今回は、
福島第一原発事故で深刻な海洋汚染の関連エントリと言う事で。
東京海洋大学の研究グループは、東京電力の福島第一原発から流出した放射性物質の影響を調べる為、今年7月、いわき市の沿岸から沖合の約60キロ迄を調査船で航海し、プランクトン等を採取。
この内、沿岸3キロ付近で採取した動物性プランクトンを分析した結果、放射性セシウムが1キログラム当たり669ベクレルの高い濃度で検出されたと言う。
半減期が2年のセシウム134が含まれる事から、原発から流れ出た放射性物質がプランクトンに蓄積したものと見られる。
動物性プランクトンは、様々な魚の餌になる事から、食物連鎖によって放射性物質の蓄積が進み、今後、スズキ等、大型の魚で影響が本格化する恐れがあると指摘している。
研究グループのリーダーを務める石丸隆教授は「この海域では南向きの海流の影響で、原発から高い濃度の汚染水が継続して流れ込んだ為にプランクトンの濃度が高くなったと見られる。魚への影響が何時頃まで続くのか更に詳しく調べる必要がある」としている。
今年7月の調査結果の詳細が今頃になって出て来た訳だが、採取したプランクトンの分析に時間が掛かったのか、マスコミが敢えて報道しなかったのかは判らないけど、こう言った調査発表はもっと迅速に出来ないもんだろうか。
この調査は、大学の研究チームが行ったものだから、予算や人員の関係もあって、迅速に出来ないのも不思議では無いのだが、本来ならば国が率先して調査を行い、危険ならば危険だと周知せねばならない筈だ。
東京電力の福島第一原発事故によって、日本の空と海と大地に大量の放射能と放射性物質を撒き散らし、高い数値の放射線量を測定する今の日本の状況は最悪なのである。
そんな状況なのに、日本のマスコミは原発事故の現状や詳細を報じず、海外のメディアの方が日本の原発事故の詳細を報じ、当事国である日本の国民が、福島第一原発事故は未だに現在進行形で悪化している事を、知らないと言う現実なのである。
当ブログの常連さんは、メルトアウトとかサーフェス・フュージョンの事を知っているだろうが、新聞やテレビで情報を得ている人は、メルトアウトやらサーフェス・フュージョンの事は、何のこっちゃ判らないだろうな。
ネットで情報を得ている人は、福島第一原発が現在進行形で悪化している事や、日本の環境汚染が酷いと言う事を知る事が出来るのだが、それ以外の多くの人は福島第一原発事故は、収束に向かいつつあると言う東電の戯言や、日本政府の発表を信用し、安心している事だろう。
しかし、である。事態は深刻なのだ。
「知らぬが仏」と言う言葉があるのだが、東電や日本政府の発表のみを信じて、真実を知らなかったら本当に仏、つまり忌んでしまいますよ。
政府やマスコミが事実を国民に知らせず、事態が悪化したのは、今回が初めてでは無い、例を挙げれば水俣病だろうな。
御存知の方も多いと思うが敢えて説明すれば、水俣病とは、チッソの水俣工場が海に流した廃液が原因の公害病である。
水俣病と原発事故の共通点は、マスコミと御用学者が嘘八百を吐いて真実を伝えない事である。
水俣病の御用学者と言えば、東京工業大学の清浦雷作教授と東邦大学の戸木田菊次教授が有名だわな。
清浦教授は5日間の調査、戸木田教授は現地で調査もせず、腐った魚や貝を食べた事が原因とするアミン説を発表した為に現場が混乱し、水俣病の原因特定を遅らせ、更に被害者を増やす事になった。
福島原発事故でも、御用学者が「日本の原発は爆発しません」だの、「爆破弁」だの「プルトニウムは食べても安心」だのと、専門家とは思えない戯言を垂れて顰蹙を買っている。
それらを真に受けて、原発事故が起きても日本は安心なんだ。と思っていたらエラい事になるよ。
では、日本政府が信用ならない状況で、何を頼りにしたら良いのか?。と言う現状を悲観して、海外に活路を求めた人の事を「日刊SPA!」が記事にしているので、以下に貼ってみる。
ニューヨークの国連総本部前「野田首相、福島の子供たちを守れないで、原発の安全を世界中に言うのは卑怯だ!!」
8月23日、ニューヨークの国連総本部前。福島県で農業を営む佐藤幸子さん(53歳)は、レセプションを終えて目の前に現れた野田首相に訴えた。
首相は国連での原発に関する首脳級会合で、「原発の安全性を最高水準まで高める」と発言、原発維持の姿勢を明確にしていた。
「日本政府が何の対応もしてくれないので、国際社会に訴えに行ったんです」と佐藤さんは語る。
渡米の目的は、米国の市民団体、議員、原子力規制委員会に福島の現状を知らせることだった。
「米国には福島の現状がよく伝わっていないようで、マスコミも議員も原子力規制委員会も、熱心に話を聞いてくれました。
『福島ではまだ子供たちが生活しているのか?』と驚く人もいました」
佐藤さんは福島原発から40kmの「やまなみ農場」(川俣町)で有機農業を続けてきた。
養鶏を中心に、コメや野菜を栽培している。6年前から福祉NPO法人「青いそら」をつくり、自らヘルパーとして働きながら共働福祉農園「麦の家」も営んできた。
ところが原発事故後、この生活が一変する。
「農産物を売ることができなくなりました。いくら政府が『安全』と言っても、チェルノブイリ事故時よりもずっと緩い規制値では、誰も信用してくれない。特に私のお客さんは食の安全に敏感な人が多いですし、何よりも自分が食べたくありません。200羽の鶏は殺処分せざるをえず、畑は今も放置したままになっています」
しかし、佐藤さんの農場は避難対象区域外。何の補償もないまま、山形県米沢市に避難した。
現在は米沢から福島の「麦の家」まで、約60kmを自動車で通勤している。
「私は4人の子供を県外に避難させられました。しかし、経済的な理由や仕事の都合などで『避難したくてもできない』という人もたくさんいます。福島市内では、大波地区や渡利地区など高い放射線量が計測されている場所がいくつもあるんです。一刻も早く自主避難希望者への支援をしなければ、放射線の影響を受けやすい子供たちがどんどん被曝してしまう」
以上が日刊SPA!の記事なのだが、
福島産あんぽ柿と米の生産者で書いた、身内に食べさせたく無い物を市場に出荷する人も居れば、この記事にある「自分が食べたく無い物は出荷したく無い」と考える、まともな生産者も居る訳だ。
どちらの生産者が正しいのか、いちいち説明しなくても判ると思うのだが、こう言う考えを持っている生産者が、浮かばれないと言う現状は何とかしなくてはならないだろう。
また、記事にある子供達の放射能汚染を心配する人の気持ちを知ってか知らずか、モナ男こと細野豪志担当大臣は、丸っきり逆の事をしており、避難地域の縮小を実行してしまったのである。
モナ男は、放射能汚染された廃棄物を他の地域で処理すると言う馬鹿げた考えを実行しようとする等、放射能汚染を更に拡散させる様な常軌を逸した奴なのは御存知の通り。
こんなのが大臣なのだから、日本の未来は暗いね。では。
【ネッタイムス・東坊京門・作】