ネイチャーサロン by こうちフィールドミュージアム協会

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青少年のための科学の祭典

2011-12-05 14:21:24 | 日記
 「青少年のための科学の祭典,第14回高知大会」が開かれた.会場は高知大学(高知市朝倉)の体育館.

 開催の趣旨とか主催者等については,よく知らない.ホームページ
http://www.geocities.jp/ysf_kochi/
を作っているのは「高知大会実行委員会」で,実行委員には高知大学教育学部の先生,学生,それに県内各地の小中学校や高校の先生方が名を連ねている.また「子どもゆめ基金(独立行政法人国立青少年教育振興機構)の助成金の交付を受けて」実施すると書かれている.いっぽう高知大学のホームページ
http://www.kochi-u.ac.jp/JA/event/111128kagaku.htm
によると,この大会の主催者は,「科学の祭典」高知大会実行委員会と(財)日本科学技術振興財団・科学技術館,となっている.
 どうやら全国的な活動のようだ.「青少年のための科学の祭典」というホームページ
http://www.kagakunosaiten.jp/
もあり,その連絡先は「公益財団法人日本科学技術振興財団」である.
 最近このテのいかがわしい(?)団体が,増えた気がする.

 それはともかくとして.
 「H23年度第14回高知大会」は2011年12月4日(日)に実施された.全部で38のブースが並んだ.展示は朝9.30から夕方4.00まで.
 私たちのブースでは水生昆虫(生きたもの,プラスチック包埋標本)と「小さな生物」を展示した.後者については顕微鏡での展示としてアメーバとボルボックス準備していたが,ボルボックスの調子が悪く,はやばやと展示を打ち切った.顕微鏡が1つ空いたので家屋内のホコリに住むダニ(ヒョウヒダニ)のプレパラートをセットしておいた.アメーバにもダニにも,けっこう興味を示す人(おとな)がいた.子供の反応は今ひとつ.
 実体顕微鏡ではプラナリアとカニムシ,それにカイミジンコを見せた.ほかにミジンコ,ゾウリムシ,ラッパムシを用意してあったが,非常に興味を示した数人に見せただけ.
 乾燥標本ではシラミ(アタマジラミ)に関心を示す人が多かった.マダニやノミも,意外に好評.
 「星の砂」は相変わらずの人気.「アメーバのような生物の死骸ですよ」と説明している.
 以下は私が感じた問題点.

1.年齢の低い子供は「ピント合わせ」の概念を理解できない.まず実体顕微鏡の使い方に慣れてもらう必要がある.生きた展示品は面白いけれど,相手がすぐ視野から移動してしまうので,小さな子供には操作が難しすぎる.「星の砂」などの動かない展示品をまず見てもらうこと.

2.実体顕微鏡をたくさん出しておくと収拾がつかなくなることがある.実体顕微鏡を最初からたくさん出さないで,最初は1台か2台にして,場合により必要に応じて台数を増やすようにしたほうが良い.

3.解説,能書きを,もっと重視すべき.展示品を限定し,しっかり解説することが必要.

4.実体顕微鏡(自分で操作して欲しい)と顕微鏡(手を触れて欲しくない)とを分けるべき.1つのテーブル上に並べるのでなく,別の場所に置く.テーブルをL字型に配置するのは名案.

5.子供の身長や座高に配慮した展示が必要.小さな子供には踏み台が必要.

 さまざまな事を考えさせられ,多くの課題を残した「祭典」だった.