中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

日本書籍禁止という措置

2012年09月26日 | 中国事情

韓松という人の9月24日付けの微博等によれば、北京市の当局の指示により市内の一部の書店から日本関係の書籍、DVD、音楽CD等が全て取り払われたそうです。これは北京市当局が(具体的にはどの部門を指すのかは分かりませんが)日本関係の書籍の取り扱いや出版、販売などを禁止するように通達したのを受けての措置で、北京市内の北京図書大厦という書店では、日本の作家の本は、すべて書棚から姿を消したそうです。この書店では、日本関係の書籍ばかりでなく、日本映画のDVD、音楽CD等も引き払われたとの事。

北京の老舗書店「王府井書店」では、日本語関係の教科書、語学参考書、辞書や日本に関係する旅行案内書等もすべて本棚から取り払われたそうです。

韓松氏が店員などに、「何時になったらこの措置は撤回され、また本が店頭に並ぶのか」と聞いたら店員は、当然のことながら「分からない」という答えだったそうです。現段階では、国慶節の休暇明けに、店頭に本が並ぶかどうかも不明のようです。

ネット上で調べても王府井書店、北京図書大厦以外の北京の書店等ではどうなっているか判りませんが、今回の尖閣問題を受けての措置とは云え、今の段階で北京市政府が日本の書籍の取り扱いや販売を禁止するという措置を取るとは、まったくもってなんともはやという感じで、情けない限りと
いう感じがします。

今の時点では、このような日本書籍禁止という措置を取っているのは北京市政府のみの様ですが、一部の微博(ウェイボー)ユーザーからは、北京以外の他の地域にも広がらないか懸念する声もあります。私が時々覗くある微博のユーザーは「まさか大学での日本語授業も禁止になるまいね!」という冗談ともつかない書き込みをしていました。

現在の段階では、当然貴陽市内の書店では、いつも通りで何の変化もありません。私が時々行く「西西佛書店」では、今ちょうど村上春樹のブックフェアの開催中でした。また、店頭には大江健三郎の作品集も新たに翻訳され、出版されたらしく「蔓延元年のフットボール」の中国語訳が平積みで並んでいました。

私も、その昔に日本でこの小説が出版された時すぐ買って読んだ覚えがあったので、中国語訳で、この小説をもう一度読んで見ようかと思い手に取りましたが、私の語学力ではどう見ても無理なのでやめましたが、、、、。大江健三郎の文章、文体をどのように中国語に翻訳しているか興味もあったのですが私の中国語力では到底無理なにで断念しました。


尚、ネット上では、この日本書籍禁止令に関するニュースを見ていたら、ある日本の新聞社のニュースでは「一部の日本人の作家の作品を除いて、全部書棚から日本の本は姿を消した」とありますが、これはどうも間違いのようです。韓松の微博に拠れば、全ての日本の作家の著作は取り払われたそ
うで、白岩松氏の著書「岩松看日本」等のような、一部の中国人が書いた日本に関係する本は並んでいるとの事です。

ちなみに、白岩松は中国中央テレビなどのTV番組でキャスターを勤めるなど中国では有名なジャーナリストで、以前日本を訪問した時に書いた本が「岩松看日本」で、この本は私も読んだことがありますが、ナカナカ面白かったです。

特に、彼が日本人の行動規範の一つに「日本人は他人に迷惑をかけないという行動様式がある」というような指摘は、周囲や他人への迷惑という点をあまり気にしないように見える多くの中国人と接して暮らし、又、その社会で長い間に亘り暮らしている中国人ならではの見解、見方だと思い大変に感心した記憶があります。

今後も尖閣をめぐって日中関係がどうなるか分かりませんが、日本書籍禁止の措置がこれ以上他の地域に拡大しない事を願っています。中国は9月30日から10月7日まで中秋節、国慶節の休暇にはいりますので、その間は一時休戦となり、大きな動きはないだろうという観測が流れているようです。



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