IPSO FACTO

アメリカの首都ワシントンで活動するジャーナリストの独り言を活字化してみました。気軽に読んでください。

花見のシーズン到来で

2005-04-09 13:31:25 | 犯罪
昨日の夕方からどうにも調子がおかしかったインターネットだが、今朝になってコンピューターを起動させると、何事も無かったかのようにキチンと動いてくれていて、ようやくブログの更新もできそうだ。原因は何だったのだろうか?契約するケーブル会社のウェブにも言ってみたが、関連した情報などは見当たらなかった。前のアパートで使っていたADSL回線、夏場に調子が悪くなることが何度もあり、同じサービスに加入していた僕の友人は「雷のせいかな?」と適当な分析をしていたが、まんざらでもないような気がしたのも事実だ。雷が建物近くに落ちて、アパート全体が停電になったことも何度かあるくらいだから…。でも、昨日の晩の天気は小雨オンリー。インターネットが動くからいいものの、やっぱり気になってしまう。

イギリスで航空業関連のリサーチを専門に行うスカイトラックス社が2005年度の世界空港ランキングを発表し、トップ5にアジアの4つの空港がランクインする結果となった。日本の関西国際空港も第5位に名前を連ねている。スカイトラックス社は2004年6月から今年3月までの間、世界中の150以上の空港で利用客にアンケートを実施、90カ国以上の国籍からなる約558万人が協力していた。アンケートには空港の利用満足度に関する30以上の質問が出され、総合評価で見事1位に輝いたのは香港国際空港だった。詳しくは後で書くけども、アメリカの空港がベスト10に入っていなかったのは、決してサービスが悪いだけではなかったのでは?

まずは1位から10位までの空港ランキングをチェック。

1位 香港国際空港 
2位 チャンギ空港(シンガポール)
3位 ソウル・インチョン空港(韓国)
4位 ミュンヘン空港(ドイツ)
5位 関西国際空港
6位 ドバイ国際空港(UAE)
7位 クアラランプール国際空港(マレーシア)
8位 アムステルダム・スキポール空港(オランダ)
9位 コペンハーゲン空港(デンマーク)
10位 シドニー空港(オーストラリア)

10位以内に入った日本の空港は関西国際空港のみだったが、2003年の12位、そして昨年度の9位から確実にランクアップしている。関空が5位にまで上昇した理由として、スカイトラック社の調査報告書は、空港内の清潔さや従業員の質を理由として挙げている。トップ10のうち5つがアジアの空港で、オセアニア(シドニー空港)が1つ、中東地域(ドバイ)が1つという構成になっており、ヨーロッパはわずかに3つがランク入りしただけだった。ロンドンのヒースローや、パリのシャルル・ド・ゴール、ドイツのフランクフルト・マイン空港といった「ビッグネーム」はランク入りを逃している。調査報告書では、地域別の空港ベスト3も発表しており、それぞれの地域では想像もしなかった名前が出ている。

北米地域のトップ3だが、上から順にミネアポリス・セント・ポール空港(ミネソタ州)、シンシナッティ空港(オハイオ州)、サン・フランシスコ空港(カリフォルニア州)となっている。ただ、前述のとおり、これらの空港はトップ10入りを果たしておらず、国土安全保障省が行う出入国管理等が利用客にマイナスイメージを与えている可能性が高い。南米地域で1位となったのは、ブラジルやアルゼンチンではなく、ペルーのリマ国際空港だった。中東地域に関しては、僕のもとに殆ど情報が無いために、いまいちピンと来ないんだけど、ドバイのあとにベイルートとバーレンが続く格好となっている。報告書によれば、コペンハーゲン空港のインテリアデザインは利用客からの人気が高く、ある回答者は「IKEA(スゥエーデンの家具販売店)のショールームみたいな感じ」と絶賛していたらしい。

