福島県双葉郡楢葉町立楢葉中学校「絆プロジェクト」ホームページ

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『人を助けるすんごい仕組み』~ふんばろう東日本~

2012-03-30 11:36:22 | 楢葉中・絆project
みなさんはこの本をご存じでしょうか?

『人を助けるすんごい仕組み』

この本を読んだ糸井重里さんが「岩をも動かす理屈はある。」と絶賛。

早稲田大学大学院の西條剛央(さいじょうたけお)先生が
東日本大震災の惨状を見て、何か自分にできることはないかと考え
これまでの支援の形にとらわれない、新しい発想と行動力により
日本最大級の復興支援組織『ふんばろう東日本支援プロジェクト』をつくるドキュメントです。
 

それまではボランティア活動の経験もなかった大学院の先生が
わずか短期間で日本最大級の復興支援組織を作ってしまったのです。

その急速かつ効果的な支援活動の広がりにより
岩手県や宮城県はもちろん、この福島県にも多大なる支援物資が届きました。

震災後、私達が手にした食料品や日用品、電化製品の中には、ほぼまちがいなく西條先生のプロジェクトによる物資が含まれていると思います。
2012年1月時点で3000カ所以上の避難所、仮設住宅等に、15万5000品目に及ぶ物資を支援。
またアマゾンの「ほしい物リスト」を援用して2万4000個以上の支援を実現。
さらには、個人避難宅をはじめ2万5000世帯上に家電を送っています・・・。


最初はたった1人です。

たった1人の発想と行動が、何万人もの人の生活を支え、時には命を救ったのです。

たった1人ですよ・・・。

『人を助けるすんごい仕組み』

どんな仕組みなのでしょう・・・。

行政や日本赤十字社からの支援、義援金も多大なものがありますが
組織が大きかったり複雑になることで・・・
『支援したい人』と『支援を求めている人』の間に『ズレ』が生じるという弱点があります。

例えば、文房具が必要でも、届くのはトイレットペーパーであったり、鉛筆ばかり1000本とか・・・
ある地区では食料が大量に届き、そのほとんどが賞味期限を過ぎて処分されているにもかかわらず
隣町の避難所ではパンと煮干しだけで1週間を過ごしていたり・・・
ひどい場合は、『義援金』がうまく振り分けられずに返されてしまったなど・・・
昨年の今頃も、身近でそのような『支援のズレ』は多く起こっていました。

西條先生の『ふんばろう東日本支援プロジェクト』は他の支援活動システムとは明らかに違います。
支援スピードと支援内容の精度が群を抜いています。

この支援システムの1番のポイントは・・・
システムの根底に、人間の血が通っているということ。

西條先生自身が、自ら被災地を巡り、現地の方々の言葉に耳を傾け、被害の状況を肌で感じ、目に焼き付け、その手で確かめられています。
 
その西條先生の姿に共感し、活動に共鳴された方々が手をつないでいく。
始めは点だった支援が、手と手を取り合うことで線になっていく。

支援者の中には、芸能界で活躍するGacktさんや、作家の宮本亜門さんを始め多数の著名人の方も・・・
1人の思い、そして創造力が、数千人を動かし、数十万人の支援につながる。
  
そして日本最大級の復興支援組織『ふんばろう東日本支援プロジェクト』が誕生します。

みなさん、ぜひこの本を読んで下さい。

全国のみなさまに助けていただいた福島県だからこそ
『誰』がどのような思いで被災地支援をして下さっているのかを、私達は知る必要があります。

なぜなら、『誰か』に親切にされたら、みんな「ありがとう」を言うでしょ。

この震災で、私達の身を案じて親切にして下さった全国のみなさま方。
その親切にして下さった『誰か』に直接「ありがとう」を言うことはできなくても・・・
その『誰か』の存在が確かにあることを認識し、感謝の気持ちを馳せることは誰にでもできる。

その『誰か』を「知ろう」とも「感じよう」ともしなければ・・・
支援物資ももらってあたりまえ、親切にされて当然・・・のゆがんだ感覚が芽生えてしまいます。

その支援には明らかに『誰か』の『思い』が込められていて

私達への『思い』をもつ『誰か』が行動し、ふんばって下さってその支援があります。


逆に私達も常に『誰か』を『思う』ことで行動につながったり、ふんばったりできるからです。

だから私達は知る必要があるのです。

『人を助けるすんごい仕組み』


この本を読み・・・・
西條先生の発想力と行動力を知ることで・・・
みなさんがこれからの人生で、この先助けを求める『誰か』に出会ったとき・・・
その『誰か』を助けることができるのは『あなた』になるかもしれません。

