武の道へのこころざし

大道塾の横須賀・湘南支部の責任者が、日々の活動に関する出来事や想いを綴っていきます。

全国大会の結果報告

2022年06月01日 | 大会記録
5月30日の日曜日に、東京の代々木第二体育館にて大道塾の全国大会が開催されました。

北斗旗選手権と名付けられている一般部の大会と、シニアクラスの大会の同時開催となります。

今大会に一般部の軽量級に1名、シニアクラスに3名の選手が出場しましたが、残念ながらシニアの1名を除いてみな、一回戦敗退となりました。


では早速、試合の様子に移ります。

一般部の軽量級の部に出場した大西選手は、昨年の全国大会で初出場にして準優勝を飾っています。

その為、大西選手は、このクラスで7連覇を目指す絶対王者の新潟県長岡市の目黒選手に挑む最右翼と目されると、大会パンフレットに紹介がなされていました。

しかし今大会で準優勝に輝いた、元ムエタイ選手であり、現在北海道の札幌西支部でトレーナーを務めるソムチャイ・ヌエナー選手に判定で敗れました。

この選手は紹介文によると、地元タイのルンピニーでプロのキックボクサーとして70戦、またプロボクサーとしての実績もある、いわゆるプロ格闘家の選手です。

タイの名門ルンピニーのムエタイのリングで70戦の試合を行い59勝しているという事で、かなりの実力者だという事がうかがえます。

道着を着用し、投げ技や寝技を含む大道塾では、競技ルールの違いはありますが、大道塾の道場でトレーナーをしているだけのことはあり、組技にもかなり適応できており、総合的な実力があり、惜しくも判定負けとなりました。

反省点としては、

一つ一つの打撃の強度を増すこと。

対戦相手に応じた色々な戦い方ができるよう、戦い方の幅を広げる事。

着衣の道着を用いた、細かい技術を学ぶこと。

などでしょうか。

もう一つ上げるとすれば、戦いに向けた「執念」。

相手にはこの執念がとても強くあったように感じます。

逆に言えば、年齢からくるところもありますが、相手にも弱点がないわけではありません。

戦い方がムエタイスタイルの型にはまっており、決勝戦では強さを感じるというよりは、トリッキーな動きで、勘の良さを感じさせてくれる目黒選手のような、フェイントやセオリーにない攻撃には十分に反応できないばかりか、度々同じフェイントに乗せられてしまっていました。

優勝した選手は、大会本番でとっさに相手の動きに合わせて、様々なフェイント動作が本能的に出せるのは、さすがに連覇を重ねる選手だと感じましたが、その決勝に上がった二人のほぼ近くまで来ている大西選手には、大いに期待したいと感じています。

1回戦の対戦相手は42歳のプロ格闘家で、横須賀支部の大西選手は20歳の大学生の選手。

そしてこの階級で優勝して7連覇を達成した目黒選手は、現在29歳。

この選手が初優勝をしたのは22歳頃になると思いますので、大西選手が次代を担う一人になる可能性は十分にあります。

ぜひ頑張ってもらいたいです。



さて、二人目は、シニア重量級の部に出場した太田選手。

優勝を狙うにはまだまだ実力的な厚みが不足していると感じていた部分もありますが、最近とみに実力が向上して、大きく変わってきている自分自身に気づいてもいると思いますが、本当に上手く、強くなってきています。

しかし結果は、1回戦で打撃による効果2を取られて敗退。

その対戦相手は、その後に決勝まで進み、決勝戦で手技の打撃により、KO勝利を収めましたので、とても強い選手だったと思います。

対戦相手の経歴を見ると、極真空手を10年ほど学び弐段位を持っている選手で、その後、大道塾に入門して、都内の支部の、著名な指導者の下で稽古を積んでいる選手です。

しかし、太田選手はその強豪選手と見事に打撃戦の打ち合いに臨み、打ち合いで突破口を見いだせなかった相手選手が組技の崩しに展開するという攻防で、総合力での敗退という印象でした。

