無題そのさんびゃくよんじゅうさん

引っ越しに伴う、住所変更の手続きに追われている。
今回の引っ越しは、同じ市内の、同じ町内ではあるものの、小さいながらも、一世帯が移動するというのは、それをコミュニティに認識してもらうのは、多少の時間も手間もかかるということだろう。

若い頃は、こうした手続きのノロさというか、面倒臭さが嫌いだった。むろんいまでも好きではないが、個人から家族、家族から地域、地域から自治体、さらに国家と、規模が巨大化していけばいくほど、ちょっとのことでも、煩雑な手続きがいくつも必要になるのだろうと、大まかではあるが、多少の理解はできるようになった……つもりだ。

トップダウンは気持ちがいいが、強引すぎれば歪みを生む。同様に性急すぎても、さまざまな物事を取りこぼす。日本的やり方は、それとは真逆のものだが、細かな目配りは、水をも漏らさぬ完璧さに本来つながるはずだ。最近、そうとも言えない杜撰なニュースをよく目にするが、組織を構築するのは言うまでもなく個人だ。寄りかかることなく、能力を存分に発揮して、もう少しスピードアップも心がけて、頑張ってほしい。

……なんてことを、手続きが終わるまでの二時間あまり考えていた。暇なのも考えものだ。腰が痛いんだから、頼むよホント。