中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

舌尖上的中国2の第四話に対する批判

2014年05月13日 | 中国事情

先週の金曜日(5月9日)に中国中央TVで舌尖上的中国第二部の第四話が放送されましたが、それを観た人から、この第四話に対しては多くの批判が寄せられた様です。実は、私も舌尖上的中国の第二部の放送は、毎回楽しみにしていて初回から中国中央TVで観ているのですが、今回放送された第四集では、途中でチャンネルを切り替えました。ネット等に書き込まれている批判を見ると今回放送された第四話に関しては、特に厳しい批判が多く寄せられており、中途でチャンネルを換えたと云う人も少なからず居たようです。

特に第四話で問題となった場面は、河南省出身の母と娘が故郷には五年間一度も帰郷せず、上海の音楽学校に通い音楽を習う子供の為に付き添い、母親が献身的に子供の為尽くすと云う点です。河南省に住むおばあさんが重い病気にも関わらず母娘は帰郷しない事、別の所で働き母娘の為に仕送りしてくれる父親にも、五年間の間一度も会わない事等が番組の中で描かれます。また、母親は娘に付き添うため仕事も辞め、娘の面倒を見る為、仕事もしないで、娘のレッスンにも付き添う姿等も描かれます。

これに対して、この母の娘に対する愛情は異常だとの指摘や、この母が自分の娘の為に自己を犠牲する事や娘が夢を叶える為に自分の家族を犠牲にする事が一体我々に何の関係があるのかという指摘もあります。我々が何故こんな物語を見なければならないのかとの指摘もあります。このような母親の愛情は歪んでいると思う、どのような家庭にも思うようにならない事はあるだろうにと云う最もな指摘も数多くあります。この親子は「三観不正」と云う指摘も数多く寄せられています。(注:三観とは世界観・人生観・価値観を指すとの事)

元々このドキュメンタリー番組も、ある意図の下に作られた宣伝番組に過ぎない等の覚めた指摘もありますが、特に今回の第四話には非難と批判が集中している様です。歪な価値観を人に強要するなとか、「舌尖上的中国第一部」に比べると「舌尖上的中国第二部」は、番組の水準が著しく落ちるし、風格が感じられないとの指摘もあります。番組の主題である「美食」から、番組の内容が大きくかけ離れており、この番組はそもそも文字通り「美食番組」なのかそれとも全く別の物語を描いた番組なのかとの批判も寄せられています。

「舌尖上的中国の第一部」は、8割が「美食」だったが第二部は、その番組のタイトル「舌尖上的中国」と云う主題から外れ、何の番組か分からないとの指摘もあります。第四話は観るには値しないとの指摘やこれを作成した人は引っ込めと云うような厳しい指摘もあります。

今回の第四話に寄せられた多くの批判に対しては、私としても全く同感で、共感する批判が多く、中国人の多くも今回の第四話はオカシイと感じた人が多かったのを知って安心した次第です。

 以前日本で確か「泣きながら生きて」と云う日本在住の中国人を題材にした番組が放送され大きな反響を呼んだことがありましたが、その番組も私などには理解できない物の一つでした。尤も、私はこの番組は観てませんが、内容を聞いただけで見る気は失せましたが、舌尖上的中国二部の第四話にも登場する母娘の物語とも共通する何かがあり、中国ではこう云う物語が感動を呼び、そして受けるのかと思っていましたが、このような批判を見て、私としてはホットしました。

 



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