7月20日に文春新書から、出たばかりの一冊です。
本コーナーは読書のコーナーではないので、ためらいもありましたが、やはりこのタイミングで、しかも氏の本格的著書ともなれば、これはニュースだと思います。
印象的な言葉としては、帯にもついていますが、前書きの
「私は政治家を見るとき、こんな見方をしている。それは『闘う政治家』と『闘わない政治家』である。『闘う政治家』とは、ここ一番、国家のため、国民のためとあれば、批判を恐れず行動する政治家のことである。(中略)私は、つねに『闘う政治家』でありたいと願っている。」
という政治信条を述べた部分が先ず想起されます。その背景にはやはり祖父の岸信介の存在があるのだということが、結構細かく書かれています。日米安保の際のやりとりは好々爺に腕白少年といった感じで面白かったです。
全体を通しての印象ですが、氏が総裁選挙を迎えるにあたって国民に向けたメッセージが強く書かれていました。靖国、国旗・国家問題、拉致問題、天皇など、率直に語る姿勢には好感が持てました。もちろん、政治家として支持するかどうかというのは別問題ですが、支持如何に関わらず一読をお薦めします。