ネイチャーサロン by こうちフィールドミュージアム協会

 自然をより深く知ることの楽しさを,お茶会のような雰囲気で語り合いましょう.

シンポジウム「高知の自然の情報を記録する」(つづき)

2010-10-25 14:20:01 | 日記
 当日の進行は次の通り.

12:30      受付開始
13:00      開会,あいさつ.
13:05~14:35  講演
 川田伸一郎(国立科学博物館)「標本を残す意義」
 西澤真樹子(なにわホネホネ団)「標本づくりで広がるネットワーク」
 上田恭一郎(北九州市いのちのたび博物館)「市民活動がささえる博物館」

14:35~14:55  休憩と標本見学

14:55~ 第2部 討論 テーマ「地域に標本を残す意義」
 コーディネーター:  町田吉彦(高知大学,高知に科学館をつくる会)
 パネリスト: 川田伸一郎,西澤真樹子,上田恭一郎,
        坂本 彰,谷地森秀二,
        池 康晴(高知県教育次長).

  14:55~15:15 第1部講演内容についての質疑応答.

  15:15~15:55 高知の現状報告
    坂本 彰(元高知県植物誌編集委員)
      「植物園と県民が共同で作った植物誌」
    町田吉彦・谷地森秀二(四国自然史科学研究センター)
      「NPO法人が行う博物館的活動」

  15:55~17:00  意見交換

17:00~17:30 お知らせ
  瀬沼 健(高知県教育委員会)「全国生涯学習フォーラム」
  坂本世津夫(高知大学)「高知大学公海講座」
  岩井雅夫(高知大学)「高知大学サイエンスギャラリー」
1730~17:40  閉会あいさつ,閉会.

シンポジウム「高知の自然の情報を記録する」

2010-10-25 14:18:22 | 日記


 シンポジウム「高知の自然の情報を記録する」
http://www.kochi-u.ac.jp/~wwwlife/2010/sympo.html
が次の通り開催された.

 開催日:平成22年10月24日(日) 午後1時~午後5時40分
 開催場所:高知大学メディアホール(高知市曙町 朝倉キャンパス 図書館6F)

 開催趣旨:

 高知県には自然史科学の広範な分野を対象とした県立自然史博物館がありません。そのため、高知県の財産ともいうべき郷土の自然に関する貴重な資料 が消失・散逸したり、県外や国外に流出したりしています。高知県産の標本を収集・保存・調査研究し、その成果を一般に公開することは本県の自然環境の保全 を語るう えできわめて重要で、かねてからそれらに相応しい場の必要性が指摘されていました。さらに、その活動を支える「人材の育成」と「施設の整備」は、長年の課 題となっています。

 この度、高知大学では「パラタクソノミスト養成講座 -自然の記録を残す人をつくる-」と題して、学術標本・サンプルを正しく 同定し整理する能力を有し、かつ専門家の活動をサポートするパラタクソノミスト(準分類学者)の養成を、秋の公開講座として開講します。本シンポジウムは そのプレイベントとして企画されました 。

 本シンポジウムでは、高知県内外から生物標本にかかわる活動を展開している方を講演者としてお招きし、 まずは標本を作製し、保存する意義を紹介していただきます。次に、専門家と市民が協力して標本を作製・保管・蓄積し、生涯学習に活用している3団体の活動 をそれぞれ紹介いただきます。その後、「地域に標本を残す意義 」と題して、講演者の方々にパネリストになっていただき、会場の皆さんと意見交換を行います。
 本シンポジウムおよび公開講座にご参加いただき、高知県の自然に関する理解を深め、その記録を後世に伝えていく活動にご協力、ご参加いただける方が一人でも多くなることを期待します。

顕微鏡を選ぶ

2010-10-14 21:55:42 | 日記
 「小さな生物」展示会は,NPOのイベントなどの会場でテーブル等を借りて店開きする.実体顕微鏡や顕微鏡で「小さな生物」を見せるだけの作業だけれど,それなりに好評であるように思う.そこで今回は,こういう時に使う顕微鏡について書いてみる.学校の教室で使う顕微鏡とは少し違う使い方なので,求められる属性も少し違ってくる.

