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七理GGウォッチ1/30:①マイナス金利採用の日銀・黒田の下心 実態は為替戦争での円安とバブルへ誘導

2016-01-30 20:47:56 | 日記


【 日銀頼みにせず市場安定へ協議を 日経社説2016/1/30付
 日銀がマイナス金利の導入を決めた。黒田東彦総裁の下で進めてきた異次元の量的・質的金融緩和は、マイナス金利という政策手段を加えて「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」という未踏の領域に入る。
 日本経済が再び物価の持続的な下落であるデフレ局面に戻る事態は避けなければならない。そのための日銀の対応は理解できる。
■政府も改革で応えよ
 しかし、日銀の金融緩和だけで経済を持続的に改善させるのは難しい。政府は成長戦略を加速するとともに、経済の下押し要因となっている金融市場の安定に向け、20カ国・地域(G20)での政策協調の議論を促すべきだ。(GG:それは建前だけのものになりそうだ。為替戦争であることを各国が知っている)
 世界の金融市場は、株価が乱高下を繰り返すなど神経質な動きが続いていた。中国など新興国経済の減速も背景に原油価格は大きく下げ、消費者物価の上昇率はゼロ近辺で推移している。
 そうした中で、日銀は2%の消費者物価上昇率を達成する時期を2016年度後半ごろから、17年度前半ごろに先送りした。
 企業や個人の間でそれほど物価が上がらないとの予想が広がれば、実際の物価も伸び悩むおそれがあった。日銀が先手を打ったのは、春季労使交渉での賃上げを後押しする狙いもあろう。
 異例のマイナス金利は、金融機関が日銀に預け入れている当座預金の一部が対象になる。2月半ばから適用する金利はマイナス0.1%で、日銀は必要に応じてさらに引き下げるという。
 日銀はこれまで通り、長期国債の保有残高を年間で約80兆円増やすペースで資金供給を続ける。期間の短い金利をマイナスにすることで金利全体を押し下げ、物価や景気を押し上げる方針だ。
 一方で、金融機関はマイナス金利という形で事実上の手数料を日銀に払わなければならない。
 マイナス金利はすでに欧州中央銀行(ECB)やスウェーデン、スイスなどで導入されている。域内金融機関の融資を後押しする効果も期待されているが、融資が比較的底堅く伸びている日本でどこまで機能するかは未知数だ。
 金融政策決定会合で政策委員9人のうち4人が反対に回ったのは、その決定の難しさを示している。日銀は金融システム全般への目配りを怠らずに、弾力的に政策を運営してほしい。(GG:リフレターゲティングの旗を降ろせと言えない日経)
 2回にわたる異次元緩和の下で日銀は国債を大量に買い入れ、いまや国債残高全体の3割超を保有している。マイナス金利の導入は資金供給の「量」を増やす政策に限界がある面も示したといえる。
 東京市場ではひとまず株高・円安が進み、長期金利は一時0.1%を下回った。しかし、0%台に低迷している日本経済の潜在成長率を金融政策で上げることはできない。アベノミクスで金融緩和ばかり目立つ状況は好ましくない。
 政府は法人実効税率を着実に引き下げつつ、労働や農業分野などの岩盤規制の改革の手綱を緩めてはならない。内容に問題は残るものの、15年度補正予算を速やかに執行して景気を下支えすることも忘れてはならない。
 世界規模での政策協調も急ぐときだ。ECBのドラギ総裁は追加の金融緩和を示唆している。米連邦準備理事会(FRB)も世界経済や金融市場の動向を注視する姿勢を示し、ゆっくりと利上げを進める方針を強調している。
■G20で政策協調探れ
 日銀によるマイナス金利導入は、金融政策の面から世界経済を下支えする主要中央銀行の対応の一環ととらえることもできる。
 世界的な金融市場の安定に向けた今後のカギは、世界第2位の経済大国となった中国を巻き込むことだ。G20レベルでのグローバルな協調体制づくりにむけた協議が必要となる。
 市場混乱の震源地である中国は、マクロ経済政策のジレンマを抱える。市場との対話がうまくいかず、株安や資金流出を招いた。
 ただ、当局が人民元安を放置すれば資金流出がさらに加速してしまう。一方で人民元安を是正しようと人民元買い介入を続ければ、市場からお金を吸収してしまい金融緩和の効果をそいでしまう。
 市場は不確実性を嫌う。まずは中国当局が今後の資本取引の自由化、人民元の国際化に向けた行程表を示し、G20として必要な支援をしていく方向性を打ち出してはどうか。もちろん国有企業改革なども急いでほしい。
 中国はG20の議長国、日本は主要7カ国(G7)の議長国だ。日中両国には世界経済の安定に向け緊密に協議する責務がある。】
●リフレターゲティングが成功しないのは根本的には市場が喪失しているから、原油は追い打ち
(GG:強烈な見出しだ。金融機関の日銀への不振が現れている。それにしても強烈だ、日銀への失望といらだちが窺える。黒田総裁が1週間前は否定していたことを覆したこともあってか金融政策には何も求めてはいない。デフレ突入回避策を総動員せよという訳だ。日銀のリフレターゲティングが目標達成できないのは根本的には市場が失われているからだ。GGがずっと指摘してきたようにタコが足を食う奇態で凌いだ来たのがタコに体力の減衰が見えるようになってきた。もう一点は原油の低落が追い打ちをかけている。
