お久しぶりです。
JFAアカデミー福島一期生の田口ひかりです。
進路は筑波大学体育専門学群に決まりました。
楢葉中学校の皆さんへ
震災の影響により、住み慣れた家、通い慣れた学校、毎日顔を合わせていた友達など、多くのものを手放して生活するのは、とても大変ですし、寂しさを感じることもあると思います。
しかしこの震災で気づけたこと、出会えた人、得たものもあると思います。
これらのものを大切にして、とにかく私達は前に進んでいくことが大切だと思います。
また楢葉町に戻れることを信じ、お互いに頑張っていきましょう!!
楢葉町のみなさんへ
私達アカデミーは、震災後、楢葉町を離れ静岡県で寮生活をはじめました。
アカデミーでサッカーを続けることはもう無理かもしれない、と思っていたので、活動再開が決まった時は、また大好きなサッカーを続けられることをとても喜びました。
しかし一方で迷いもありました。
楢葉町の方々は自分の家を離れ大変な思いをしているのに
私たちだけサッカーをしてていいのか、
サッカーなんてやっている場合ではないのだろうか、となかなかサッカーに心から打ち込むことができませんでした。
一度は与えられた環境に感謝し、頑張っていこうと決心したものの、やはりなかなか心から打ち込めない日々が続きました。
そんなとき、楢葉町の役場に行くことになりました。
楢葉町の方々にお会いできるのはとても嬉しかったのですが
福島を離れた私には皆さんに合わせる顔がなく、後ろめたい気持ちでいっぱいでした。
しかし楢葉町役場の方々は私達を軽蔑するわけでも、冷たい目で見るわけでもなく、ただただ無事を喜び歓迎してくださいました。
そして私達に「サッカー頑張るんだよ」と応援してくださいました。
私はこの言葉を聞いて再び決心しました。
私は私のできることをやらなくてはいけない。
サッカーを一生懸命やり、結果を残すことで楢葉にパワーを送るんだ。
と改めて本気で決意しました。
また2月にいわきに行く機会がありました。
その日はとても寒く、外で作業をしていた私は凍えてしまいそうでした。
そんなとき地元のおばあちゃんが大きな鍋を抱え、私を含めた40人全員にすいとんを差し入れてくださったのです。
見ず知らずの人間にも親切に接する温かさ、久々に食べたマミーすいとんの温かさに心と身体がポカポカになり、楢葉町にいたころの思い出が鮮明に浮かび上がりました。
楢葉町の皆さんは自転車で登校している私たちに
元気?と声をかけてくださったり、ホームステイではまるで本当の子供のようにかわいがってくださったりと、
よそから来た私たちを快く迎え入れ、暖かく見守ってくださいました。
親元を離れて生活をする私たちにとってそれがどれだけ支えになったことか。
見ず知らずの人にでも、まるで家族のように接してくださる
皆さんの暖かさ、優しさがあったからこそ今のわたしがいると思っています。
本当に楢葉町の方々にはたくさんのものを与えていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
アカデミーを卒業したからには、これからも夢を諦めず、サッカー活動、勉強に一生懸命取り組み、またお世話になった楢葉町に少しでも恩返しできるように頑張りたいと思います!
田口ひかり(JFAアカデミー1期生)