プログラマー兼テクニカルライターである石川直太 (いしかわ なおた) のブログです。哲学からゲームまで。
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東海村の臨界事故から15年
東海村の臨界事故から15年経ちました。
茨城県出身の先輩に伺いました。「高校の物理2の知識があれば、臨界事故を防げたのではないでしょうか。」「その通りです。原子力労働者の大部分は、高校の物理どころか、中学理科の知識もないので、あのような事故が起こったし、また起きるでしょう。」困ったことです。
もう一つの問題は、納期を前倒しされて、普通の安全な作業方法では納期を守れなくなり、事故が起きたことです。事故を避けるためには、工場長が切腹するか、労働組合が政治ストライキをするしかなかったのでしょうか。
核燃料工場だけの問題ではありません。
多様な再生可能エネルギーを
天候の影響を受けやすい太陽光発電と風力発電だけで、原子力と火力を置き換えられないことは、技術的に解りきっています。
しかし、再生可能エネルギーは、太陽光発電と風力発電だけではありません。
地熱、バイオマスなどの多様な再生可能エネルギーに投資すべきです。
原子力発電を推進する側にも、再生可能エネルギーを推進する側にも、国家百年の計が足りません。
慶應、慶應、陸の王者慶應
「慶応義塾」ではなく「慶應義塾」です。
アスキーのゲーム部門でアルバイトしていた仲間に慶應義塾大学大学院理工学研究科の学生がいて、私が大学院受験について相談したら、「慶應義塾」と正しく書けることが最も重要と、助言をいただきました。当時理工学部助教授だった斎藤信男先生に、受験したいという紙の手紙をお送りしたところ、あとで知ったのですが、斎藤先生がアスキーの深瀬技術部長に電話して、「石川君という学生が受験するんだけど、彼、使える?」「彼ならMS-DOSのプログラムを書けるよ。」「じゃあ合格させよう。」という経緯になったそうです。あれから25年。。。
朝日新聞と東京新聞
9月11日は、朝日新聞を読んだ責任を取って、原子力発電推進に寝返り、ヘイトスピーチに参加しようか、それとも、死ぬときは過激派として自爆しようかと、凹んでいました。
しかし、9月12日の東京新聞の記事を読んで、やはり、原子力発電の必要性をなくすことが技術者の使命であると、士気を回復しつつあります。賛否の議論は誰にでもできます。新エネルギー源の開発と、エネルギーを使う機械の効率改善によって、原子力発電から卒業し、化石燃料の消費も減らすことが、技術者の使命です。技術、政治、経済の連携があれば、物理法則的に不可能でない限り、たいていの技術的課題は実現できるはずです。