ネイチャーサロン by こうちフィールドミュージアム協会

 自然をより深く知ることの楽しさを,お茶会のような雰囲気で語り合いましょう.

サナダムシ雑話

2014-09-17 18:44:04 | 日記


 条虫,いわゆるサナダムシの話をしよう.

 写真はネズミにつくサナダムシで,和名をコガタジョウチュウ(小形条虫)という.小型でなく小形の字をあてよう,ということが日本寄生虫学会で決まっている,らしい.

 この標本の虫は長さ5cm程度.しかしサナダムシの大きさは,1匹のネズミに何匹付いているかによって大きく変動する.10匹ついている時よりは,1匹しかついてない時のほうが,サナダムシは大きい.このルールは,ほとんど全てのサナダムシに当てはまる.

 小形条虫は,モノスゴくたくさん付くことがある.たくさん付いていると,サナダムシ1匹の大きさはモノスゴく小さくなる.たとえば5,000匹ついていると,サナダムシの大きさは1cm程度になる.

 サナダムシの体の後端は太く,後端付近には卵がたくさん詰まっている.前端はモノスゴく小さくて,小形条虫の場合は4つの吸盤と,腸壁に頭を固定するための「鈎」がたくさんある. この写真では,どこが前端か,わかりますか?

 小形条虫はネズミ(マウス)の寄生虫.とびきり大きい個体でも長さはせいぜい6cm程度.これとよく似た虫で,縮小条虫(シュクショウジョウチュウ)というのもいる.これもネズミの寄生虫.ただしネズミと言ってもマウス(ハツカネズミ)でな くラット(ドブネズミ)です.虫の大きさは20~30cm程度.ただし縮小条虫がヒトに寄生した場合は70cmほどになります.

 サナダムシの大きさは寄生する相手の大きさによってずいぶん変ります.たとえば大複殖門条虫(ダイフクショクモンジョウチュウ)は最大10m,虫の体幅は2cmほどという巨大なサナダムシです.しかし,これは人に寄生したときの大きさ.

 この虫がクジラに寄生したときは,うろ憶えの数字ですが,長さ20m,体幅5cmほど(めちゃくちゃアバウトな数字です,ごめんなさい).とにかく超巨大な大きさになります.

最新の画像もっと見る

コメントを投稿