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音の世界

「ノリのいい音楽」をテーマに、CDやライブの感想を綴ります。

炎(Sholay)

2007-10-27 03:43:37 | インド映画
東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の
特集上映「日印交流年 インド映画の輝き」。
1930年代から80年代までの名作32本を上映中だ。

記念すべき鑑賞第一回は、これを見ずしてインド映画を
語るなかれといわれる1975年の「炎(原題:SHOLAY)」。
荒野の七人を翻案したインド映画史上最大のヒット作だが、
あいにく映画オンチなので元ネタも知らない。
しかも、インド映画にはつきもののインターミッション(休憩)も割愛し
3時間18分ぶっつづけという長丁場だ。大丈夫かな?
・・しかし、さすがはアクション娯楽大作である。
時間の長さなど何の障害にもならなかった!
息もつかせぬ展開に3時間ずっと瞳孔がひらきっぱなしだ。

往年の名警部であるタークルが、札つきのワル・
ジャイとヴィールの腕をみこんで、2人を呼びよせ依頼する。
「凶悪な盗賊の首領・ガッバルを生け捕りにしてほしい」と。
彼にはガッバルをどうしても捕えねばならない理由があった・・

小さな村を舞台に繰り広げられる西部劇さながらの物凄いドンパチ、
ワルだが根は純粋な2人の男の固い友情、恋、復讐そして歌と踊り。
コミカルな要素もタップリで、洒脱なギャグで大いに笑わせてくれる。
インド映画のご多分にもれず、本筋と直接関係ないエピソードが
てんこ盛りだが、このひとつひとつがめっぽう面白い。

荒涼たる乾いた大地にむき出しの岩肌。主な交通機関は
馬と蒸気機関車で、車など登場しない。今風のものといっても
せいぜいゴレンジャーが乗っていたような(古いなあ)
サイドカーぐらいだ。一体いつの時代の話かと思うが
主人公の青年2人のいでたちはしっかり70年代している。
ちょっと前のインドの田舎って、こんな感じなのだろうか?

アクションも素晴らしいが、人物造形も見事だと思う。
陽気な酔っ払い・ヴィールにニヒルな二枚目・ジャイ。
ジャイ役のアミターブ・バッチャンのクレジットは4番目ながら
この役で一気にトップスターになったという。
もんのすごく足が長くて、赤いTシャツの似合う彼はカッコイイ。
老警部・タークルの渋い演技もさることながら
絵に描いたような憎々しい悪役・ガッバルも名演だ。
おきゃんで口数が多いが一途な村の娘・バサンティーは可憐だし、
冒頭に登場する刑務所の看守長もこっけいで可笑しい。

さらに、サントラがとてもよかった。効果音がいいし
踊りのシーンで流れる挿入歌は楽しく、時に切なく抒情的だ。
ちなみに音楽はA.R.ラフマーンならぬR.D.バーマンだそうで、
BGMにひとひねりもふたひねりもあって面白い。

インド映画の挿入歌は何十年も同じプレイバックシンガーが
歌い続けているという話を聞いたことがあるが、
ナルホド確かにずっと同じ人が歌っているんじゃなかろうか?
と思うほど、どれもこれも同一の声とメロディに聞こえて仕方ない。
30年前のも現在の映画も、どうにも似たようなサウンドに思えるのは
私の修行が足りないからか、はたまたインド音楽の奥深さか。
ともあれ、いい音楽には違いないだろう。

それにしても、こんな渾身の娯楽大作をこんなイイ椅子で、
たったの五百円で見せてもらっていいのか?
近代フィルムセンター、おそるべし。これから頑張って通おう。

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ナマステインディア2007(続)

2007-09-30 23:41:40 | インド映画
昨日にひき続き、ナマステインディアへ。
本日のお目当てはカレーではなく(もちろん食べるけど)、
たばこと塩の博物館で行われるシネマトーク「最近のインド映画事情」だ。
インド映画研究の第一人者・松岡環さんを司会にむかえ
毎年行われているという。昨年までこのイベントを知らず
行かれなかっただけに期待が高まる。

