ネッタイムス・ブログ

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福島第一原発の国産ロボット・クインスと作業員

2011-10-24 15:26:46 | ニュース
東京電力は21日、福島第一原発2号機の原子炉建屋5階で、最大毎時250ミリシーベルトの高い放射線量を測定したと発表。
松本純一原子力・立地本部長代理は「原子炉の温度が高かった時期に格納容器から漏れた気体(放射性物質を含む)が、床や壁に沈着しているのではないか」としている。

この最大毎時250ミリシーベルトの高い放射線量を測定したのは20日に、原子炉建屋の調査をする為の切り札と言われる国産のロボット「クインス」を使って調査したもの。
クインスは、千葉工業大学等が開発し、今年6月に導入され、放射線量が高い原子炉建屋の中で放射線量を測定したり、写真を撮影する等、調査に欠かせないロボットの一つなのである。

同じく20日、そのクインスを使って、2号機原子炉建屋にある配管の調査が行われたのだが、クインスは最上階の5階に上がってから戻る途中の3階で、建屋に取り残されちゃった模様。
クインスは有線で遠隔操作するロボットなのだが、ケーブルに引っ掛かり、そのケーブルを取ろうとした所、通信が途絶えたらしい。

クインスは、元々は災害救助用に開発されたロボットなのだが、「米国製を圧倒する超性能」と言う触れ込みで、福島第一原発の調査の切り札として採用されたロボットなのに、コードが引っ掛かって動けなくなったって、切り札がそんなんで大丈夫なのかい?。
クインスの写真を見た事がある人は判るだろうが、クインスはタイヤの代わりにキャタピラみたいな物が付いたラジコンカーの様なロボット。

そのキャタピラみたいなのを使って、瓦礫の山をスイスイと進んで行く最先端のロボットの筈なんだが、通信不能となり、瓦礫の山の中に取り残されて、単なる放射能廃棄物になってしまった。
通信不能のトラブルと言えば、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ」を思い出す。

「はやぶさ」は、通信不能やエンジントラブル等の困難を乗り越え、無事、地球に戻って来て日本の人々に感動を与えたもの記憶に新しい所だが、クインスも通信不能のトラブルを乗り越え、無事に建屋の出口に辿り着く事が出来るのだろうか?。
これがテレビ番組なら、「この後、衝撃の事実が!」と言うテロップが出てコマーシャルに入り、再び番組が始まっても、衝撃の事実なんざ無く、ショボい結末で番組終了となる訳だが、クインスの場合はどうなるのかい?。

東電は、クインスの回収方法を検討している様だが、作業員が回収する場合、最大で1時間当たり97ミリシーベルトと言う高い放射線量の中での作業になると言う。
作業員と言えば、福島第一原発で3人目の作業員が死亡の続報なのだが、東電は21日、今月6日に第一原発で作業中に倒れ、死亡した50代の男性作業員の死因は、後腹膜膿瘍による敗血症ショックだったと発表。
男性作業員に付いて、被曝線量が2.02ミリシーベルトと低く、外傷も無い事から、作業と死亡との因果関係は無いとしたのだが、「大本営発表」ならぬ「大東電発表」を真に受ける人は居ないだろう。

福島第一原発の原子炉建屋で高い放射線量を測定にも書いた通り、福島原発の放射線量は最悪レベル、こんな中で防護服に身を包み、命を削って働く作業員。
そんな作業員の負担を少しでも軽くしようとの事で、クインス等のロボット投入なのだが、結局は作業員が回収と言う事になりそうだな。では。

【ネッタイムス・東坊京門・作】