去年の暮、暦も残りわずかとなったある日
労務の担当者が3人、がん首揃えてオイラのところへやってきた
「なんとか年内にお願いできないでしょうか?」
「何が?」
「健康診断です。社内の。年内に受けていただかないとコンプライアンスに・・」
「健康診断を受けないだけで犯罪者扱いすんのかよ!?」
「そうじゃありません!会社が叱られるんです!なんとか年内にお願いしますよ」
「だけど、年内ったってもう幾日もねーじゃんか」
「明日、なんとか都合をつけてもらえませんか?」
「明日?明日は日が悪いよ」
「そんなこと言わずに・・・」と、ぺッコリ45度!
「わかったよ。行きゃーいいんでしょ。行けば・・・」
「すぐに連絡して予約を入れますから!必ず行ってください!前回みたいに
方角が悪かったから止めた!なんてことはしないで下さい!!お願いします」
本当に“タチが悪い”
しかし、これは去年までの話し、今年は心機一転!こういう悪態はつかないよう、
常に心がけている
さて、これ以上、担当者を困らせてもいけないし、暮れの慌ただしいなか、
会社指定のクリニックで「定期健康診断」を受けることになった
言いわけじゃないが、本当に忙しく、受けようと思っても他の行事と重なり、
やむを得ず、受けれなかった・・というのは事実
診断は、尿、体重・身長、血圧、レントゲン、採血、・・・
で、最後にドクターの問診を受ける
「これまでに大病は?」
「特にないです」
「年々増えてるようだね!体重と中性脂肪」
「そうですか・・・」
毎年、同じような問答を繰り返し、だいたいこれで終了・・と、なるはずが
いきなり、「君は自分がメタポだと思う?」
過去問にもない、言ってみれば不意を突かれた想定外の質問
「はい。メタポだと自覚してます」
「どうして?メタポなの?」
「はア~~?どうしてって、こんだけ典型的なオヤジ体系の肥満体だし・・」
するとこれまでにない厳しい表情となった先生
「メタポってね、いくつかの条件が揃ってはじめてメタポと定義付けする」
「だから単に太っているから・・など、そんな見た目で決めちゃいけない!!」
「はア~~そうなんですか・・・」
「で、オイラの場合、その条件を幾つ満たしてるんですか?」
「ん!幾つ?え~~っと、全部当てはまるね」
「じゃア~やっぱりメタポなんですね?」
「君は立派なメタポだよ。努力して痩せなさい!」
「はい。ありがとうございました・・・・・?」
先生はオイラに何を伝えたかったのだろう?
なんかスッキリしないまま病院を後にし、会社に戻ってきた
すると例の担当者が・・・
「検診に行っていただきました?」
「今日の検診は中止!受付の順番が“4番”、4って数字は縁起が悪いからやめた」
「本当ですか・・・縁起が悪いから!?・・・・マジですか?」
「マジだよ。あんな病院二度と行かねーよ」