大きな会議室程度の視聴覚ホールは満員だが、
詳しいレジュメやオマケのポスターまで全員にちゃんと配ってくれる。
物腰やわらかな松岡さんによる昨今のインド映画事情の解説と、
2007年9月までのヒット作のうち実に13本のハイライトを
1時間半にわたりタップリ見せていただいた。

ボリウッドの美男美女からスーパースター・ラジニ様の新作まで
ハイライトとダンスシーンだけで詳細はわからないものの
「これは見たい!」と思える面白そうな映画がほとんどだ。

特に魅力的だったのが、赤影みたいな仮面のヒーロー・
リティック・ローシャンが、びよ~んびよ~んとありえない高さで
シンガポールの空を自在に飛びまわる「クリシュ Krrish」、
盲目のヒロイン・カージョルがえらく綺麗な「消滅 Fanaa」、
サルマン・カーンとゴーヴィンダー主演のベタなコメディ「相棒 Partner」。
これらの作品を大画面でみられないものだろうか?

福岡国際映画祭で上映されたというシャー・ルク・カーンの
「DON」については、字幕を担当された松岡さん自身が
「どこか配給会社が買ってくれないでしょうか?」
とおっしゃっていた。とても面白い映画だと評判だし
ぜひぜひ一般公開してほしいものだ。

インドムービーでおなかいっぱいになった後は、
さらにカレー欲を満たすべく代々木公園へ。
冷たい雨のふりしきる中、さぞ閑散としているだろうと思いきや
カレーを求める善男善女で場内は活気と熱気に満ちていた!

すばらしきナマステインディア、次回は晴れるといいな。

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極私的日印交流年

2007-09-22 01:03:44 | インド映画
東京国際映画祭のラインナップが発表されました。

あちゃー

スーパースター・ラジニカーントの最新作「シヴァージ」は
日印交流年の期待もむなしく公開されず。

残念残念超残念。

新作の上映を願いずっとインドに念を送ってきましたが、
どうも念のとばし先を間違えたか?
ということで、矛先を変えてしつこくお願いしましょう。

日本の配給会社御中

日印の交流を盛大にお祝いし、ぜひ「シヴァージ」の公開を!
(来年まで待てぬ・・)

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Waiting for Sivaji

2007-07-12 00:26:48 | インド映画
Thank you so much for visiting my blog.
I am waiting for the release of SUPERSTAR RAJINI's latest film.
Althouth turning out to be a super hit worldwide,
Sivaji is unreleased in Japan so far...what a pity!

My previous entry was about current situation of
indian movies released in Japan.
Unfortunately, with few exceptions,
we can hardly see any indian movies for several years.

I really want to see the movie in big screen and
strongly hope that Tokyo International Film Festival
will showcase the film "Sivaji The Boss"!

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シヴァージに思う

2007-07-10 00:12:10 | インド映画

南インドのスーパースター、ラジニカーントの最新作
「シヴァージ(Sivaji)」が世界各地で大ヒットしているという。
地元インドはもとより、東南アジアやヨーロッパでも大人気らしい。

観たい!!

丁度10年前にシャー・ルク・カーン主演の
「ラジュー出世する」が公開されたときは
「40数年ぶりに日本で上映されるインド映画」と話題になったものだ。
その時インド映画を初めて観た私は衝撃(笑撃)のあまり
翌日の会社の朝礼のとき、仕事の話そっちのけで
ただひたすら「インド映画の素晴らしさ」について
部長以下全員を前にとうとうと語り続けたというイタい記憶がある。

その後、ラジニ様の「踊るマハラジャ」で大ブレイクしたものの
アッという間にブームが去ってしまった感のあるインド映画。
熱しやすく冷めやすい日本では、インド映画も流行りモノとして
消費されるだけの存在だったのか?だとしたら余りにも悲しい。

ノートパソコンの小さな画面で何時間もインド映画を観ようとは
思わないが、怠け者の自分でさえ劇場公開されれば絶対観にいく。
なぜなら、インド映画こそ大画面で観る価値があると信じているからだ。
ラジニ様の驚きのダンスもベタなギャグも、大写しで見てナンボである。
映画館で大いに笑い、休憩でグッタリし、さらに後半に集中することで
長い長いゴージャスなインド映画の世界に没入できるのだ。
又、そんな楽しみ方ができるのはインド映画をおいて何があろう!?