 まず実体顕微鏡.
 前回の記事「エコテント終了」に書いたように,現在はレイマーの実体顕微鏡とニコンの「ファーブル」を併用しているが,ファーブルはイベントがまだ終わらないうちに必ず電池切れになってしまうのが頭痛のタネである.いっぽう,レイマーの実体顕微鏡
http://www.wraymer.com/stereo/tw100/tw100.html
は廉価で,ランニングコストがゼロに近く,軽量である.拡大率が固定(20倍)という制限はあるが,一般的にミクロ生物を見せるには非常に有用である.実体顕微鏡のほうは,これでほぼ決まりと言ってよい.

 しかし,たとえばアメーバやボルボックスを見せるには,100~200倍の拡大率が欲しい.となると実体顕微鏡ではなく,顕微鏡が必要となる.
 倍率について言うと,接眼レンズは10倍とすると,対物レンズは10倍だけでなく20倍のレンズも欲しい.また,できれば4倍程度の低倍率レンズも欲しい.一方,40倍の対物レンズは不要である.
 使い方としては,出張展示で,たとえば野外にテーブルをポンと置いて見せるような使い方なので,持ち運びが容易で,誰でも使いこなせるものが良い.そこで,こういう展示の仕方に適合した顕微鏡を求めることになる.いま現実に私の身辺で利用できる顕微鏡の中で,最も使い勝手の良いものは,ヤガミの顕微鏡である(写真).
 ヤガミのホームページ
http://www.yagami-inc.co.jp/view/science/pickup/yjlm
を見ると,YJ-400という機種が,ほぼこれに相当するようである.




 まず鏡筒(1)である.学校の教室などでは双眼のものが一般的であるが,じつは双眼のものは全くのシロウトには使いづらい.「目の間隔を調節する」という操作ができないのだ.できたとしても,左右の目の視度が人によって違う.多くの人に見せるという目的からすれば,双眼の顕微鏡は,メリットよりはデメリットのほうが大きい.双眼の場合,そのぶん顕微鏡の重量も大きくなる.
 重量といえば,顕微鏡を現地に持ち込むわけだから,持ち運びに便利なほうが良い.「軽さ」は顕微鏡を選ぶ際の、重要なチェックポイントになる.ヤガミの顕微鏡は,この点でも合格である.

 次にステージ(2)である.この顕微鏡には残念ながらメカニカルステージが付いていない.ヤガミのホームページを見ると,メカニカルステージはオプションで購入できるらしい.しかし写真の顕微鏡は借り物なので,今はメカニカルステージなしで使用している.
 私の目的には対物レンズ40倍などという倍率は不要であるが,せっかく40倍(つまり総合400倍の拡大率)が使えるのなら,メカニカルステージは必須のアイテムと言ってよい.メカニカルステージなしで400倍の顕微鏡となると,その利用範囲は非常に限られたものになってしまう.

 もう1つのチェックポイントは光源(3)である.9Vの乾電池で LED を光らせている.これは非常に有難い.電池式なのでコードが付いていない.コードがないのだから,野外でのイベントなどで電源を気にする必要がない.それに LED なので電池の消耗が少ない.それに9Vの電池は100円均一の店で売っている.


 ついでにレイマー社の顕微鏡
http://www.wraymer.com/bio/ex1000/ex1000.html
についても書いておこう.
 私はこの顕微鏡は実物を見たことがない.だからホームページを見ての判断であるが,かなり良さそうな気がする.もう一度,チェックポイントを列記してみると:

- 双眼ではなく単眼であること.
- メカニカルステージが付いていること.
- 対物レンズとしてX20と,できればX4も付いていること.
- 光源は LED で,廉価な乾電池を使えること.
- 軽くて持ち運びに便利であること.

 これらの要求を,(全てではないが)ほぼ満たしているように思う.何よりもレイマーの顕微鏡は,とびきり廉価である.ただし実際に使ったことがないのだから,これ以上は書けません.