【主張/リニア新幹線訴訟/安全にも環境にも疑念深まる 2016年5月24日 9時48分 しんぶん赤旗
JR東海が2027年開業をめざし一部で着工しているリニア中央新幹線事業(東京・品川―名古屋)にたいし、700人を超える市民が国に事業の認可取り消しを求める訴訟を先週起こしました。リニア事業の中止を求める裁判は初めてです。自然環境や沿線住民の平穏な生活が壊されることや、大半を地下深く超高速で走行することの安全性や防災対策などについて国民が疑念と不信を抱き続けていることを浮き彫りにしています。JR東海と政府は「建設ありき」の推進姿勢をあらため、国民の声に耳を傾けるべきです。
活断層横切る不安高まり
リニア中央新幹線事業は、JR東海が建設主体となり、27年に品川―名古屋で先行開業させ45年に大阪まで延伸させる計画です。沿線住民などから不安や疑問が出され、環境省も「環境影響は枚挙にいとまがない」と見直しを求める意見書を出しています。国土交通省は14年に事業を認可し、JR東海は品川や名古屋の駅整備や、南アルプスのトンネル工事の準備、用地買収などに着手しています。
しかし、疑問や不安はなんら解消されていません。品川―名古屋ルートの86%を地下トンネルで貫く工事によって大量発生する残土の処分先が決まっていないこと、大規模工事の期間中多くの車両が行き交うことによる環境破壊などについて、沿線7都県(東京、神奈川、山梨、静岡、長野、岐阜、愛知)の住民や自治体などが多岐にわたる問題を具体的に指摘していますが、JR東海も政府も、まともに答える姿勢がありません。
深刻なのは、地震への対応をはじめリニア運行の安全性に大きな疑問があることです。リニア建設ルートには糸魚川―静岡構造線など日本でも有数の活断層が多く存在しています。JR東海は、活断層の通過は「短い距離」にするなどと説明しますが、不安はぬぐえません。時速500キロという超高速走行中に、断層が大きくずれる巨大地震に直撃されたらどうなるのか。かりに「安全停止」しても、1000人もの乗客をどう地上まで避難させるのか。いまも活動が収まらない熊本地震の状態をみても、活断層がもたらす危険をいささかも軽視することはできません。
JR東海は、リニア建設の理由の一つに東海道新幹線が南海トラフ巨大地震などで寸断された際の「う回路」をあげますが、新幹線とほぼ並走するリニアが地震で無傷ですむのか。説得力はありません。
むしろリニア建設や残土処理によって南アルプスなど地形が大きく変わり、災害を拡大させる危険を警告する研究者も少なくありません。「災害に強い国土づくり」にも逆行しかねない無謀なリニア建設に道理はありません。リニアに9兆円の巨費を投じるのでなく、既存の新幹線などが巨大地震に耐えるかどうかの徹底的な点検と耐震補強こそ最優先の課題です。
中止の声を受けとめよ
岐阜ではウラン鉱床近くにトンネルを掘ることに不安が広がっています。静岡では水脈の変化による水枯れが心配されています。
人口減少社会のなかでリニアが経営的に成り立つのかという疑問も消えていません。このままの推進は将来に重大な禍根を残します。本格着工前の今なら間に合います。住民の声を受けとめ、政府は見直し・中止を検討すべきです。】
●活断層地震が活発化する中での糸魚川静岡構造線を貫くリニア中央新幹線は即刻撤回せよ
(GG:環境を様々な分野で破壊する、日本の中央線沿線の山々の自然を取り返しがつかないくらいボロボロにするプロジェクトだけでは無く、最大の問題は国策プロジェクトで税金を湯水のように使い、大手ゼネコンを太らせゼネコンが地方土建業者に仕事を分け与える、大手ゼネコンはいわば口入れ屋の利権を確保し、中抜きして搾取し、自民党はこれを票田とするーーこの手法がまた大規模に始まったことと、今回のリニア中央新幹線は1民間企業の投資額を遥かに超える巨額を投資するということで始まったが、中途で国が事業引継ぎに入り、採算性を全く考慮しないと言って良い事業化調査が済んだことを盾に、破綻が分かっている事業を始めることだ。このプロジェクトはまったく民の発想から出たものではない。必要性を調査すればほとんどの国民が不要と答えるに違いないのだ。そして投ずる資金が品川から大阪まで9兆円と見積もっているが実際掛かるのは20兆円を超すだろう。とんでもない巨額なのだ。「ペイしない」と葛西JR東海元社長が吐露するように、JP東海はこの事業を完遂出来ず、ドル箱の現新幹線収益を飲み込んで、どこかが事業引継ぎもしくは売却せざるを得ない杜撰極まりない事業なのだ。引き継ぐところは日本政府もしくは外国企業かも知れない、徹底的に買い叩いて名乗りを上げるかもしれない。国民の税金をアテにしたJR東海の裏に大手ゼネコンとどんな密約があるか窺い知れないが、全容が明らかになる前に工事を進めてしまおうとの思惑はそうは問屋を下さない時代に入っている。リニア中央線は60の断層と糸魚川静岡構造線を貫く。糸魚川静岡構造線は親不知(新潟県糸魚川市)から諏訪湖を通って、安倍川(静岡市駿河区)付近に至る大断層線だ。熊本で起こった地震は今も鎮まらず、北上が懸念されている。地震活発期に入っても最大級活断層を無視して、地下40メートルを無人で最高時速500キロで疾走する。想像するだに身の毛がよだつ。
明治以来の官民癒着したこれまでの国家プロジェクトの利権に預かってきた政治家と寄生大手企業の最後っ屁かもしれない)
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