・・ということで、今からインドに向けて念を送ります。
「シヴァージ」、東京国際映画祭にカモーーン!!

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インドカレー屋の・・

2006-11-09 21:26:18 | インド映画

最近気になって仕方がないDVD,「インドカレー屋のテレビ」。
インドカレー屋のテレビで流れている謎の踊りは何なのか?
その謎の映像をDVD化するそうです。

注目は、副音声で流れる大槻ケンヂ×みうらじゅん両氏による解説。
なかなかサジ加減の難しいテーマかと思いますが、
お二人がどんなツッコミをしてくれるのか興味津々です。
11月22日発売。乞うご期待!


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耕作イン印度

2006-11-05 17:30:04 | インド映画
常務島耕作 5




突然ですが島耕作。知らぬ間にインドに行ってました。

ストーリー中で語られるインド経済の話もタメになりますが、
ガールフレンド・大町久美子とともにちゃんと
インド映画館に足を運んでいるのはさすがです。
しかも、「歌と踊りがすべてみたいな映画だから」(←コラッ)
とか言って休憩中に出てきてしまう。
後で社交パーティーで実際に会った主演女優に
映画を最後まで見ていないことがバレて
気まずい思いをする・・なんとバチ当たりな。
それにしてもインドセレブにまで大人気の島耕作さん、
ますます浮世離れしたご活躍で楽しませてくれます。

漫画の中で描かれる映画館や看板などは、
詳しい方によるとインドにある実在の映画館の建物や
実際に公開していた映画の看板にそっくりなのだそうです。
弘兼さんの取材力はすごいなあ~
インド編、連載ではもう終わってしまったのかな?
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さよならは言わないで@東京国際映画祭

2006-10-28 15:51:29 | インド映画

【若干のネタばれがあります】

東京国際映画祭の「アジアの風」部門にエントリーしている
インド映画、「さよならは言わないで」
(Kabhi Alvida Naa Kehna、通称KANK)。
ヒンディ映画界の大スター、
”インドの織田裕二”ことシャー・ルク・カーンと
大御所・アミターブ・バッチャン共演の新作だ。
先日前売りを逃してしまったが、どうしても観たい。
ダメもとでレイトショーの当日券に賭けたところ、
またもや念が通じたのか運良く入手できた。
インド映画の神様、ありがとう!!

さて、ストーリーはニューヨークに住む
2組のインド人家庭の、不倫愛憎劇。
シャールク演じるデーウは、脚を痛めた元フットボール選手。
バリキャリ編集者の奥さんに頭が上がらず、いらいらしている。
一方、ラニ・ムケルジー演じるマーヤーは、
愛していない相手と結婚したことを後悔している。
この2人が出会い苦悩するさまを3時間(!)にわたり
美しいニューヨークの風景とともに、丁寧に丁寧に描いてゆく。

インド映画というと、歌、踊り、インド的価値観、単純明快・
完全懲悪なストーリーという印象が強いが、この映画は違う。

まず、家族環境が核家族に近い。
インド映画における家族像では、ひとつ屋敷に
家族・親族・使用人、はたまた居候などが
ごちゃまんと住んでいるという設定も多いが、
この映画では2家族合わせて7人しか登場しない。
彼らの生活様式や価値観も(恐らくは)極めて欧米的で、
インド式を貫いている、という印象ではない。
この設定はインドで受け入れられるのだろうかとも思うが、
近年はこういう映画も大当たりしているというから
在外インド人家庭を描く映画も今は一般的なのだろう。
この舞台設定の上で展開される人間模様は、
華やかで都会的な雰囲気に満ちている。

また、インド映画にありがちな絵に描いたような悪役は登場しない。
それぞれの配偶者も申し分なく「いい人達」であるが故に、苦悩は深い。
しかも、彼らがたどる道は「何よりも家族が大事」という
一般的なインド映画の王道からはかなり外れていて、深く考えさせられる。
キャストの演技の巧さ、そして誰の立場にも偏らない
各登場人物の丁寧な心情の描写が印象的だ。

だがそこはインド映画!
前半は特に、インド映画ならではの軽妙な
「お笑い」がふんだんに盛り込まれ、観る者を飽きさせない。
(但し、ギャグのベクトルは「コテコテ」ではなく「コメディー調」だ)
子役も含め全員が大変な演技派で、ウマイのひと言!
コミカルな演技は天下一品のシャー・ルク・カーン、
そして、不倫相手マーヤーの義父を演じるアミターブ・バッチャンの
一見軽薄に見えながらも深みのある役柄に、
眠気を感じる間もなく3時間見入ってしまった。

また、曲数こそ少ないものの、お約束のミュージカルシーンも
しっかり用意されている。ニューヨークが舞台だけあって
バックダンサーも金髪碧眼で(なのに音楽はインド調)、かなり新鮮だ。
アミターブの実子、アビシェーク・バッチャン演じるマーヤーの旦那&
プリティ・ジンタ演じるシャールク嫁のダンスが楽しいが、
願わくばシャールクのコミカルなダンスも見たかったなあ。
(脚を怪我している役なので、当然のことながら彼は踊らない)

しかし・・全体的な感想としては、複雑。【ここから辛口】
後半がもったりしすぎており、盛り上がりに乏しく平坦だ。
なんせシャールク&マーヤーの2人がず~~~っと泣いてばかりで、
観ているほうも気が滅入ってくる。
監督の意図するところはよく理解できるが、
2人とも愛もいいけど、もう少し仕事も頑張ってみてはどうか、
と言いたくなってくる。また、マーヤー役のラニ・ムケルジーが
どうにもこうにも不幸そうで”華”がないのが残念だ。
(勿論、狙っての配役だとは思うが・・ファンの方、ごめんなさい)

この映画を日本で一般公開して欲しいかというと、
正直微妙なところだ。ただ、映像の素晴らしさとキャストの演技力で
それでも一晩飽きさせずに見せられるのは流石だと思う。
インドでも話題作ではあるが、その後の伸びが今一つだと聞く。
さもありなん、という印象だ。

カラン・ジョハール監督には同じようなキャストで大ヒットした前作
”Kabhi Khushi Kabhie Gham(時に喜び、時に悲しみ)”があり、
私もDVDを買って持っているが、まだ観ていない。
今回の作品を観て、「今ひとつなのにこの面白さ」なら
前作はきっと素晴らしいものだったのではないかと思った。

何がきっかけになるか分からないものだ。
今再び、猛烈にシャールクの映画を追っかけたくなっている。
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見られないとは言わないで

2006-10-02 00:16:22 | インド映画
インド祭りに出掛けた時にもらったチラシが出てきた。
東京国際映画祭のチラシで、「アジアの風」と称して
マレー映画とインド映画が上映されるという。
インド映画の出品は”さよならは言わないで”。
シャールク・カーン主演のボリウッド映画の新作だ。
おお、これ見に行かなくちゃ!

うきうきしながら早速公式サイトを見てみると・・
えっ!?ナニ、前売りもう売り切れですか!?