突進して立ち向かっていく気迫は十分なものがありましたが、普段の稽古の中で見られるスウェーなどの間合いの取り方、頭の振り方による防御や受け返しなどがしっかりととれていれば、より効果的な打撃で、勝利に結びついた可能性があると感じました。

しかし、総合力では相手選手の方が実力がある事が見て取れましたので、一つ一つの技術向上に努め、より実力を向上させるための稽古を積み重ねていただきたいと考えています。

しかし、なかなかいい勝負でしたね。

この選手に勝てれば優勝に結びつけれる可能性が見えていただけに、残念ではありましたが、今回の試合は、とても良い経験になったのではないかと思います。



さて次の試合は、一番重いシニアクラスの試合に出場した小林選手です。

追浜所属の小林選手は、大道塾に入門してから、試合を数多く重ねている稽古生です。

多団体での経験が長く、勝負度胸は見事なもので、全国大会で会ってお、試合ではほとんど緊張はしないとの事です。

稽古の時の動きはまだまだ不十分なところもありますが、試合の場での冷静さと時々に見せる気迫が素晴らしく、過去にも数多くの賞を得ている選手です。

前回のシニア全国大会では準優勝に輝いているだけに、今回も期待を背負っての戦いとなりました。

今回のシニアの全国大会は、とても細かく階級分けがなされており、今回も最重量級のクラスとなりましたが、区分けされたグループの人数が4名のみとなり、表彰されるのは優勝者の1名のみ。

同じ階級の他の3名は、全員、対戦経験があるとの事で、何とか対策は取れそうな様子ではありましたが、初戦を突破した後の決勝戦で、圧力のある相手の連打に苦しめられ、十分に攻めきれずに、この試合で敗戦となり、入賞することができませんでした。

反省点としては、試合の中で使える技の幅を増やすことと、攻めるためのパターンを増やすこと、決め技となる技の数を増やすことなど、技術的な課題が多く残る試合となりましたが、今大会の中で、支部の選手としては唯一の勝利を得る事ができたのは、やはりこの人、小林さんでした。

今後の技術力アップが課題ですが、まだまだノリシロが多いと感じられますので、自分の武器となる技に磨きをかけられるよう、頑張っていただきたいと思います。


さて次の紹介は小山選手。

今回はシニアの軽軽量級という最軽量のクラスに区分されています。

1回戦の対戦相手に腕ひしぎ十字固めを決められて、敗退となりました。

前半の打撃はある程度、手数が出ていましたが、相手は冷静にさばいて返しを入れ、組投げからポジションを確保し、腕ひしぎ十字固めまで、セオリー通りの攻撃に屈しました。

小山さんは日本拳法の黒帯をお持ちで、直線的な攻撃の強さ、体幹の強さ、勝負度胸には良いものがありますが、稽古の中でもご本人も感じられていると思いますが、まだまだ課題は多いです。

今回の試合では、以前の試合よりもよく動けており、間合いもある程度とれており、相手の打撃もある程度は見る事ができる様になっています。

反応もよくできるようになってきていますが、より反応速度を上げる事、反撃パターンを増やすこと、相手の攻撃にカウンターを合わせられるだけの、相手の動きに合わせる体の使い方を覚えることが大切です。

また苦手な打撃から組技への連携、特に投げ技や寝技の基礎的な技量をアップされることが必要です。

それでも、過去に全国で3度の優勝経験を持ち、今回で4度目の優勝となる、キャリア17年、弐段のベテランの選手を相手に、大道塾経験3年で5級の小山さんが戦ったことを考えると、内容的に十分だったように感じます。

ちなみに今回の小山さんのブロックは、他の三名とも年齢は比較的近いものの、全員弐段位で、それぞれ27年、25年、17年のベテラン揃い。

ここ2,3年で、そのあたりの選手に食いついていけるように、頑張っていきましょう!


支部の選手の方々の紹介は以上です。


その他、今大会で感じたことは、また別の記事で紹介します。

出場した選手、セコンドの方々、応援に来ていただいた方々、また関係者の皆さま、大変お疲れ様でした。





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