さらには、この支援活動から生まれた心の交流が形になった本がこちら。

『忘れない~被災地への手紙・被災地からの手紙~』

こちらも、胸が熱くなる内容です。

これらの本の印税は、全額東日本大震災の復興支援活動に寄付されます。
さらには、『チャリティーブックプロジェクト』と題し被災地の希望のあった学校に、1クラス1冊ずつ贈呈されます。

4月から開校になる楢葉中学校にはこれから本が届く予定です。順番に読んで下さいね。
もし皆さんが転校した学校の学級にこの本が献本されていたなら、ぜひ読んで下さい。

または、お小遣いで購入してでも、この春休みや新学期の朝の読書タイムでぜひ読んで欲しい・・・

きっとみなさんの将来にわたり、力になってくれる本になると思います。

m.watanabe


『卒業を祝う会』へメッセージfrom阿部先生&アカデミー4期生

2012-03-30 10:46:54 | 楢葉中・絆project
楢葉中学校を卒業された皆さんへ

長い長い冬がようやく終わりを告げようと、全国各地から桜の開花の知らせを耳にする季節となりましたが、皆さんいかがお過ごしですか。

本日楢葉中学校の卒業を祝う会のご案内をいただき、大変うれしく、皆さんとの再会を楽しみにしていましたが、所用のため参加できなくなってしまいとても残念でなりません。
平成21年度楢葉町立楢葉中学校に入学されたみなさん、卒業おめでとうございます。昨年の3月11日以来、本当に長く、つらい時間を過ごされてきた皆さんにとって、中学校の卒業とはどんなものなのでしょうか。
楢葉中学校を離れて1年後、まさかこんな事が起こるとは想像もできませんでした。皆さんや皆さんの家族、楢葉町の皆さんの安否を知ろうと先生方に毎日電話をかけ続けました。しかし、今考えれば、その電話でさえ避難され不安な生活をされていた方々にとって大変迷惑だったのではないかと反省していますし、安否を知ったところで何もできないもどかしさに苦しさを感じた日々でした。
そのような苦しさの中でも、皆さんは多くの方々に支えられてきたという感謝の気持ちを持って、自分の進路に向けて努力を継続してきたことは、本当に素晴らしく、大変価値のある事だと思います。先生方が毎日更新してくださった楢葉中学校のブログを毎日拝見し、それぞれがおかれた状況の中で一生懸命頑張っている姿、目標の進路をかなえた喜びを目にし、困難な状況を克服し、力強く生きていこうとする人間の意志とはこんなにも人を強くし、成長させてくれるものなのかと改めて感じさせていただきました。
私は震災よりも前から「生きること」について考えていましたが、この1年ほど考えた日々はありませんでした。田中修斗君が弁論大会で述べた一文に「今、確かにここにいることの責任をしっかり受けとめ、これからも生き続ける。」という言葉がありました。今、生きていること、生かされていることには理由があり、その責任を果たすということは、今を精一杯生きることなのだろうと私も思います。楢葉中学校の卒業生も十分その責任を果たしているのではないかと思います。
楢葉中学校の卒業は、皆さんにとっての新たな出発だと思います。皆さんがこの3年間で考えてきた自分の将来、楢葉町の将来、日本の将来、出会った方々は皆さんにとって宝物です。これからも自分と出会いを大切にし、将来の日本を背負って立つ立派な人間に成長してください。
また会える日を楽しみにしています。さようなら。

平成24年3月25日
平成21年度1年3組担任 阿部 仁


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楢葉中のみなさんお久しぶりです。
今回は都合があわなくアカデミー生一同は『卒業を祝う会』に参加できなかった事を残念に思います。
私達は静岡県御殿場市立富士岡中学校で3月19日に卒業を迎えました。
皆さんも卒業式が終わり新たなステージの準備をしていると思います。
高校生に進学する人や就職する人など様々な進路になると思います。
私達は福島県立富岡高校に籍を起きながら、静岡県三島長陵高校に入学します。
静岡県で、サッカーと勉強を両立できるように頑張りたいと思います。
楢葉の皆さんも、いろいろな困難が待っているかもしれませんが、お互い頑張りましょう。
卒業、おめでとうございます。


JFAアカデミー4期生
水谷有希 森沙也加 守屋都弥 鳴海若菜 小島美玖 平尾知佳


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m.watanabe

『卒業を祝う会』

2012-03-30 06:52:59 | 楢葉中・絆project
3月24日(日)いわき明星大学の地域交流館をお借りして
『楢葉町立楢葉中学校 卒業を祝う会』が行われました。

