ネイチャーサロン by こうちフィールドミュージアム協会

 自然をより深く知ることの楽しさを,お茶会のような雰囲気で語り合いましょう.

手軽に顕微鏡写真

2010-03-16 10:54:41 | 日記
 顕微鏡写真というと,特殊な装置を顕微鏡に付けて撮影するのが普通です.しかし最近は顕微鏡のレンズにデジカメを当てて撮影するという荒ワザを駆使できる人がふえている.画質は悪いので,プロ向きではない.しかしデジカメ1つで顕微鏡写真が撮れるというのは魅力です.

 たとえば,
 海の無脊椎動物を愛好/研究しようという「うみうしくらぶ」というのがあります.
http://www.rimi.or.jp/
 海岸で観察採集会を開いたり,採集した動物を持ち帰って顕微鏡で観察したりという,愛好家の集まりです.このメンバーは上記の荒ワザで顕微鏡写真もバシャバシャ撮ります.

 そういうわけで,私も手元のデジカメでやってみました.使った顕微鏡は「レイマーの実体顕微鏡」
http://www.wraymer.com/stereo/tw100/tw100.html
です.
 送料込みで11,000円という超お手軽な実体顕微鏡.拡大倍率は20倍です.

 倍率20倍というと,ニコンの「ファーブル」という実体顕微鏡と同じです.ただ「ファーブル」は値段がもっと高いのと,光源が豆電球なので電池の消耗が早い.しかも特殊な電池を使っていて,この値段が馬鹿にならない.けっこう高くつくランニングコストが悩みの種になります.
 一方「レイマー顕微鏡」は光源がLEDで,電池はふつうの単3.電池代が安いうえ,そもそも電池を変えた記憶がないほど長持ちする.ランニングコストでは絶対に「レイマー顕微鏡」に軍配があがります.

 その「レイマー顕微鏡」の接眼レンズに手元のデジカメを押し当てて撮影します.淡水産の原生動物である「ラッパムシ」を撮ってみたんだけど,さてどうでしょう?
 ラッパムシは光線の具合により赤紫色に見えたり,青緑色に見えたりします.レイマー顕微鏡は光を上から当てる構造になっていますが,白っぽい背景で写しているせいか,虫は青緑色に写っています.単細胞のくせに筋肉のようなものを持っていて,振動を与えるとギュッと縮んでしまいます.そっと静置しておくと次第に伸びてきます.
 写真では,トランペットのように長く伸びた個体が見えます.背景が黄色いのは,そこにビニルテープを貼ってあるからです.

 倍率20倍というのは,ラッパムシを実体顕微鏡で直接見るには適切な倍率ですが,写真にすると小さいですね.しかし,この写真でも「ラッパムシがいる」ことぐらいは分ります.もう少し試行錯誤してみる価値はありそうです.
 このシステムでうまく行くようなら,それこそ超廉価に誰でも顕微鏡撮影ができます.もう少し工夫して,「超入門!デジカメ顕微鏡写真」みたいな説明会でも開いてみるか...