皇居の落書き

乱臣賊子の戯言

品川区「ねむの木の庭」について

2004-08-27 23:55:42 | 皇室の話
○「ねむの木の庭」と皇室の政治利用
皇后陛下のご生家だった東京都品川区の旧正田邸跡地に完成した公園「ねむの木の庭」で、8月26日、開園式が行われた。

なかなか素敵な公園ができたと思うのであるが、公園ができる前、旧正田邸の解体については、気になる騒動があったところである。

騒動というのは、皇后陛下のご生家であった正田邸が、国に物納され(これ以後、旧正田邸となる。)、財務省において、国有財産の合理的な処理という観点から、旧正田邸の建物を撤去して更地として競売にかけようとしたところ、撤去に反対し建物の保存を求める住民運動が起きたのである。

住民の感情として、皇后陛下ゆかりの建物を保存したいという気持ちは、よく分かるところである。皇室を思う、素朴な感情として、不思議なところはない。
問題は、住民運動に政治家が関与し、また、その主張の仕方として、皇后陛下が望まれていないはずであるとか、皇室ゆかりであるということを殊更に持ち出したことだ。

旧正田邸については、物納の時点で、本来自由なる処分に委ねられたはずである。また、皇后陛下、正田家の方々の立場に立って考えてみればいい。
自分たちの大切な思い出が詰まっていればこそ、他人に踏み込まれるような保存の仕方はして欲しくないと思うことだってあろう。

それを、皇室ゆかりであることや、保存を望まれているといった勝手な推測を持ち出してきて、あくまでも保存を要求することは、我が侭というべきであり、皇室の政治利用である。

そして、ついに、皇后陛下も何らかの意思表示をすることが必要になることとなり、宮内庁を通じて、保存を固辞されるご意向が示されることとなった。
皇后陛下が、この騒動に巻き込まれてしまったのである。

いやな話はこれからである。

なんと、宮内庁による皇后陛下のご意向の表示について、皇室の政治利用であるとかみついた政治家(西村眞悟)が出てきたのである。

あべこべである。

皇后陛下のご意向が自分たちにとって都合が悪いとなると、そのようなご意向の表示は、皇室の政治利用であるとかみつき、あくまでも自らの正当性を主張する。
そこには、皇室の方々のお気持ちへの配慮や、謙虚さ、反省といったものは、まったく見られないのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする