神社の参道などで,歩く先を誘導してくれるように飛び立っては降りる虫.ミチオシエとかミチシルベなどと呼ばれることもあるそうです.正式?の名前はハンミョウ(斑猫).他の昆虫を捕えて食べる,じつは怖い虫です.
紛らわしい名前に注意.
ツチハンミョウとかマメハンミョウは「げんせい」の仲間で,ミチオシエとは全く違う昆虫です.
ちょっと脱線(雑談です)
高知県は「げんせい」の産地として有名です.正式の名前はヒラズゲンセイ(またはトサヒラズゲンセイ)で,幼虫はクマバチの巣に住んでいます.ツチハンミョウやマメハンミョウも,幼虫はハチの巣に住んでいます.ファーブルはこの仲間の昆虫にたいへん興味をもち,「昆虫記」の中でその生活をくわしく紹介しています.
今ここで紹介するのはツチハンミョウとかではなくて, ミチオシエのほうのハンミョウです.
幼虫をつかまえよう
ハンミョウ (ミチオシエ)の幼虫は,畑の通路など人が踏み固めた土に,直径5ミリ程度の穴を掘って,その中に住んでいます. 通りかかる虫をつかまえて,穴に引きずり込んで食べます.
昔の子供は,その穴にニラの葉を差し込んで,噛み付いた幼虫を 釣って遊んだそうです.そのためハンミョウの幼虫は「ニラ虫」と呼ばれていました.
というわけで, 1.ニラ虫の穴を見つけること, 2.ニラ虫をつかまえること,という2つの課題にチャレンジしてみましょう.
チャレンジ1. ニラ虫の穴を見つけよう.
ハンミョウの成虫を見つけたら,ひょっとしたら近くにニラ虫の 穴があるかもしれません.穴は1つだけポツンとあるのではなく,注意して探すと,そこら一帯にたくさんあります.静かに観察してい ると,やがて穴の表面近くにニラ虫が出て来るので,穴がふさがって見えます.
または穴にニラの葉をつっこんでおくと,ニラ虫は葉にかみついたり押し出そうとします.だからニラの葉がゆれます.
チャレンジ2. ニラ虫をつかまえよう.
ニラ虫がニラに噛み付いたとき,タイミングよく引き出すと,ニラ虫が「釣れる」ことがあります.これは,なかなか難しい.
このニラ虫釣りをやってみましょう.
これがニラ虫だ
幼虫を飼ってみよう
容器は細くて背の高いガラスびんが良いでしょう.実験室の試験管で飼っている人もいます. 土の深さを約10cmにすることにして,その上に十分なスペースがあると完璧です.ニラ虫は逃げませんが,餌が逃げ出さないように,上面をアルミフォイルなどで軽く蓋をしおくと良いでしょう.
次に,園芸用の「赤玉土」を, 二重にしたポリ袋の中に入れて, 足で踏んで細かい粉にします.粉になった土を容器に入れて,軽く押し固めてから,霧吹きで湿らせておきます.土は固いほうが良い, とアドバイスしている本もあります.
準備が整ったら,ニラ虫を1匹だけ入れてみましょう. 容器が大きい場合でも, ニラ虫どうしで殺し合いをするので,虫を入れすぎないよう注意しましょう.
何を食べるかな?
餌は何が良いでしょうか.ホームページなどを参考にしながら, いろいろ試してみましょう. まず手近なところで,ためしにアリを与えてみましょう.
参考になる本やホームページ
ハンミョウの世界: にらむしのすみか
http://homepage2.nifty.com/hanmyou/index.htm
虫の飼い方全書(東陽出版)
蛇足.
寒天を使ってみる
この項を書くために,実際にニラ虫を自分で飼い始めました.1つ試していることがあります.それは土の代わりに寒天を使うことです. 径24mmの試験管(かなり大きい)に,熱湯に溶かした寒天(通常の2倍ほどの濃度)を深さ10cmほどまで流し込みます.熱いのが冷めたら寒天は固まりますが,すぐ使用しないで,そのまま1日放置します.水分を少し蒸発させるためです.
次に,細かい粉にした赤玉土を,固まった寒天の上に2cmほど載せます.必要なら水を少し垂らして湿気を補います.そしてニラ虫を1匹だけ土の上に置きます.
ニラ虫は土に穴を堀り,さらに掘って寒天の中にトンネルを造ります.
今そのようにしてニラ虫を飼っています.餌はアリを与えています.寒天を使うことのメリットは,トンネル内にいるニラ虫を見られることです.ただ,寒天の中にいるニラ虫は,近くを通る人影に反応するので,試験管にアルミフォイルを巻いて,見たいときだけフォイルをはずすことにしています.
