経済の回復は、賃金に反映されるから、生活を潤す道につながる。だから、経済対策こそ最優先、という考え方は少しも間違っていない。そして、国民はそうなってほしいと願っている。
部分的な陰りはあるものの、経済はその基調に。その結果として昨年は賃金改善の動きがあった。ただ、陽が当たったのは自動車などの大企業止まり。地方の企業や零細企業は未だ実感するに至っていない。
確かに、経済対策の象徴的表現のアベノミクスは道半ばだが、生活が楽になったか、と聞かれたら…先日、発表された日銀の生活意識に関する調査の答えはノー。なんと51%が「ゆとりがなくなってきた」と答えている。
そして、景気感覚についても、1年前に比べ「良くなった」から「悪くなった」を引いた景況感はマイナス33%。多くの人が景気は良くなった実感がないということであり、同様な思いは暮らし向き感覚にも。
例えば物価だが、80%というから5人に4人までが「少し」も含め「上がった」と認識している。その行き着く先は生活防衛となって、消費が抑制されかねない。アベノミクスへの期待の一方で広がる生活不安…この調査結果が教える現実に楽観はない。 (A)