティーといえば、ボストン市民が1773年、英国東インド会
社の船に乗り込み、茶箱を海に投げ捨てた事件だ。米独立戦争の引き金にもなった。
教科書などでは、「ボストン茶会事件」と紹介されているが、「茶会」は誤訳、との意見がある。パーティーは政党と訳すべきで、「茶党」が引き起こした事件というわけだ。確かに、茶会という言葉の響きと事件は結びつかない気がする。
ところが、『アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書』(ジャパンブック)によれば、「茶会」が正しい。大量の茶の葉で覆われた海を見た市民は、「『ボストン茶会』を開いた」と冗談を言ったという。いずれにせよ事件の背景には、本国英国が植民地に次々に押しつけた、課税への不満があったことは間違いない。
その精神の継承を掲げて「ティーパーティー」を名乗る団体が、600以上も米国全土で活動中だ。政治信条は一様でないものの、民主党のオバマ政権が、巨額の税金をつぎ込んで進めている景気対策や医療保険改革を厳しく批判して、「小さな政府」をめざす点では共通している。
ティー(TEA)には、「税金はもううんざりだ(Taxed Enough Already)」の意味もある。今回の中間選挙では、内政外交で目立った成果を挙げていないオバマ大統領に失望する人たちの受け皿となり、民主党を歴史的大敗に導く要因の一つとなった。
2年前の大統領選の「オバマフィーバー」は、何だったのか。それにあやかって政権交代を果たした、日本の民主党政権も人ごとではない。茶の葉をぶちまけたくなるような国民の怒りは、米国以上に高まっている。