余りのショックにボー然としてしまい、言葉もでない。
悔やんでも悔やみきれない。
ただでさえめっきり上映されなくなってしまったインド映画。
なんでも配給の際にインド側とモメることが多く、
上映が困難だと聞いたことがある。
この作品が一般公開される可能性なんて、一体どれ位あるのだろう。
よしんば運良く公開されるとしても、早くて一年後だろう。

とほほほほほほ・・・

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ラジニカーント@バーシャ

2006-09-18 00:02:03 | インド映画


渋谷シアターイメージフォーラムにて、
インドのスーパースター・ラジニカーントの
主演映画特集を行っている。
名付けて「踊る!兄貴祭り」。
昨日観たのは1994年の作品、「BAASHHA」。
(邦題:バーシャ!踊る夕陽のビッグボス)
いわゆるアクション・バイオレンス・マフィア物だ。

オートリクシャーの運転手、ラジニ様は
争いごとを好まない、貧乏だが誠実な男だ。
しかし、彼には家族にも秘密の過去がある・・

う~~ん・・
物語の辻褄は合っているし、
お笑いポイントも数多いのだが、
悪人が次の瞬間善人になったりして
いくらなんでも、それはちょっとついていけないぞ、
と思わず笑ってしまう強引な展開が多々ある。
まだまだ私の修行が足りないようだ。

しかし面白くないかというと勿論そんな事はなく、
驚愕のラジニ様コスプレ69変化も
たっぷり楽しませて頂きました。
12年前の映画だけあって、ラジニ様の踊りもキレ味鋭い。
前半にマイケル・ジャクソンを100倍濃くしたようなダンスを
延々と披露したかと思えば、後半にはサンバダンサーみたいな
アリエナイ王様衣装でゴージャスに舞い踊る。
これでもか、と繰り返される濃ゆいダンスシーン。
インドの映画予算って、一体どうなっているんだろう?
本編とは別に、これだけのダンスシーンを撮るには
人件費とか衣装代とかロケ費用とか、
セット費用とかサントラだとか、
それはもう莫大な費用がかかるはずだ。

年間800本もの映画が製作されるという映画大国、インド。
謎は深まるばかりである。


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ラジニカーント@「チャンドラムキ」

2006-09-10 02:43:26 | インド映画


およそ4年ぶりに日本で公開されたタミル映画、
チャンドラムキ」を観に行った。
南インド映画界屈指の大スター、ラジニカーント主演の
2005年の大ヒット作だ。

・・いや~~・・
めっさ面白いです!!!!
ラジニの映画は「ムトゥ 踊るマハラジャ」を皮切りに
何本か観たが、この映画は文句なしに「最高傑作」!

150年前に非業の死をとげた踊り子の怨みが封印された「王の館」。
この館に住むことになった一族に、次々と災いがふりかかる・・
スーパースター・ラジニカーントは、王の館を買い取ってしまった
友人夫妻を助ける、正義の精神科医という役どころ。

のっけからラジニ様、超ベタベタに踊ります、暴れます、笑えます!
ストーリーがホラーだと聞いていたので、コワイ映画は嫌だと
思ったが、なんのなんの、コワイのに笑える、そして笑えるのに
コワイという超ド級のエンターテイメント映画だった。

御年55歳のラジニ様のヤングなキャラクター設定、
そして若い娘から人妻にまでモテモテの図式は
普通に考えるとかなり無理があるが、そこはインド映画、
ゴリ押しの世界では何でもアリ、なのであろう。
何かもう、ある種の「様式美」である。

中盤までは例の如くダンスシーンが延々と続き、
お好きな方にはたまらない(が、お好きでない方には
ツライかも?)インド映画のお約束的展開だったが、
後半の畳み掛けるような怒涛のストーリー展開には
口をあけたまま魅入ってしまう他なかった。
特に、150年前の世界と現在とが交錯する
幻想的なダンスシーンは圧巻で、
「チャイニーズゴーストストーリー」のような
伝奇アクションが好きな私にはタマラン世界だ。

また、この映画では「踊り」自体が
ストーリー上も重要な意味を持っている。
そうした点も含め、映画の始めから終りまで
どこを切っても金太郎飴のように「インド」が顔を覗かせる、
ものすごく"濃イ~"映画だと感じた。
普段自分の住む世界や文化からは遠くかけ離れた異国の話、
なのにこんなにも楽しめるのは何故だろう?
上映終了時には、館内は拍手喝采でありました。

