■明治天皇 全体まとめと考察
1 即位の記述の有無
明治天皇時代は聖徳太子時代と並んで、《現代の日本(人)に大きな影響を与えている時代。したがって、明治天皇の即位を記述しない帝国書院・日本文教・清水書院・学び舎は、義務教育の歴史教科書としては不合格(×)。
2 御誓文発表の主語
形式的(=公式)には明治天皇。したがって、「新政府」は△(説明不足・難あり)とする。 東京書籍、教育出版が該当。
3 教育勅語の内容掲載
明治維新からおよそ80年間、日本人の公教育にも社会道徳にも、とても大きな影響を与えた重要文書。したがって、「無」は内容不備で△(帝国書院・日本文教・清水書院・学び舎)。
4 教育勅語の価値的評価
育鵬社と自由社は肯定的に記述。清水書院と学び舎は否定的記述。現在の日本国憲法からみれば「忠君」は否定される。
しかし、人類世界の時空間を広く見渡せば、「忠君」それ自体は「悪」ではなく、むしろ騎士道や武士道におけるように、また現代企業などにおいても「長所」とされている傾向が強いようだ。
したがって、各社の教育勅語への態度についてはここでは評価対象としない。
5 記述:「忠君愛国」の問題点
① 教育勅語の内容として、本文で「忠君愛国」だけを強調(※「植えつけよう…」)している清水書院は明らかに内容不備の印象操作で×。勅語の内容を掲載していれば絶対にこんな「要約」はできない。
② 「忠君(天皇)」と「愛国」は本来的に別のこと。
なのに、愛国を忠君と一体として書いているのはやはり不正な印象操作という嫌疑を逃れることはできない(東京書籍・帝国書院・教育出版・日本文教・清水書院)。
誰がどう見ても、「愛国(心)」は、世界中どの国でも望まれている最重要の価値なのに!
《国民の多くから愛国心が失われたら、遠からずその国が滅びる》ことは誰でも知っている。
これが普遍的真理に近いことは、次の言い換えを否定できる人間はまずいないということからも分かる。
《社員の多くから愛社心が失われたら、遠からずその会社は滅びる。》
~次回から⑥昭和天皇~
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