今日が、3つ目。
これで、最後となった。
そいつの姿を見ると、
小さく、
整然と並んでいる一番最後に
しっかりとどっしり、誇示している。
そいつは、誰とも交わらず、そっぽを向き、壁を時々傷つける。
背を伸ばすのも諦め、かれこれ5年以上同じ姿だ。
しかし、どいつよりも美しい。
決断の時は、突然だった。
これ以上、役に立たないと判断された。
仲間と交わらないことは、美しい姿も維持できないとのことだった。
さぁ、今日が最後のお別れだ。
準備は整えられた。
ぱきっ
私は、かなり驚き跳ね上がった。
想像以上に簡単で、一瞬の出来事だった。
思えば、今年で、3つ目だ。
1つ目は、砕くような音。
2つ目は、手強かった。
どうしても、居続けたかったのだろう。
根強く残り続けた。
長い死闘だった。
そして、3つ目。
こいつもかなり手強いと言われていた。
去っていくそいつの姿を見た。
本当にキレイで、美しかった。
何処も傷ついてはおらず、真っ白。
そいつの姿を見て、さよならも言わず、立ち去った。
タイトル「右上の親知らずを抜きました」