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ジューンベリーに忘れ物

シンボルツリーはジューンベリー
どこかに沢山の忘れ物をしてきた気がして

旅先ジョギング

2018-03-16 22:20:50 | ジョギング
 ▼ 風邪気味で、とうとう何度かお世話になった内科医院から、
薬を処方してもらった。
 その甲斐あって、大分回復した。
その上、春を思わせる陽気が続いている。

 なので、今年初めてになるが、朝のジョギングにでた。
体調を気にしながら、
いつにも増してゆっくりゆっくりと走った。

 時々冷たい向かい風が吹いた。
でも、まだ雪を被ったままの山々の白と青空、
雪が消え農作業を待つ土色の畑、
その脇を愛犬と一緒にゆっくりと散歩する人。
 そんなすべてが朝の静寂の中にあった。

 足を進めながら、久しぶりの光景に触れた。
そして、この調子ならと、10キロを走ることに。
 後半、登校する小中学生とすれ違う。
みんな、私の挨拶に応じてくれた。
 爽快さが増した。

 ジョギングの終盤、今度は上空だ。
白鳥である。
 間もなくシベリアへ旅立つのだろうが、
4羽5羽、時には8,9羽で群れ、
鳴きながらえさ場へ向う勇姿が、すぐそこにあった。
 私は走りながら、その大きな鳥たちを目で追う。
訳もなく、嬉しさがこみ上げた。

 走り終え、自宅に着く頃には、
厚手のトレーニングウエアーの中は、
ビッショリと濡れていた。
 いい汗をかいた。
満たされていた。

 朝の伊達の、こんな出逢いが、
私にジョギングさせていると、あらためて感じた。

 ▼ さて、本題に近づこう。
40歳代の頃、同じ学校にランニングが趣味だと言う女性がいた。
 わずか一泊の職員旅行があった。
なのに、その女性は、誰よりも早く起き、
旅館近くをランニングした。
 小1時間ほど周囲を走り、「気分爽快!」と言った。

 当時、私はジョギングを知らなかった。
ランニングウエアにシューズなど一式を携え、
旅行先でまで走ることに、やや違和感を持った。

 「旅行に来たんだから、のんびりすればいいのに・・。
1日くらい走らなくでも、いいじゃない。」
 そんな思いだった。

 その私が、今では時々、旅先でもランニングウエアに着替え、
ジョギングを楽しんでいる。
  
 ▼ 北海道各地に、日帰り温泉を兼ねた宿泊施設がある。
その1つに由仁町の『ユンニの湯』がある。
 温泉は、コーヒー色をしており、美肌効果があると言う。
ログハウスを基調とした建物で、
近くには2つのゴルフ場と、
四季折々の花が素敵な植物園『ゆにガーデン』がある。

 我が家からは高速道を利用すると、
車で1時間半のところにあるのだが、
当初の私は、緑に覆われた小高い丘の上に建っていることを、
知らなかった。

 1泊2ラウンドのゴルフパックの宿をここにした。
その時、旅先でのジョギングを思い立った。
 初めてのことだった。
丁度、ハーフマラソンを2度完走し、
走る楽しさを強く感じていた頃だった。

 早い時間に目ざめると、すぐにランニング姿に着替えた。
いつも通り時間をかけてストレッチをして、外に出た。

 地図で、約5キロ程の周回コースを決めていた。
その道を、いつもと変わらない速さで走り出した。

 なだらかな下り坂が続いた。
目に飛び込む見慣れない森が、新鮮だった。
 その穏やかな緑の道を、テンポ良く進んだ。
まさに『気分爽快』だった。
 後で、痛感するのだが、その道はずっと緩い下り。

 残り1キロ余りの所で、右に折れた。
すると、突然上り坂になった。
 右に左に蛇行しながら、その坂は続いた。
ずっと上りっぱなし。
 しかも、伊達にはないような急な坂が続いた。

 すごく息が切れた。足が重たくなった。
何度も歩きたくなった。
 よく考えると、それまでずっと下りだったのだから、
急な上りは当然なのだ。
 地図では、それに気づかなかった。

 「こんな坂!、こんな坂!」。
何度もつぶやき、それでもランニング姿勢で上った。
 深い森に向かって、2度3度と大声を張り上げた。
経験のない苦しい走りだった。

 宿舎にたどり着いてから思った。
「こんな急坂だと知っていたら、絶対に走らなかった。
知らないからこそ走れたんだ。」

 あれ以来、あんな急坂の走りは経験がない。
旅先ジョギングならではのことだ。

 ▼ ジョギングをはじめてから、
一度は走りたいと思っていたコースがあった。
 それは、都心の皇居、あのお堀を1周するコースだ。

 以前、そこを走るランナーを車から見かけた。
どの人も、思い思いのランナー姿で走っていた。
 一体どこで着替えているのか、不思議だった。

 ネットで調べてみた。
さすが東京である。
 皇居周辺に、何軒も着替えとシャワーの店があった。
それを知ると益々走ってみたくなった。

 所用で東京に行った。確か、春先の昼下がりだ。
わざわざ時間を作り、皇居の外周を走ることにした。

 ホテルから、
小さなバックにウエアとシューズを入れ、出発した。
 有楽町で電車を降り、日比谷の店で着替えた。
利用料金は、ワンコインだった。
 驚いたのは、平日なのに利用者で賑わっていたことだ。

 皇居前広場で、軽くストレッチをした。
その間も、次々とランナーが走り抜けていった。
 時々、同世代のランナーを見た。
ホッとした。

 早速、走り出した。
いつも私一人、時には家内と二人のジョギングだ。
 しかも、すれ違うランナーなど稀だった。
ところが違った。

 まったく見ず知らずの方だが、
ずうっと前にもすぐ前にも、横にも、そして後ろにも、
ランナーがいた。

 左手に皇居の静けさ、
右の車道に、途切れることない車の流れ。

 経験のない都心のランニングコースに、
ペースを乱されないよう、気を張って走った。
 適度なアップダウン、それに緩い左カーブが、
走りやすかった。
 マイペースで、予定通り5キロの周回を2周した。
 
 再び、日比谷のお店に戻り、シャワーを使い、
入店した時の服装に戻った。
 バックの中の汗で汚れたウエア以外、
何も変わらない姿で電車に乗った。
 ちょっとだけ、都会のランナー気分を味わった。

 時には、こんな刺激もいいかな。
そんな想いに浸った。 

 ▼ いつも思うことだが、
伊達の四季の素晴らしさがあるから、
私のジョギングは続いている。
 しかし、時には旅先ジョギングもいいと思う。

 今は、職員旅行で、
早朝ランニングした女性の理解者になれる。
 それは、そこでの走りが、
いつもとは違う体験をくれるから。
 想いもしない刺激をくれるから。
 


    ようやく『福寿草』が咲いた 

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