夢をかなえる新聞・聖教新聞 -人間革命の指針-

聖教新聞は夢をかなえる新聞です。その中より「新・人間革命」、名字の言、体験から夢をかなえゆくための指針をつづります。

新幹線の安全は“神話”ではない 11/5

2011-11-06 22:50:08 | 名字の言
 東海道新幹線の開業から約半世紀。これまで、事業者側に責任のある乗客の死亡事故はない。しかし開業から数年は、あわやの事態の連続だった▼1967年、運転車両部長の齋藤雅男氏はある駅を視察し、助役2人と面会した。1人に非常時の対応を問うと、20以上もの項目を全てそらんじた。もう1人も伝令方法について、暗記内容をすらすら答えた▼だが齋藤氏は、暗記の努力を褒めるどころか、チェックリストを指し、強く言った。「これに従ってやれば、ミスはない。憶えることは絶対に禁止する」。非常事態は突然起こる。人間の心も“非常”の状態になる。マニュアルを記憶していても、正しく判断できるものではない。氏は、慢心に陥りがちな人間の性質を指摘したのだ(『新幹線安全神話はこうしてつくられた』日刊工業新聞社)▼76年の秋、池田名誉会長は、学会本部周辺を牙城会員と一緒に巡回した。「責任感を体で覚えさせ、生命に刻ませたかった」「どんな事故にも、前触れとなるような兆しが必ずあることを教えたかった」と▼無事故とは、過信を排し、真剣に対策を重ねた上にある。齋藤氏も、新幹線の安全は“神話”ではないと言う。家族、同志、地域を守る心構えを新たにしたい。(行)

コメントを投稿