以前からボルチモアの治安の悪化に何度かふれてきたが、今日のワシントンポスト紙にこんな記事が。ボルチモア市内の刑務所に5ヶ月にわたり収監されている19歳のケニヤッタ・コステスは、最近になって裁判官に釈放を求める手紙を提出している。「収監されたことで、私の人生は完全にストップしてしまいました。人生も家族も、子供も、家も失ってしまいました。どうか裁判が行われる日まで、自宅に戻らせていただけないでしょうか?」、と手紙の中で訴えるコステスだが、彼女は被告でもなければ犯罪者でもない。彼女はボルチモア市内で発生した凶悪事件の目撃者だったのだ。ボルチモア周辺では以前から凶悪事件の目撃者に対する脅迫や殺害が後を絶たず、法廷での証言に現れない目撃者も少なくない。

コステスを証人席に立たせる事を決めた検察だが、承認であるはずの彼女を5ヶ月にわたって収監してしまうという異常事態に直面している。報復を恐れて証人席に出てこない目撃者の数に頭を抱えるボルチモア当局では、毎週3~5件の逮捕状申請が認められ、逃げ出した目撃者が裁判所命令違反で逮捕されている。しかし、逮捕された証人達の収監期間は通常長くても数週間に過ぎないが、今年1月に釈放されたコステスは163日間を塀の中で過ごしている。コステスは裁判所と協議を重ねた結果、ビデオテープでの宣誓証言が認めらている。ワシントンの連邦検事局スポークスマンの話では、裁判所での宣誓供述に現れなかった目撃者に対する逮捕状が出されることは珍しいことではなく、裁判所の執行官によって違反した目撃者らが捕まえられる。しかし、ワシントンでは目撃者の拘束期間は非常に短く、逮捕されたほとんどが次の宣誓供述には参加している。

ボルチモアではこの方法で目撃者を収監する割合が全米の中でも際立って高く、メリーランド刑事事件弁護士協会のリチャード・フィンチ元会長は、ボルチモアにおける一連の目撃者拘束に対して大きな懸念を示している。一度に数ヶ月間も目撃者を収監したり、日常的に非協力的な目撃者を刑務所に送ることに、フィンチ氏は懐疑的になっている。ボルチモアの凶悪事件では「お約束」となってしまった観があるが、事件現場では多くの目撃者が協力的なのにもかかわらず、宣誓供述を行う段階になると自ら手を挙げる目撃者はゼロに等しい。重要な犯罪事件の多くが、こういった理由から途中で立件できなくなっている。

さてさて、今日は夜になって(と言っても、なんせ8時半頃まで明るいわけだし、夕方気分だったんだけど)ペンタゴン・シティのモールに行ってきやした!モール近くで働く友人に会ってから、前から少し気になってたイタリアの「Energie」というブランドのジーンズを購入。これかディーゼルかで、2週間も迷ってたんだけど(高校生じゃないんだから…)、なんとなくの気分で前者を選ぶことに。レジの店員は「エナジー」って呼んでいたけど、ヨーロッパだけに「エネルギー」って呼んだほうがベターなのか分からず、結構気になってきている。正しい読み方をご存知の方、ぜひぜひ御一報を。それにしても、週末だけにモールは子供で一杯だった。聞いたところでは、各地からツアーでやってきた小学生や中学生にモールで自由時間を与える傾向があるんだとか。なんともアメリカ的…。

明日はいよいよDCユナイテッド(そう、例のサッカーチームです)のホーム開幕戦。ワシントン市内では桜祭りも行われているので、僕は桜を見てからRFKスタジアムの近くでサポーター連中と合流しようかと思っている。日本での花見とは大きく違い、屋外での飲酒にキビシいアメリカだけに、桜の木の下で乾杯というわけには行かないのが辛いかな。あんまり飲めない僕だけど、花見の時くらいはねぇ。しかし、RFKスタジアムの周りではサポーターや家族連れのファンがあちこちでバーベキューをやっていて、バーベキューと言えばビールは欠かせないでしょう。なぜか、ここでは野外の飲酒も大目に見られていて、付近をパトロールする警察官らも「ビンだけは片付けていけよ」の一言だけ。周囲に桜の木があることを祈ることにしよう。