武の道へのこころざし

大道塾の横須賀・湘南支部の責任者が、日々の活動に関する出来事や想いを綴っていきます。

関東地区大会の講評

2019年10月07日 | 大会記録


今回の試合の講評です。

なるべく簡潔にまとめるつもりですが、いつも通り長い文章になってしまった場合はご容赦ください。



秋の関東地区予選。

全国大会に繋がる関東予選として、ジュニアクラスと一般部、女子部の試合が行われた。

支部からの出場選手は、

U19男子が1名、U19女子が1名。

U16男子が3名、U16女子が1名。

U13男子が4名、U13女子が1名。

ジュニア選手が中心で、合計11名です。



U19男子選手は、他の支部からのU19のエントリーが一人もおらず、一般部の無差別ブロックへ編入されることに。。。

現在の一般部の無差別大会は、体重制限のないトーナメントですが、中量や軽量の選手も活躍が出来る様、大まかに軽量から中量の各クラスのブロックに分かれており、最終的に決勝ブロックで各クラスの勝者が戦うという内容になっています。

そのため、U19軽量級でエントリーした選手は、一般無差別の軽量ブロックに編入することに。

初戦、現在6段の浦和支部長と対戦。

この支部長さんは、50代後半の年齢でありながらも、とても長く現役選手としても活躍されている、かなりのベテラン選手であり、過去には全国大会での活躍を含め、十分な実績を有している方です。

指導力にも定評があり、これまでに全国や世界大会でも活躍をされる選手を多く輩出しており、永くその実力を維持しながらも組織の普及に尽力をされている方です。

初戦からとても重い対戦となりましたが、実に名誉な事でもあり、本人にとってとても良い経験になったと思います。

結果的に延長にもつれ込みましたが、やや強引な攻撃で疲れが出たところに、対戦相手の落ち着いた対応に判定負けという結果に終わりました。

高校生になってから初めての試合という事もあり、やや硬さが目立ちましたが、十分に動けたことで今後に繋がる良い経験になったことと思われます。




さて、次はU19女子の部。

このクラスも非常に対戦相手が少なく、5月に行われた東京神奈川大会と同じ対戦相手とのワンマッチとなる。

相手は強豪揃いの、新潟県、長岡支部の選手。

先の東京神奈川大会に続き、今回も勝利することが出来ました。

相手は小柄な体躯ながら、とてもガッツのある選手です。

この相手選手は、フットワークと間合いのとり方を学び、後は、技の精度をもう少し上げていくことが出来れば、もう少しレベルアップしていく事が出来そうです。

気持ちの強さは、何にも勝る大きな武器になることでしょう。

支部の選手は、前回以上に良い戦いが出来ていましたが、細かい点を挙げればまだまだ戦い方に工夫が出来るはず。

今回よかったのは、出鼻でのタイミングの良い前蹴りと、相手が下がったところに間髪を入れず、いいタイミングで連打を仕掛けられたところ。

そして組む際の相手の抑え方(組み方)が良かった点。

但し、間合いに応じての膝蹴りや左右への崩し、投げへの連携など、まだまだ課題も多いです。

たゆまぬ努力を望みます。



U16男子の重いクラスにエントリーした一人は、リーグ戦2勝1敗。

2勝はある意味で完勝でしたが、それでも課題は多数。

いいタイミングでいい技が出せていない。

対応方法の選択がまだまだ悪い。

いいところもたくさんあったが、本人にはまだまだ辛口で行きたいところ。

負けた試合は、経験のない攻防の流れに慌ててしまった様子。

中盤以降はある程度対応ができるようになっていたが、最初の一発目で、穴(自分の苦手な部分)を見せてはいけない。

経験を増やすことで、色々な対応方法に適応できるようにはなりますが、この技量差であれば、本番の攻防の中ですぐに適応してもらいたいところ。

この辺りは未知の対応に対する緊張感をもう少し高める必要があるかも。

それでも今大会、とてもよく頑張りました。



U16男子で準優勝した選手は、2戦を勝ち抜き、決勝戦で上段蹴りによるポイントを連取され敗退。

決勝戦後半の集中力の差は、稽古量の差と気持ちの差。

より強度の高い稽古を積めば、問題なく対応できそうではあるが、この辺りも経験の差。

対戦相手は総本部の現役の若い無差別王者の選手が指導している事もあり、実力は折り紙付き。

技量的にはほぼ互角で、あと一歩の部分は、今後の稽古の成果もありますが、何よりも本人のその場の気持ち次第というところもあり。

対戦相手は、ハートがとても強かった。

次の機会があれば、勝てるように頑張ろう!



もう一人のU16選手は、初戦は完勝。

とてもいい勝ち方で、ほぼ文句なしの完勝。

それでもいくつか課題があるので、そのあたりは今後の稽古で補っていきます。

2試合目は優勝した総本部の選手。

後半に上段の蹴りを連取され、実力差があったようにも見られるが、実は技量の差はあまりなく、その辺は一緒に稽古をすれば分かると思われる。

違いはハートの強さと、試合後半のスタミナと根性の差と思われる。

最後の攻防を除けば、大きな体格差をはねのけて、これだけの攻防ができるのは素晴らしい!

