29 日米関係 -8-
ⅱ 江戸時代1 ペリー来航以前 -7-
■まとめと考察 2/2 ~まとめ表再掲~
1 「北米大陸のイギリス植民地と新生:アメリカ合衆国の状況」の描き方
●まったく描いていない。 → △ 自由社。
●新生:アメリカ合衆国の西部進出(領土拡大)について書いていない。 → △ 育鵬社、自由社、帝国書院、学び舎。
※「日本史」の教科書なのだから、原則としてアメリカ合衆国の歴史を描く必要はないだろう。しかし、①ペリー来航以来、特に20世紀以後は、日本にとって特別に関係の深い国であったこと、②少なくとも今後数十年は日本(と世界)の運命にとってきわめて重要な役割をはたしていく国であること、を考えれば、日本国民はアメリカ合衆国について他の国々よりも深い理解をしておく必要がある。(最近は、「敵性国家」:中華人民共和国も同等の重さがあるようになった。)
さらに、「大東亜戦争(≒米国呼称:太平洋戦争)が起きた原因はなにか?」という問題を理解するには、前提として、《アメリカ合衆国建国以来の歴史(政治、経済、文明、国民の特性など)》をかなりくわしく知っておく必要がある。特に、”西へ西へ”(=太平洋の方へ)と拡大していった歴史は知っておかねばならないだろう。カルフォルニアの西には、まず日本があるのだから。
・「先住民の命と土地の収奪」についても、「白人キリスト教徒」の歴史的民族性について理解しておくためには知っておいたほうがいいと思う。(評価対象外)
2 「ペリー来航以前の日米関係」の描き方
全社が、「異国船打払令」と「モリソン号事件」に言及している。ただし、できれば、英中のアヘン戦争がきっかけになった、「日本政府=幕府による、異国船打払令の廃止」も書いたほうがいいのではないだろうか。
戦後日本人のなかには、《ペリー=アメリカ合衆国によって、鎖国政策の廃止=「開国」を強制された》(あるいは、アメリカ合衆国のおかげで開国ができた)と思っている人がけっこういるようだから…
~次回、ペリー来航~
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《著者:松永正紀 教育評論家 /h22年度 唐津市・玄海町:小中学校校長会長》
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