●物価が上がるのを必要とするのは金融機関を存続、肥大化するため。庶民には関係ない話
なぜ物価は上がらなければいけないか?根本的答えは金融機関の成長に必要だからーーというのがGGの答えだ。必ずしも一般庶民とは利害は一致しない。金利で喰う産業が、金利を払っても事業を拡大したいと願う企業家を唆すためなのだ。一見事業拡大のために、経済成長のために―ーと思うだろうが、よくよく考えてみるなら、事業家は資本が無ければ事業は拡大できない。当然、投資資金を調達することになる。調達資金には金利が掛かり金融機関は潤う。物価が上がるサイクルの中で金融機関は基幹的役割を果たしている。
●金融機関の淘汰が迫られている?
ところがここにきて、雨が降ったからと言って傘を取り上げる金融機関が、日銀から同じ仕打ちにあっている。まさに奇態だ。実相は金融機関の淘汰が迫られているのではないか?庶民にとってもおカネは貯めるものだったが、貯めてもどうにもなりませんと、使ってくれと言われたようなものだ。やはり奇態だ。金融か機能不全に陥っている証拠がマイナス金利だ。カネを預けたらおカネを払うのだから。
●日銀の政策決定会合は分裂も辞さぬ黒田の強気は?
黒田総裁が発表したのは当座預金を2月半ばからマイナス金利にすることだが、政策決定会合では審議委員9人のうち4人が反対した。委員会を二分する数だ。真っ二つに分かれていることは日銀政策決定会合の危機的状況を示している。反対意見はそれによって融資が伸びる見込みがないことも想像したに違いない。当座預金残高が250兆円と大きい事の影響も測りがたいだろう。0金利が―0・1になっても資金需要はそれほど変わらないと予想されるし、日銀の手詰まり感を曝け出すことで信用がガタ落ちになるからだ。金融機関の不評を覚悟に黒田はマイナス金利と言うサプライズに賭けた。
●禁句だが、世界は為替戦争が実態だ
 GGがこれも以前から指摘しているように、現状はリーマンショックから立ち直れず、方向として為替安競争で脱出しようと先進国も中国ももがいている。”為替戦争”と言って良い状況なのが真実だ。しかしそれは禁句で日銀は勿論日経も”カ”の字も言えない。しかし日銀・黒田に下心は有るだろう。円安にして輸出ドライブを掛け、返す刀で輸入物価を引き上げるーーこれこそが一連のバズーカ国債買い入れの狙いではないのか?しかし、国債も残高の3割超を保有するまでになった。これ以上は法的に問題が生じかねないのでこの方向は黄信号が灯っている。
●アメリカはドルを刷って刷って刷りまくり、一国の破綻を日銀とドルを支えている
アカラサマな為替操作はできない。世界が認めない。その領域に各国が入れば、収拾のつかない戦争になりかねず、ドルを刷って刷って刷りまくったアメリカがドル安でドル基軸通貨圏を主導できなくなる。ドルが高くてはじめてアメリカは旗手でいられたのが危うくなる。アメリカ経済そのものが破綻に瀕することになる。そうなると世界経済は混乱の極みだ。もちろん倒産とか和議申請が大手金融機関で発生する懸念も現実となるだろう。全体で為替は禁句にして実質為替安競争を戦うことになる。著名論客は日銀に噛みつけない。打開策を海外に求めるしかない論調に終始する―ーその典型が日経だ。そして、最も重要なことはアメリカの意向だ。
●証券・不動産バブル創出に踏み出した黒田・日銀
円安・ドル高はアメリカの意向でもあるということだ。黒田総裁が1週間前にはマイナス金利を否定しておきながら、一転して変身したこと。政策決定会合を二分する議論になっても強行したことーーが納得出来ない。どうしてもアメリカの影を感じずにはいられない。そして日銀はマイナス金利を拡大する方向を目指している。都市銀行は証券投資や不動産投資せざるを得ない状況に追い込もうとしているのだ。間違いなくバブルが近づいている。いつ破裂するとも分からないバブルが。その領域に日銀は舵を切った。
●日銀は戦後一貫してアメリカの支配下にある
日銀は戦後から一貫してアメリカのドル支配下にあり、政策は逐一アメリカFRBと財務省の承認のもとになされている。日銀のアメリカ支配は『新・マネー敗戦』(岩本沙弓著 文春新書)に詳しい。さて、為替では円安の被害国は何処か?貿易的対抗国は元とウォンだ。元は価格競争力では円に勝っており、ウォンと海外市場で戦う。その韓国がこれまで音無しで、日本の円安を詰らないのは異常だ。
●為替で韓国が詰らないための従軍慰安婦での安倍の”踏み込んだ謝罪”?
GGの全く飛躍した視点だが、安倍の従軍慰安婦での韓国への謝罪は当然として、あまりに踏み込んだ内容に、釈然としないものがあった。安倍にしてはよくもまあ踏み込んだ、という印象が強かった。これは、為替問題に立ち入らないと言う黙契があったのではないか、アメリカが仲に入り円安を認めさせたーーのではないか、と勘繰っているのでゲス。)


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