会場は岩手大学総合教育棟でした。しかしその会場は3分の1ほどの人数でしか埋まらず早くも福島原発事故の風化が進んでいる現状にがく然としました。
演題1
岩手県における食品の放射能汚染の状況
岩手県農林水産部農林水産企画室高橋明雄
岩手県内で採れる農畜産物、海産物の多くをサンプル検査をしている状況の説明がありました。
調査した品目は現状ではほぼ基準値以下にありそれが個別に、すべてに対応ができているわけでは無いがその状況を理解して欲しいと話されていました。
放射能汚染が疑われるのは山菜、熊肉、いわななどでやはりその汚染の広がりは懸念されていることのようであります。
演題2
食品中の放射能物質の基準を理解しよう
放射線医学総合研究所放射線防護研究センター田上恵子
基準値の変更は緊急避難的な対策から将来を見据えた基準見直しになり基準を超える現在は汚染された食品の流通は無いようです。
小麦などの輸入品が多いのが幸いしてかえって放射能汚染された食品を口に入れる事が少ない皮肉な現状があるようです。
演題3
人体に及ぼす低線量放射線の影響
福島県立大学医学部放射線健康管理学座長 教授大津留晶
核実験の時代に撒きちらされ放射能汚染の深刻さと比べると原発事故の中心地福島県を除くとさほど心配が無いようです。
福島の現状は長い期間、経過観察して行く必要はあるが最近の観察からは、福島県民が特にひどい放射能汚染にさらされてはいないようで安心しました。
地域により海外や西日本の方が元々放射線が高い地域あり外部、内部の影響が特段の健康被害をもたらしてはいない現状があるようです。
チェルノブイリとの比較では初期に汚染した食べ物を規制したので深刻な被害に広がらなかったようです。
健康被害のリスクは通常社会でも例えば喫煙、飲酒でも高まり放射能汚染のリスクが特段高いとは言えないようです。
自分なり思うところは福島原発事故前には戻れないのであれば今後は脱原発を推し進めて行く方向が正しいと思えます。
現状についても現在流通している食品は安全、安心と信じ食べて行くしかないようです。
今回の講師に総じて言えるのは結果は時間が経たなけれわからないと言うことでそれと病気のリスクを生活習慣と比較するのは違うような気がします。
例えば喫煙+放射能汚染とではその病気のリスクはさらに高まると考えられ研究者の立場を越えた未来への提言が欲しかったです。