もしこの方法で蛹化や羽化まで観察できるようなら,絶対お勧めの方法です.どこまで行けるか,いま実験中です.
紛らわしい名前に注意.
ツチハンミョウとかマメハンミョウは「げんせい」の仲間で,ミチオシエとは全く違う昆虫です.
ちょっと脱線(雑談です)
高知県は「げんせい」の産地として有名です.正式の名前はヒラズゲンセイ(またはトサヒラズゲンセイ)で,幼虫はクマバチの巣に住んでいます.ツチハンミョウやマメハンミョウも,幼虫はハチの巣に住んでいます.ファーブルはこの仲間の昆虫にたいへん興味をもち,「昆虫記」の中でその生活をくわしく紹介しています.
今ここで紹介するのはツチハンミョウとかではなくて, ミチオシエのほうのハンミョウです.
幼虫をつかまえよう
ハンミョウ (ミチオシエ)の幼虫は,畑の通路など人が踏み固めた土に,直径5ミリ程度の穴を掘って,その中に住んでいます. 通りかかる虫をつかまえて,穴に引きずり込んで食べます.
昔の子供は,その穴にニラの葉を差し込んで,噛み付いた幼虫を 釣って遊んだそうです.そのためハンミョウの幼虫は「ニラ虫」と呼ばれていました.
というわけで, 1.ニラ虫の穴を見つけること, 2.ニラ虫をつかまえること,という2つの課題にチャレンジしてみましょう.
チャレンジ1. ニラ虫の穴を見つけよう.
ハンミョウの成虫を見つけたら,ひょっとしたら近くにニラ虫の 穴があるかもしれません.穴は1つだけポツンとあるのではなく,注意して探すと,そこら一帯にたくさんあります.静かに観察してい ると,やがて穴の表面近くにニラ虫が出て来るので,穴がふさがって見えます.
または穴にニラの葉をつっこんでおくと,ニラ虫は葉にかみついたり押し出そうとします.だからニラの葉がゆれます.
チャレンジ2. ニラ虫をつかまえよう.
ニラ虫がニラに噛み付いたとき,タイミングよく引き出すと,ニラ虫が「釣れる」ことがあります.これは,なかなか難しい.
このニラ虫釣りをやってみましょう.
これがニラ虫だ
幼虫を飼ってみよう
容器は細くて背の高いガラスびんが良いでしょう.実験室の試験管で飼っている人もいます. 土の深さを約10cmにすることにして,その上に十分なスペースがあると完璧です.ニラ虫は逃げませんが,餌が逃げ出さないように,上面をアルミフォイルなどで軽く蓋をしおくと良いでしょう.
次に,園芸用の「赤玉土」を, 二重にしたポリ袋の中に入れて, 足で踏んで細かい粉にします.粉になった土を容器に入れて,軽く押し固めてから,霧吹きで湿らせておきます.土は固いほうが良い, とアドバイスしている本もあります.
準備が整ったら,ニラ虫を1匹だけ入れてみましょう. 容器が大きい場合でも, ニラ虫どうしで殺し合いをするので,虫を入れすぎないよう注意しましょう.
何を食べるかな?
餌は何が良いでしょうか.ホームページなどを参考にしながら, いろいろ試してみましょう. まず手近なところで,ためしにアリを与えてみましょう.
参考になる本やホームページ
ハンミョウの世界: にらむしのすみか
http://homepage2.nifty.com/hanmyou/index.htm
虫の飼い方全書(東陽出版)
蛇足.
寒天を使ってみる
この項を書くために,実際にニラ虫を自分で飼い始めました.1つ試していることがあります.それは土の代わりに寒天を使うことです. 径24mmの試験管(かなり大きい)に,熱湯に溶かした寒天(通常の2倍ほどの濃度)を深さ10cmほどまで流し込みます.熱いのが冷めたら寒天は固まりますが,すぐ使用しないで,そのまま1日放置します.水分を少し蒸発させるためです.
次に,細かい粉にした赤玉土を,固まった寒天の上に2cmほど載せます.必要なら水を少し垂らして湿気を補います.そしてニラ虫を1匹だけ土の上に置きます.
ニラ虫は土に穴を堀り,さらに掘って寒天の中にトンネルを造ります.
今そのようにしてニラ虫を飼っています.餌はアリを与えています.寒天を使うことのメリットは,トンネル内にいるニラ虫を見られることです.ただ,寒天の中にいるニラ虫は,近くを通る人影に反応するので,試験管にアルミフォイルを巻いて,見たいときだけフォイルをはずすことにしています.
もしこの方法で蛹化や羽化まで観察できるようなら,絶対お勧めの方法です.どこまで行けるか,いま実験中です.