虫メガネの延長という感覚で気軽に使える実体顕微鏡と違って,普通の顕微鏡はいろいろ面倒だ.たとえばミドリムシを顕微鏡で観察したければ,まずミドリムシのいる水を1滴,スライドグラスの上に置く.次にカバーグラスをかける.そのスライドグラスを顕微鏡のステージに置く.
これでミドリムシが見れるかというと,なかなかそうでもない.視野の中にたまたまミドリムシがいれば良いけれど,それは滅多にないこと.観察者はスライドグラスを少しずつ動かして,虫を探さねばならない.カバーグラスを1辺18mmの正方形とすると,ミドリムシはこの正方形の中のどこにいても不思議でない.つまり虫がいる可能性のあるエリアは18mm × 18mm という広さだ.
このエリアをもっと狭めることができれば,そのぶん虫を探す手間は減る.そのための1つの工夫がハンギングドロップという方法だ.下の写真は筆者が用いているハンギングドロップの道具立てである.
写真の中で,1はスライドグラス.3はカバーグラスだ.ピンボケ写真でごめんなさい.
ポイントは2だ.これは外径18mmのプラスチック管を3mmの長さに切ったもの.つまりスライドグラス(1)の上にプラスチック管(2)を載せる.その上にカバーグラス(3)を載せる.
もう少し説明しよう.ミドリムシの入った液をピペットでごく少量取って,カバーグラスの上にチョンと付ける.するとカバーグラスの上に小さな水滴が置かれた状態になる.
そのカバーグラスを,「えいっ」とひっくり返す.つまり上下を反対にする.そして2の上に置く.するとカバーグラスの下面に,虫の入った水滴がぶら下がった格好になる.これがハンギングドロップという名の由来です.
注意を1つ.水滴は小さいほど良い.極端な話,水滴全体が顕微鏡の1視野に納まれば,観察者はもう虫を探す必要はない.視野内の必ずどこかにミドリムシがいる.もちろん水滴自体がミドリムシを含んでいれば,の話です.
もう少し改良することもできる.
ハンギングドロップ法ではスライドグラス,プラスチック管,カバーグラスという3つの「壁」で囲まれた「部屋」があって,その天井から水滴がぶら下がっている状態になっている.管の内側に微量の水を入れておくと,「部屋」の内部では湿った状態が保たれて,ミドリムシの水滴が多少とも長持ちするだろう.
管の上下面にワセリンを塗っておけば,保湿性はさらに高まる.これは管やカバーグラスを粘着物で固定することにもなるので,その方がいろいろ好都合かもしれない.
子供に見せたい時は,カバーグラスで怪我をする可能性を考えておかねばならない.「プラ板(ばん)」というものを100円の店で売っているので,それをハサミでカバーグラスの大きさに切って代用させると良い.プラ板は選べるようなら,できるだけ薄いものが良い.カバーグラスの薄さに近いほうが画質も多分よくなる.
これでミドリムシが見れるかというと,なかなかそうでもない.視野の中にたまたまミドリムシがいれば良いけれど,それは滅多にないこと.観察者はスライドグラスを少しずつ動かして,虫を探さねばならない.カバーグラスを1辺18mmの正方形とすると,ミドリムシはこの正方形の中のどこにいても不思議でない.つまり虫がいる可能性のあるエリアは18mm × 18mm という広さだ.
このエリアをもっと狭めることができれば,そのぶん虫を探す手間は減る.そのための1つの工夫がハンギングドロップという方法だ.下の写真は筆者が用いているハンギングドロップの道具立てである.
写真の中で,1はスライドグラス.3はカバーグラスだ.ピンボケ写真でごめんなさい.
ポイントは2だ.これは外径18mmのプラスチック管を3mmの長さに切ったもの.つまりスライドグラス(1)の上にプラスチック管(2)を載せる.その上にカバーグラス(3)を載せる.
もう少し説明しよう.ミドリムシの入った液をピペットでごく少量取って,カバーグラスの上にチョンと付ける.するとカバーグラスの上に小さな水滴が置かれた状態になる.
そのカバーグラスを,「えいっ」とひっくり返す.つまり上下を反対にする.そして2の上に置く.するとカバーグラスの下面に,虫の入った水滴がぶら下がった格好になる.これがハンギングドロップという名の由来です.
注意を1つ.水滴は小さいほど良い.極端な話,水滴全体が顕微鏡の1視野に納まれば,観察者はもう虫を探す必要はない.視野内の必ずどこかにミドリムシがいる.もちろん水滴自体がミドリムシを含んでいれば,の話です.
もう少し改良することもできる.
ハンギングドロップ法ではスライドグラス,プラスチック管,カバーグラスという3つの「壁」で囲まれた「部屋」があって,その天井から水滴がぶら下がっている状態になっている.管の内側に微量の水を入れておくと,「部屋」の内部では湿った状態が保たれて,ミドリムシの水滴が多少とも長持ちするだろう.
管の上下面にワセリンを塗っておけば,保湿性はさらに高まる.これは管やカバーグラスを粘着物で固定することにもなるので,その方がいろいろ好都合かもしれない.
子供に見せたい時は,カバーグラスで怪我をする可能性を考えておかねばならない.「プラ板(ばん)」というものを100円の店で売っているので,それをハサミでカバーグラスの大きさに切って代用させると良い.プラ板は選べるようなら,できるだけ薄いものが良い.カバーグラスの薄さに近いほうが画質も多分よくなる.