82名の卒業生のうち、65名が集まったこの会。
長崎から参加の波戸さんや、大阪から参加の横田君などをはじめ、この日のために泊まりがけで参加してくれた人もいます。
すでに進学先の諸活動や準備により欠席の卒業生もいるため全員集合とまでは行きませんでしたが
沢山の友人と久しぶりの再会を果たし、会場には笑顔の花が咲き誇りました。

最初に、旧2学年PTA副委員長の坂本芳江さんから開会の言葉が。

続いて、この会の発起人でもあり、これまでも楢葉中学校の学校教育に多大なご尽力をいただいた加藤大蔵さんから、保護者代表のあいさつをいただきました。

続いて、矢内校長先生のお話。
『人の一生が85年として、人生を24時間にたとえるなら、君たちは朝の4時を迎えた頃になる。大変な1年間を過ごしたが、これからが本番だ。ぜひ頑張って欲しい』
と激励の言葉。
話しを聞く皆さんの目は、1年前の楢葉中学校の頃そのままの、真っ直ぐで力強い眼差しでした。


続いて旧学級役員からの代表発表。

旧2年1組委員長 田中修斗君
『皆さん、それぞれの学校で立派な卒業式を迎えたことと思います。しかし、楢葉中の卒業生となれなかったことはとても残念な気持ちだったと思います。でも新たな学校での経験で誰もが心身ともに成長したと思います。これからの高校生活で互いの活躍を期待しましょう』


旧2年2組副委員長 磐城伸子
『今年度は、時間が経つのがとても早く感じられました。それだけ色々なことがあり、様々な経験をしたのだと思います。・・・高校は義務ではなく自分の意思で行くところ。今まで以上に頑張らなければいけません。自分を信じて頑張りましょう。』


旧2年3組委員長 松本啓君
『今回の震災で失ったものも多かったけど、気づかされたことや得たものも多かった。みんなが
力を合わせれば絶対に以前よりも素晴らしい楢葉町に復興できるはず。僕の夢は、教員になり復興した楢葉町で子供たちの力になることです。』


転校生活での辛い経験、高校生活への決意、自分や楢葉町の未来へ向けた抱負などをそれぞれの言葉でしっかり話しをしてくれました。
また、3人の発表からは『祝う会』が開催されたことへの関係者への感謝の気持ちや、母校愛を感じる言葉が綴られていました。

続いて『後輩から贈る言葉』として、いわきで生活する2人の後輩から

松本莉奈さんからは
ゆずり葉祭での先輩の活躍から感じた先輩の力・・・
部活動で先輩から受けた技術指導や心構えの大切さにより成長できたこと・・・
などについてふれ
2つの母校で出会った仲間との絆を大切にされ、高校でもご活躍下さい・・・
と締めくくられました。


松本巽君の贈る言葉には
震災がなければ、今頃新校舎で先輩方を送り出していたと思うと残念・・・
職場体験の立派な発表から、自分も先輩方のような上級生になりたいと思ったこと・・・
野球部では先輩達とがむしゃらに取り組んで、リーグ優勝や新人戦県大会出場をつかみ「努力は嘘をつかない」と学んだこと・・・
が綴られていました。


そして学級ごとの写真撮影(クリックで大きな写真が見られます)
旧2年1組

旧2年2組

旧2年3組


続いて全員で「旅立ちの日に」「楢葉中学校校歌」を合唱。
卒業生の歌声に、涙する保護者の方や先生達も・・・


最後に、本来であれば楢葉中学校の生徒会長を務める予定であった坂本真美さんから
『卒業生代表お礼の言葉』が述べられました。
坂本さんは、ゆずり葉祭が実現できなかったことについて、最初にすみませんでしたと・・・
みんなの心が楢葉から離れてしまうのがとても不安な1年であったこと・・・
でもこうして集まり、互いの思いや絆を感じることができたこと・・・
そして、困難な状況にもかかわらず自分たち卒業生のためにこの会が開催されたことへの感謝の気持ちが伝えられました。


当日は1年生の頃にお世話になった阿部仁先生からお祝いのメッセージが届き紹介されました。(阿部先生からのメッセージは別ページでアップしています。)


多くの人の思いと、様々な方のご尽力により実現されたこの会。

矢内校長先生がお話してくださいました・・・
何か1つのことを成そうとするとき、その陰には多くの人の思いと苦労がある。
その思いに応えられる人に、その苦労に気がつける人に・・・

それが『感謝』や『絆』という
思いや感情、つながりとなり
形を変え場面を変えながらも
私達や私達の大切な人たちを豊に、幸せにしていくのだと思います。

この『卒業を祝う会』がそのような新たなつながり、希望を生み出すものになったと言えるようなそんな素晴らしい未来をみんなで創っていきましょう。


m.watanabe