しかしその差を埋めていきたい。

せめて、大きな体格差があったとしても、ポイント差を開けられないレベルまでは伸ばしていきたい。

今後の可能性は大きいと感じている。



U13女子は、こちらも選手層の薄い女子のクラスという事もあり、U19と同じく、東京神奈川大会と同じ対戦となる。

ほぼ完勝。

寝技の攻防も、大きな技量差を感じるほどの完勝だが、相手の気持ちの強さには目を見張るものがあり。

U19の対戦相手と同じく、他支部ながらも応援したい気持ちで見守っている選手である。


課題としては、打撃をもう少しきれいにまとめたい。

間合いのとり方に工夫が欲しい。

もう少しスマートに省エネで無駄なく戦えなければ、大きなトーナメントになると勝ち上がるのが難しくなるため、技の選択、動きの無駄をなくしていきたい。

しかし完勝は完勝。よく頑張りました。




U13選手の男子最重量級と二番手の体格の選手は、実は階級が異なりますが、最軽量のクラス以外はエントリーが一人ずつとなっており、中量と重量の階級の二人が対戦することに。

二人とも、横須賀支部と湘南支部の同胞対決となる。

最終的に重量級の湘南支部の選手が勝利したものの、この中学生並みにパワーアップした攻撃をしのいだ横須賀支部の中量クラスの選手の頑張りが目に付いた試合であった。

よく耐え抜きましたね。

真っすぐ後ろに下がらずに、上手く回り込みながらも、良く戦っていたと思います。

重量級の選手も、数年前までは補強運動の馬飛びで失敗して涙を流していた鈍さのある、運動の苦手そうな子でしたが、以前に一度、支部の審査会での厳しい組み合せの対戦を乗り越えたことで、気持ちの成長が大きく感じられるようになりました。

この子、何よりも気持ちが真っすぐで、指導者のとの信頼関係が成り立っている様子が見られることが最大の武器だと感じています。

ある意味とても素直で馬鹿正直なところのある子ですが、この純粋さに、辻堂所属の少々荒っぽい子供たちにもまれてきたことから、逞しさが育まれてきたとも感じており、多少騒がしいいながらも、和気あいあいとしたこのクラスの子供達の、仲間の良い影響が得られていると感じています。

本人には、周りの仲間への感謝の気持ちを持って、今後の稽古に取り組んでもらいたいところ。

さて軽量クラスに出場した久里浜の選手は、初めての大会参加でありながら、とてもガッツがあり、リーグ戦二敗とはいえ、二試合ともにとても良い戦いで、今のレベルで見れば、全く問題はありません。

技がバランスよく出ており、防御態勢も良く、あえて負けた原因を言えば、前に出る圧力のされたことであり、この辺りは稽古の中でいくらでもカバーできます。技の攻防として、間合いのとり方や技の幅広さは、ほとんど負けていないどころか相手よりもうまく立ち回っています。

将来に期待です。

ちなみにこの子のお兄ちゃん、R君は現在、専門学校生で、元久里浜の少年部出身の子です。

大会では弟のサポポートをしっかりとしれくれていました。

道場を離れた後でも、こうして協力してくれている事に感謝!



さてもう一人のU13選手は、湘南支部の辻堂から参戦。

力強さに欠けるが、実はなかなかに技量が高く、体力とパワーがあればかなり活躍出来そうだと期待している一人でもあります。

稽古に参加も積極的で、弟の参加する幼年部から一緒に参加していて、稽古指導にも協力的。

いかんせん試合ではパワーと不足が目立ち、技の無い相手に押されることもしばしば。

結果的にリーグ戦二試合ともに判定負けでしたが、判定はきわどい内容。

2試合目の判定は、割れた副審の判定のところで、主審をしていた私が相手に旗を揚げて残念ながら敗退となりました。



ギリギリの判定で負けた場合、どうしてもその悔しさから、判定に不満を持つこともありますが、判定に文句をつけるのは、ある意味で本人の心の弱さに繋がります。

しっかりとポイントを稼げていれば、勝利は間違いありません。

ポイントを得られなければ審判員に判定を委ねるのが競技の鉄則であり、審判員の判定に満足できず、自身の判断から判定に不満を持ってしまうのは、競技というものに臨む姿勢としては、あまりに拙い対応といえます。

私も過去に僅差の判定で勝つ場合もあれば負ける場合もありました。

私は負けの判定に不満を持つことはありませんでしたが、僅差の判定で勝った時、相手の不満の表れに、困惑したことが多々あります。

古い話になりますが、全国大会の決勝戦で負けた相手が、判定を聞いた直後に、手に持っていたマスクを床にたたきつけて怒りを爆発させたことがありました。海外の選手で、”潔さ” という日本の価値観が伝わっていなかったのかもしれません。

僅差の判定で私に負けた相手が、仲間の前で「俺は負けてない!」と大きな声で不満をぶちまける様子は見ていて気持ちの良いものではなく、対戦相手に対しても失礼な態度なのだと、その時に感じたものです。

強い気持ちを持って次のステップに向けてがんばって行きましょう!



最後にU13女子の選手です。

長岡とお茶の水の長身の対戦相手を迎え、小柄な横須賀支部の選手も善戦していました。

何よりも心の優しい彼女、もう少し逞しくなっていく必要がありますが、日々の頑張りはしっかりと見ています。

細かい一つ一つン技術を、しっかりと伸ばしていけるよう頑張って行きましょう。

幸いに男子でも女子でも、優しく面倒見のいい技量の高い先輩たちが揃っています。

上達するのも時間の問題。

但し気持ちを緩めるとよい事はありません。

稽古では厳しい気持ちでがんばって行きましょう。




今回、他支部を含めとてもいい大会になったと思います。

関東大会もジュニアクラスの技量が上がっています。


北海道や東北、中部、関西や九州など、ジュニアクラスは地方が気を吐いている大道塾ですが、関東地区からも、全国に通用するジュニア選手が増える事を願っています。

出場した稽古生の皆さん、保護者の皆さん、スタッフの方々、大変お疲れ様でした。


何時も大会スタッフで応援に来ていただいている一般部の方々、心より感謝いたします。






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