銀河夜想曲   ~Fantastic Ballades~

月が蒼く囁くと、人はいつしか海に浮かぶ舟に揺られ、
そして彼方、海原ワインのコルクに触れるを夢見、また、眠りにつく……

2015年03月26日 01時51分03秒 | 散文(覚書)
1年前のことを思い出すと
つい昨日だったと叫んでしまう

10年前のことを思い出すと
懐かしさがじんわりこみ上げる 

20年前のことを思い出すと
あの頃に帰りたいとしんみり思う

50年前のことを想ってみると
セピア色のカーテンが舞っている

100年前のことを想ってみると
酔い覚めの水で再び酩酊する

1000年前のことを夢見てみると
胸の内に星の瞬きが聴こえてくる

10000年前のことを夢見てみると
どんな数式も宙へとねじれこむ



1秒前のすべては
もうここにはいない
巨きなものに根こそぎ拐われる陽炎か
遠雷の後をひたすらに追う幻影となって
どこぞの記憶の糸に
ただ縋るだけ

彷徨うのであれば
忘却の彼方のまた彼方

戻らぬことは厳然たる摂理
それでもいつか帰ってくることがあるのなら
どうぞ花を手向けて
巡る涙を枯らさぬように




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