朝月

北尾トロ 『裁判長！ここは懲役４年でどうすか』

裁判は誰でも傍聴する権利がある。その権利を利用した裁判傍聴レポート。刑事裁判から民事裁判そして簡易裁判まで。
単純に面白そうと思って読んでみたが、読んでいくうちになんだか違和感を感じ胸くそ悪くなってきました。他人の人生や生活を興味本位で覗き見ることの違和感と、被告人と傍聴人の間に明らかな壁があることの違和感。結局裁判なんてものは人が人を裁くのだから、公正さなんて望むべくもない幻想だと思います。法律も裁判もこの社会を維持する上で仕方なく機能しているものだということをどこかで思っていたいと考えています。じゃないと人が決めた法律というものに支配されている気がしてなんだか嫌なのです。自然物に支配され右往左往することは喜んで受け入れますが、人工物に支配されるのは何となく抵抗感があります。まあただの変なこだわりです。

アクリル画 ペンギン ０３

詩４６７「細道」

細い道には魔力がある。
惹き付け放さぬ力がある。
歩いているとお墓に出合う。
カメの墓。
魚の墓。
猫の墓。
人の墓。
保身を考え手を合わせる。
振り返れず四つ角曲がれず。
ただ前にのみ進む。
突き当たれば曲がろう。
と思いつつ進み早１０年。
続く。続く。
どこまでも続く。
太い道の魔力は枯れ。
細く道はますます長く。
ますます細く。
どこまでも続く。