純度の高いうそばなし。
常識的なリアルさがない分、奥底を覗く赤裸々さを感じる。川上弘美の赤裸々。大抵のことは大したことではなくなり、その裏側にある大抵のことを大したことと感じるようになってしまう。
片方のサンダル。
よじ登る。
天辺で四方。
眺めてる。
ほうほう。
景色がいいですなあ。
おいしそうな。
きのこを発見。
あわてろあわてろ。
君たちの言葉で言えば。
時速0,01kmで。
想定外のスピードで。
広大なこの世界を。
旅しているの。
生まれた場所など。
憶えちゃいねえ。
死ぬ場所なんか。
溢れるくらい。
なんて言ってる間にほうら。
片方のサンダル。
よじ降りた。