チャレンジャー・ナオミの日常

小田原市議会議員の佐々木ナオミです。よろしくお願いします。

ヒサンなお産

2006-12-08 | 環境
「母親主体の出産を応援する仕組み」とはなんですか、と言われる。

上の子を産むときは、丸2日間も陣痛をした挙句に帝王切開をしたという、「これだけは避けたい」というお産を経験した。
下の子のときは自然分娩にトライするか、安全をとって帝王切開にするか悩んだ挙句自然分娩にトライして半日陣痛をやって結局帝王切開になった。
2回とも救急車で市立病院に運ばれた。

2人目のときは近所の産婦人科医で生みたかった。上の子も小さいし、自分の親は頼れないし、もし帝王切開でも母乳育児をしたいと思ったからです。
そのころ、市立病院では帝王切開で母乳育児は無理です、と言われたので、市立病院では産みたくなかったのでした。
母乳育児とは、最初から母乳だけで育てることで、とにかく、生まれてからすぐに何度も飲ませ、母乳以外のものを与えないことが大切なので、帝王切開の場合は、起き上がれるまで何度も誰か介助者がおっぱいに赤ちゃんを乗せることが必要になるのです。それが、病院では出来ないということなのです。仕方がないので、早く起き上がれるようにと、ベッドの中で少しずつ体操をしてました。それでも、寝たきりの状態(2日間くらい)のときに会えたのはたった1回でした。

市立病院は、院内感染のために病室への面会は禁止されているので、上の子も、退院するまで赤ちゃんには会えないのでした。そのうえ、帝王切開だとママとも会えない。私の親は預かれないと言うし、向こうの親は来てくれないしで、本当に困りました。パパが仕事の間だけでもママと一緒にいれたらと思うと、とても心細かったと思います。

それから入院中に母乳育児を通すことが、とても大変でした。母乳を飲む前に体重を量って、飲ませて、また量って、それで足りない分はミルクを足せと言う。なんとか糖水でしのいだけれど。母子同室といえども、添い寝をしてはいけないという。そんなで疲れて、余計に母乳は出る気配もない。
極めつけは、「なんとか検査」があって、その検査をしないと退院させない、と小児科医が言った。ところがその検査を受けるにはある程度の飲乳量が必要だから、ミルクを飲ませないと検査が出来ないと言う。「その検査は、しなければなりませんか」と聞くと、その若い女の小児科医は「検査をしないで、あとでお馬鹿ちゃんになっても責任もてないしね」とこともなげに言った。
あまりの、人を人とも思わない扱いに、こんなことを平気で言える人間でも小児科医なんだと、ショックで死ぬほど涙が出た。

それで、とにかくこんなひどい所からは早く退院しなければと思って、ミルクをたくさん飲ませて検査やって太らせてすばやく退院した。そして家に帰ってから、母乳だけの楽しい育児をした。

このことは、市立病院に投書もしましたが、何の回答もありませんでした。
話によると今はこのときよりは改善されているそうです。よかった。

いまは、産婦人科医が少なく、小田原でも産める場所がないと言われています。
その一方で、出産の体験に不満を持っている人の話もたくさん聞きます。
出産は、生命のもと。人が、新しい命を作り出す、奇跡のような素晴らしいもの。
母親になることは、こんな素晴らしいことを始める、ということなのです。

なぜそんな素晴らしいことが、悲しい思い出になってしまうのか。
出産をもっと大事にして欲しいと思うし、母親の気持ちをもっと大事にして欲しい。

どんなお産がしたいですか?

家族に見守られて、のんびりと新しい生命を皆で祝福したい。
そんな偉業を成し遂げた私を皆で褒めて、大事にして欲しい。
子ども達を飽きるまでそばにおいて、欲しがるときに欲しがるだけ母乳を与えたい。

そして、この大事ないとおしい子ども達と、いつまでも平和で安心して暮らしたい。

こんなあたりまえなことを誰もが何の努力もなく、あたりまえにかなえられること。

「母親主体の出産を応援する仕組み」とはつまりこういうことを何とかしたい、ということです。