暗がりに安心する

星野道夫 『ＧＯＭＢＥ』

アフリカ、タンガニーカ湖畔、チンパンジー保護区、ゴンベを訪れた星野道夫。ジェーン・グドールに会うために。ジェーン・グドールを介したアフリカに会うために。写真と文章が同等の価値を持って収まる素晴らしい写真集です。
アフリカに来てもやはり星野道夫は星野道夫だった。
（有限なものになってゆく世界の中で）「誰かと出合い、その人間を好きになった時、風景は初めて広がりと深さを持つのかもしれない。」
「風景を眺めているようで、多くの場合、私たちは自分自身をも含めた誰かを思い出しているのではないか。」
「旅のスリルとは、思わぬ出来事が起こることではなく、何でもない一瞬一瞬の中にあるのかもしれない。」

油彩さー１

詩４０３「蠍の夢」

あなたの体温でぬくもった。
布団に身を埋め。
あなたの息を感じながら。
眠ることがどれほどの。
恍惚か想像さえもできないけれど。
夢にみるくらいは。
赦してくれますか。
あなたを咬みません。
あなたを刺しません。
毒なんか使いません。
もし叶うなら起きたとき。
打ち殺されてもかまいません。
不恰好な魂で。
不恰好な骨格で。
不恰好な想いなど。
不恰好に抱えています。