"アレアレアレアレッ"というかけ声から始まる
キャッチーなテーマソング、"Devuda Devuda"は
映画館で実際に見ると迫力百倍、素晴らしい名曲だ。
ダンスの途中で監督が叫ぶ「リピ~トお!」というキメ台詞が、
耳にこびりついて離れない。

「チャンドラムキ」の日本公開を感謝しつつ、
今後も良質のインド映画が日本で公開されることを願ってやまない。


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黄金のインド月間

2006-08-19 03:04:42 | インド映画
恐らく数年ぶりに、スクリーンでタミル映画が観られる。
ラジニカーント主演の「チャンドラムキ」。
昨年の東京国際映画祭で上映されたそうだが、見落としてしまっていた。
(→公開の詳しいスケジュールは、ラジニ.jpで!)

ストーリーはというと、・・なんだかよくわからないけど
大層面白そうではないですか!監督の写真もナイスだ。

最初のミュージカルシーンの解説で、早くもノックアウト。
「ラジニ様がいろいろな場所で踊りまくり」
それだけでも充分・・期待が高まるばかりです。
映画館で一緒に歌えるよう、唄と歌詞もバッチリのっている。
覚えやすい歌でイイですね♪ 動く姿が早く見たい。

旧作も含め、5作品が一挙公開されるという。
よし、VIP定期券を買おう!毎週一作品ずつ、ラジニ三昧だ!

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バングラダンス IN インド大使館

2006-04-16 22:42:50 | インド映画
九段下の駅を降りて坂道をずっと上がると、
千鳥ケ淵からインド音楽が聴こえてくる。

インド舞踊家、野火杏子さん率いるインドダンススクール、
コンテンポラリー・ナティヤム・カンパニー
インドダンス発表会が、インド大使館で行われているのだ。
午前中からインド古典舞踊の発表があり、
ポップスダンスの発表は午後に行われるという。

私は単なる「インド映画好き」に過ぎないが、
映画の中でダンスミュージックに合わせて披露される
ミュージカルダンス(フィルムダンス)が大好きだ。
この発表会、絶対面白いに違いない!と、
ポップスダンスの時間に合わせて覗いてみた。

プログラムの題目は「インドポップスダンス&バングラ」
となっており、演目が進むにつれて
初級クラス→上級クラスの発表へとすすんでいく。
ソロで踊る曲あり、群舞ありで、とても見ごたえがある。

皆、目の覚めるような美しい衣装を身にまとい、
映画の中のミュージカルシーンを再現していく。
映画にもダンスにも全く詳しくはないが、
恐らく一つ一つの仕草に意味があり、
また、映画の中の登場人物の心象風景にもリンクしている・・のだろう。
操り人形をモチーフにしたダンスなど、
まるでロボットダンスのような楽しさだった。

後半には上級クラスの発表、そして先生方のダンスも披露された。
身体中がバネのようにしなやかな人達が
ダイナミックな群舞を繰り返すさまには、ただ圧倒されるばかりだ。
途中、インドの方々も飛び入りで参加して、やんやの喝采を浴びていた。
(それにしても、飛び入りの皆さんもすごいリズム感!)
最後は、何十人もがステージに上がり、ディスコ状態!
動き激しいです、すごいです!きっと「バングラナイト」って
こんな感じなのだろう。楽しそうだ~

・・と書きながらも、実は私、普通のインドポップスと
バングラの区別が結局つかなかった。

バングラとは、パンジャーブ地方のフォークダンスが起源の
ディスコナンバーのことをいうらしい。
確かに、「バングラ」と紹介された曲での振りつけは相当激しく、
音楽的には「2拍子」な感じがするのだが、
かといって他の曲もシンセバリバリの「インド的ディスコナンバー」で、
どうにも区別がつかないのだ。

これは、さらに研究しなければなりません・・


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