中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

15年に一度行われる牯藏節

2016年03月26日 | 少数民族の祭り

貴州省に住む一部の苗族には、牯藏節と云われる先祖を祭る伝統的な儀式があります。大抵は15年に一度行われるそうです。2013年に、貴州省黔東苗族自治州榕江県加勉郷の苗族の村で、15年に一度行われると云う 牯藏節を見る機会がありました。その際の写真です。15年に一度行われると云う牯藏節は、一度開催されると、その儀式が三年に亘り執り行われ、一年目、二年目、三年目と、その儀式の内容も違うとの事です。

一昨年、昨年、今年が、丁度その時期に当り、貴州省黔東苗族自治州内の苗族の住む村では、至る所で牯藏節が執り行われている様です。今年の3月には郎徳上塞村で牯藏節が行われたそうです。次回は、15年後ですから、2030年頃になる訳です。前回行われたのが2000年前後ですので、今回の機会を逃すと次回はどうなるかわかりません。前々回行われた1985年と2000年頃行われた牯藏節では、内容が随分違ったそうですので、15年後はどうなるか見当も着かない様です。その前は、所謂文革の時期で、その様な儀式は禁止されていたそうです。改革開放後の1985年前後に行われた牯藏節も、以前とは地域により随分違っていたとの話もあります。

 

榕江県加勉郷一帯に住む苗族は、その服装等から俗に「黒苗」と呼ばれています。

 

苗族は、その支族が多く150にも上ると云う様な研究もあるとの事。俗に百苗とも呼ばれる程支族が多いとの事ですが、その服装等から、青苗、黒苗等に分類する方法があるとの事。

 

 加強郷一帯に住む苗族の盛装。


西江苗族の村でも2013年に牯藏節を見学した事もあるのですが、以前の面影はない様で、一部はすっかり観光化していました。牯藏節は元々は先祖を祭る儀式との事ですが、西江苗億では、その儀式も観光客の前で行われるなど、かなり趣が違ってしまったとの事でした。

 

少ない平地の部分に家が建っていますが、他はかなり急峻で、この様な棚田となっています。

 

この村にたどり着くには、バスも無いので4時間程かけて歩くか、バイク等を調達して村に行く他はありません。今でこそ、道路がありますが、4,5年前までは人が歩く道しかなかったそうです。そう云う事もあり、この村で執り行われた牯藏節は、昔の面影を留めているそうです。

 

この少女は、この日の牯藏節で特別な役割を担った人ですが、予備知識も無い事もあり、この少女が具体的にどのような役割も担うのか分かりませんでした。この少女だけが、この様な服装をしていました。儀式は三日三晩行われます。

 

 次回の牯藏節は15年後の2030年。この牯藏節に参加したよそ者は、大学院で牯藏節を研究していると云う中国人女性以外は私と私を案内してくれた中国人だけでした。



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