緑色のボールがぐるぐる回って動きまわります.虫メガネでも見えますが,やはり顕微鏡にかけて40倍から100倍ぐらいに拡大率で見ると面白いでしょう.ボルボックスを一目見て大ファンになってしまう人もけっこういます.
そのボルボックスを,たとえば学校の理科室とか,さらに一般家庭とかで飼ってみようという話です.
何だか面白くなさそうな話だな,と思うかもしれません.じつは私も最近になって思いついたことです.近所の小学生にミジンコや原生動物を見せてあげることがあるのですが,中には「家に持って帰って飼いたい」という子供がいるのです.最近の小学校は顕微鏡とかの設備が充実しているし,家庭で買えるような廉価な顕微鏡や実体顕微鏡もあります.それにバクテリアと違って,ミジンコもボルボックスも,虫メガネで十分見れる大きさです.
小さな生物を飼う,というと,たとえばヨーグルトを自宅で作っている家庭もあるのでないでしょうか.あれはバクテリアなので,虫メガネでは見れません.しかしヨーグルトを作ることは,つまりバクテリアを「飼う」ことです.その作業によって,バクテリアと「対話」することになります.
そういうような「飼育」をもっと経験して欲しいと私は思っています.「生物多様性」が話題になっていますが,生物の世界は目に見える世界だけではないこと.人々が考えるよりも,生物はずっとずっと多様なのだということを,もっと多くの人に知って欲しいのです.
さて,
伝統的な分類でいうと,ボルボックスは「緑藻類」です.動物というより植物に,より似た生物です.これが飼育にもヒントになります.
ボルボックスの飼い方は,おおざっぱに言うと次のようになります.
1.適当な容器を用意する.
2.メネデールをミネラルウォーターで200倍に希釈して入れる.
3.土の煮汁を入れる.
4.ボルボックスを入れる.
5.光の当たる場所に静置する.
まず,1.容器 ですが,光を通すよう透明な材質であること.また容器の少なくとも上のほうは,あまり口径が大きくないのが望ましい.
なぜ口径かというと,ボルボックスは容器の上のほうに集まります.それを横から虫メガネで見ることで,泳ぎ回るボルボックスを観察できます.大きすぎる容器では,ピントの関係で,容器の器壁近くにいるボルボックスしか観察できません.
次に,2.メネデール です.
メネデールは「化学肥料」です.適当に希釈した液を,植えた植物にかけると「芽」や「根」が出るという主旨で,「メネデール」という名前で売り出しているのでしょう.何とあきれたネーミング!ですが,製造元は小林製薬でも久光でもないらしい.
このメネデールは液体で市販されていて,日曜大工の店とかで入手できます.それをミネラルウォーターで200倍に薄めます.
ミネラルウォーターは通常のものならどれでも良いようです.「六甲の水」とか「四万十の水」とか,いろいろ出ています.
水道水は日によってコンディションが変わるし,けっこうバクテリアが繁殖し易いので,お勧めしません.蒸留水は一見良さそうですが,むしろ混じり物があるほうが飼育に適していることが多いので,やはりお奨めしません.
次に3.土の煮汁 ですが,長くなるので次回にしましょう.
そのボルボックスを,たとえば学校の理科室とか,さらに一般家庭とかで飼ってみようという話です.
何だか面白くなさそうな話だな,と思うかもしれません.じつは私も最近になって思いついたことです.近所の小学生にミジンコや原生動物を見せてあげることがあるのですが,中には「家に持って帰って飼いたい」という子供がいるのです.最近の小学校は顕微鏡とかの設備が充実しているし,家庭で買えるような廉価な顕微鏡や実体顕微鏡もあります.それにバクテリアと違って,ミジンコもボルボックスも,虫メガネで十分見れる大きさです.
小さな生物を飼う,というと,たとえばヨーグルトを自宅で作っている家庭もあるのでないでしょうか.あれはバクテリアなので,虫メガネでは見れません.しかしヨーグルトを作ることは,つまりバクテリアを「飼う」ことです.その作業によって,バクテリアと「対話」することになります.
そういうような「飼育」をもっと経験して欲しいと私は思っています.「生物多様性」が話題になっていますが,生物の世界は目に見える世界だけではないこと.人々が考えるよりも,生物はずっとずっと多様なのだということを,もっと多くの人に知って欲しいのです.
さて,
伝統的な分類でいうと,ボルボックスは「緑藻類」です.動物というより植物に,より似た生物です.これが飼育にもヒントになります.
ボルボックスの飼い方は,おおざっぱに言うと次のようになります.
1.適当な容器を用意する.
2.メネデールをミネラルウォーターで200倍に希釈して入れる.
3.土の煮汁を入れる.
4.ボルボックスを入れる.
5.光の当たる場所に静置する.
まず,1.容器 ですが,光を通すよう透明な材質であること.また容器の少なくとも上のほうは,あまり口径が大きくないのが望ましい.
なぜ口径かというと,ボルボックスは容器の上のほうに集まります.それを横から虫メガネで見ることで,泳ぎ回るボルボックスを観察できます.大きすぎる容器では,ピントの関係で,容器の器壁近くにいるボルボックスしか観察できません.
次に,2.メネデール です.
メネデールは「化学肥料」です.適当に希釈した液を,植えた植物にかけると「芽」や「根」が出るという主旨で,「メネデール」という名前で売り出しているのでしょう.何とあきれたネーミング!ですが,製造元は小林製薬でも久光でもないらしい.
このメネデールは液体で市販されていて,日曜大工の店とかで入手できます.それをミネラルウォーターで200倍に薄めます.
ミネラルウォーターは通常のものならどれでも良いようです.「六甲の水」とか「四万十の水」とか,いろいろ出ています.
水道水は日によってコンディションが変わるし,けっこうバクテリアが繁殖し易いので,お勧めしません.蒸留水は一見良さそうですが,むしろ混じり物があるほうが飼育に適していることが多いので,やはりお奨めしません.
次に3.土の煮汁 ですが,長くなるので次回にしましょう.