チャレンジャー・ナオミの日常

小田原市議会議員の佐々木ナオミです。よろしくお願いします。

国民健康保険が大変なことに!!

2010-02-25 | Weblog
3月議会では、今年度最後の補正予算(年度初めの予算の訂正の予算)が審議されました。市税収入は全体で当初に比べ6億円の減。昨年度に比べ、全部で16億7800万円の減額になります。経済が低迷を顕著に表わしています。先日、市側から今後の財政運営についての説明がありましたが、今後も税収の減少は避けられず、厳しい財政運営が予想されていますが、一方で、社会保障費は年3億円程度ずつ増大していくとなっています。
そうした中、なんと国民健康保険の会計が、当初で国、県からの負担金(もらえるお金)を約10億円も見込み間違いをしていたことが分かり、その補てんに、国民健康保険事業運営基金から9500万、一般会計から8億4千万、さらに県からも1億5000万借金をすることになりました。国民健康保険事業は、国、県からの負担金、国民健康保険料、一般会計からの繰入金で運営されています。一般会計からの繰入金は家庭でいうなら親からの援助、基金は自分の貯金というかんじでしょうか。国、県からの負担金は合わせて40%と決まっていますから、自分の稼ぎ(つまり保険料)で足りない分、基金(貯金)を取り崩し、なんと残金はゼロ、(正確には978円)、県からの借金(保険財政自立支援貸付金といいます、正確には)は利子はないとはいえ、限度額まで借りてしまって、今後は全額返さない限り借金はできないわけです。
いったい、どうして、10億も間違えてしまったんでしょうか?何度質問しても、課長はよくわからない答弁を繰り返しました。10億は、仕方がなかったで済まされる金額なのでしょうか?
問題は、来年度からは国民健康保険事業はさらに厳しさを増し、一般会計からの繰り出し金も昨年度より1.5倍も増えているわけで、いったいどこまで増やせるのでしょうか。本来基金や貸付金は、運営が厳しくなった今後にこそ使うべきのもので、これから厳しくなるとわかっているのに、基金もなければ借金もできないのなら、どうするつもりなのでしょうか?
委員会で質問すると、副市長は「保険料の値上げをするしかありません」といとも簡単に答えました。
保険料の値上げは、市民の生活にも大きく影響をします。
自分たちが、10億も間違えておいて、仕方なかったかのような開き直り的な発言、保険料の値上げを簡単に口にするというその神経に、本当に腹が立ちました。
そうはいっても否決しても仕方がないので、賛成するしかないのですが、もっとまじめに、責任を持って仕事をすべきとの意見を述べました。

全国的に、国民健康保険事業は危機的な状況にあります。一般会計からの繰り入れというのは、国民健康保険に加入していない人からの負担金でもあります。そもそも、国民健康保険は、自営業者や高齢者、学生など、低所得者で、医療費がかさむ者同士が負担しあうような制度で、いわゆる大企業や公務員、医師などが独自で行っている共済保険とは、負担感が違うものです。私としては、本来は保険制度の一元化、つまり、どんな職業についていても同じ保険の制度で支えあう、ということが必要だと考えています。市として、安易に値上げをするよりも、制度の一元化を国や県に訴えていってほしいと思います。
とにかく、来年度予算では、国民健康保険料の値上げが確実になるようです。